高成長持続の19年3月期【連続増収増益】リスト〔第1弾〕32社選出 <成長株特集>

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2018年6月14日 19時45分

株探では3月期決算企業の決算発表が出そろってから、これまで19年3月期に最高益を見込む企業にスポットライトを当てて<成長株特集>を配信してきました。本特集では最高益リストからは外れたものの、19年3月期に連続で増収増益の見通しを示している高成長企業を探ってみた(6月14日現在)。

株探集計によると、19年3月期業績の見通しを開示した約2300社のうち、今期に経常利益ベースで増収増益を見込む企業は1343社と全体の6割弱に上った。下表では、時価総額800億円以上の企業(最高益銘柄を除く)を対象に、19年3月期に連続で増収増益を見込み、かつ経常利益が10%以上伸びる計画を立てている32社を選び出し、増益率が大きい順に並べた。

増益率トップとなったニチイ学館 <9792> は介護と医療事務受託の最大手で、保育事業、教育事業、ヘルスケア事業なども手掛ける。19年3月期は構造改革を進める英会話教室をはじめ赤字部門の業績が改善するほか、前期に契約適正化に取り組んだ医療関連事業の収益拡大を見込む。経常利益は前期比2.9倍の105億円と7年ぶりに100億円大台に乗せる計画だ。株価は上値追い態勢を強めているが、指標面では予想PER13.1倍と割安感があることから見直し買い余地は大きいとみられる。

2位に入った外食大手コロワイド <7616> の19年3月期経常利益は前期比2.3倍の62.6億円に急拡大する見通しだ。今期は回転ずし店を運営する子会社カッパ・クリエイト <7421> の好調に加え、フレッシュネスバーガーや牛角の出店拡大が収益を押し上げる。また、メニューの見直しによる原価低減やセントラルキッチンの生産効率向上のほか、前期に計上した業績不振店舗に関わる減損損失が減少することも大幅増益の要因となる。

4位のヤマトホールディングス <9064> は宅急便の総量規制を継続し取扱個数は減少するものの、値上げの浸透や外部委託を中心とするコスト削減が寄与し、19年3月期経常利益は前期比60.7%増の580億円を見込む。株価は右肩上がりの展開が続き、2000年2月以来の高値水準で推移している。また、6位のレーサム <8890> [JQ]は主力の資産運用事業で販売価格ベース600億円の高水準な在庫を背景に収益不動産の販売が拡大し、今期経常利益は155億円と08年8月期に記録した過去最高益162億円の更新も視野に入る。

7位の月島機械 <6332> は上下水道の汚泥処理設備などの水環境事業と、化学・鉄鋼・食品分野のプラントを手掛ける産業事業を2本柱とする。前期はプラント工事を展開する三進工業のM&A効果などで売上高は16年ぶりに過去最高を更新した。19年3月期は手持ち工事を順調にこなすほか、好採算案件の増加や販管費の減少で産業事業の利益率が大きく改善する見込みだ。好調な業績を背景に、株価は1997年9月以来、実に20年9ヵ月ぶりの高値圏を快走している。

8位の新光電気工業 <6967> は半導体パッケージの総合メーカー。19年3月期は活況な市場を背景に半導体製造装置向けセラミック静電チャックの好調が継続し、2期連続の増収増益を見込む。決算とあわせて、半導体用次世代フリップチップタイプパッケージの生産体制を強化することを明らかにした。大容量のデータを高速処理するサーバー向けをはじめとする高性能半導体の需要を取り込み、さらなる成長につなげる構えだ。

続く9位に入ったネットワンシステムズ <7518> の19年3月期はセキュリティ対策やクラウド基盤、IoT関連などのシステム構築案件が伸びる。また、利益率の高いサービス部門の売上増加に加え、原価低減や生産性向上の取り組みを進めることも大幅増益に貢献する。このほか、決算が評価され株価が上昇したあと調整が続くNTN <6472> 、阪和興業 <8078> は予想PERが10倍前後、配当利回りは3%超と指標面で妙味があり水準調整の買いが入ることが期待される。

なお、17日(日)19時30分に時価総額800億円未満の銘柄を対象とした「高成長持続の19年3月期【連続増収増益】リスト〔第2弾〕」を配信します。ご期待ください。

    ┌ 経常利益 ┐   ┌ 売上高 ┐  増収増益 予想

コード 銘柄名    増益率 19年3月期 増収率 19年3月期 連続期数  PER

<9792> ニチイ学館    189   10500  10.8  314500    3  13.1

<7616> コロワイド    126   6267   5.1  258461    2  111

<7012> 川重      61.9   70000   4.8  1650000    2  12.1

<9064> ヤマトHD   60.7   58000   4.0  1600000    2  37.3

<6986> 双葉電     60.5   1600   0.9   70000    2  171

<8890> レーサム    41.5   15500  58.1   70000    3  8.2

<6332> 月島機     36.6   6500   5.8   90000    2  18.2

<6967> 新光電工    32.6   7600   5.1  154600    2  25.8

<7518> ネットワン   30.7   11000   5.5  170000    3  21.3

<9783> ベネッセHD  29.7   12000   1.7  442000    2  72.8

<7732> トプコン    21.8   13000   3.1  150000    2  29.3

<9832> オートバクス  21.6   10000   1.6  215000    2  24.5

<6287> サトーHD   20.6   7100   5.8  120000    2  26.3

<6472> NTN     18.4   37000   0.8  750000    2  11.8

<8078> 阪和興     17.6   30000  11.7  2000000    3  9.5

<2730> エディオン   17.5   19000   3.5  710000    2  11.6

<6103> オークマ    17.3   26500  11.5  203000    2  11.2

<6925> ウシオ電    16.2   14000   3.7  180000    2  15.9

<7974> 任天堂     15.4  230000  13.7  1200000    2  27.0

<6417> SANKYO  14.9   13000   4.4   90000    2  39.9

<4708> りらいあ    14.2   6100   4.7  115000    2  29.5

<6457> グローリー   13.9   20000   5.6  240000    2  16.7

<7211> 三菱自     13.5  125000   9.5  2400000    2  12.0

<9075> 福山運     13.5   18300   3.2  276500    2  24.9

<4118> カネカ     12.9   37000   9.0  650000    2  15.3

<6963> ローム     12.5   61000   5.8  420000    2  24.0

<6753> シャープ    12.0  100000  19.1  2890000    2  17.9

<4921> ファンケル   11.0   9600   5.0  114500    3  54.0

<8252> 丸井G     11.0   39000   4.2  249000    2  21.7

<8056> ユニシス    10.6   17800   2.8  295000    3  21.8

<6104> 東芝機     10.3   7700  15.5  135000    2  12.0

<8218> コメリ     10.0   18800   4.7  358000    2  12.7

※売上高、経常利益の単位は百万円。増益率、増収率は前期と比べた増加率、単位は%。

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