注目銘柄ダイジェスト(前場):アジュバン、邦チタニウム、くらなど
LIFULL <2120>:760円(-38円)
大幅反落。いちよし証券ではレーティング「B」を継続で、フェアバリューを950円から800円に引き下げている。既存のHOME’S関連事業の売上収益が想定を下回って推移していることを考慮、業績予想を下方修正している。19年9月期営業利益は66億円から60億円に減額へ。リフォーム関連領域で伸び悩みがみられており、会社側では今後、賃貸や中古等の主力領域へリソースを集中する方針のようだ。
アジュバン<4929>:1141円( - 円)
ストップ高買い気配。医療ベンチャーのオーガンテクノロジーズと理化学研究所では、再生医療分野「毛包器官再生による脱毛症の治療」に向けた非臨床試験を開始すると発表している。頭皮から採った髪の毛のもとになる細胞を培養して、大量に毛髪を増やす技術を用いるようだ。同社は両社と、毛質のメカニズムの科学的解析と新規ヘアケア剤候補物質の評価および探索を目的とした共同研究契約を締結しており、今後の展開に期待が膨らむ状況に。
ファーストリテ<9983>:46670円(-410円)
反落。前日に5月の月次動向を発表している。既存店売上高は前年同月比2.7%減と4カ月ぶりのマイナスに転じた。気温が低い日が多かったことで、夏物商品の需要が弱まったもようだ。ただ、5月は天候要因から他の衣料品専門店各社も総じて売上は伸び悩んでおり、ネガティブなインパクトは限定的、株価下落幅も小幅にとどまっている。なお、9カ月の累計では前年同期比7.5%増の推移となっている。
邦チタニウム<5727>:1064円(-101円)
大幅続落で年初来安値を更新。三菱UFJモルガン・スタンレー証券では目標株価を1240円から1300円に引き上げているものの、業績予想を下方修正、今期営業利益は従来予想の58億円から35億円に減額、2ケタ減益を見込んでいるもよう。来期も34億円から7億円、前期比80%の大幅減益見通しとしている。原料高の転嫁分を下回る製品価格上昇にとどまった可能性が高く、今後も大幅なマージン改善実現には時間を要するとの見方に。
神田通機<1992>:2350円(+60円)
大幅に続伸。19年3月期から21年3月期を対象とする中期経営計画「Change&Challenge 2020」を策定したと発表している。数値目標は、経常利益ベースで19年3月期が2.87億円、20年3月期が4.21億円、21年3月期が5.84億円。既存事業の収益率を向上させ、照明制御事業を新たな事業の柱とする。企業価値向上に向け、コア事業から新規事業へのシフトによる適切な人員配置などを行う。
くら<2695>:7450円(-670円)
大幅続落。先週末に発表した5月の月次動向をネガティブ視する動きが優勢のようだ。既存店売上高は前年同月比4.2%減と、3カ月ぶりのマイナスに転じた。アニサキスの報道などを受け、前年のハードルは低かっただけに、一段の減収にはサプライズも出ているもよう。スシロー、かっぱ寿司などが順調にプラス成長となっており、相対的な伸び悩みがクローズアップされる形にも。
クロスキャット<2307>:1500円(+105円)
大幅に3日ぶり反発。東証の承認を受け、11日から上場市場を第2部に変更すると発表している。同社は更なる業容の拡大と企業価値の向上に努めるとコメントしている。上場市場の変更で同社株への需要が高まるとの思惑から、買いが集まっている。5月24日に年初来高値(1740円)を付けた後は軟調に推移しており、値頃感の高まりも買い戻しの要因となっているようだ。
ナ・デックス<7435>:1300円(+52円)
大幅に続伸。18年4月期の営業利益を従来予想の15.60億円から20.30億円(前期実績17.05億円)に上方修正している。旺盛な設備投資需要を背景に自動車関連企業向け生産設備の販売が順調に推移するほか、電気機器関連企業や工作機械関連企業向けの電子部品などの販売も増加が見込まれるため。また、同期の年間配当を従来予想の30.00円から48.00円(前期実績27.00円)に増額修正している。
日本ハウスHD<1873>:548円(-47円)
大幅反落。前日に第2四半期の決算を発表している。営業損益は4.96億円の赤字となり、従来予想の3億円の黒字を大きく下回った。主力の住宅事業において、工事進捗の遅れなどから一部売上計上時期がずれ込んだもよう。また、ホテル事業でリゾートホテルの宿泊客数が減少したことなども響いた。通期予想は57億円で前期比29.8%増の予想を据え置いているが、未達懸念は高まる状況になっているようだ。
《ST》
提供:フィスコ