アドクリ Research Memo(1):保険契約の獲得が順調に進み、2018年9月期は過去最高業績を更新する公算大

特集
2018年6月19日 15時01分

■要約

アドバンスクリエイト<8798>は、国内最大級の保険選びサイト「保険市場(ほけんいちば)」を運営する独立系保険代理店の大手。「保険市場」を通して問い合わせのあった見込み顧客を、通信販売や直営のコンサルティングプラザ、提携先である協業代理店に誘導し、保険契約を獲得している。収益の大半はこの保険契約から得られる代理店手数料収入で、そのほかにメディア事業、再保険事業を展開している。

1. 2018年9月期第2四半期累計業績

2018年9月期第2四半期累計(2017年10月-2018年3月)の連結業績は、売上高が前年同期比19.7%増の4,653百万円、営業利益が同35.0%増の615百万円と2ケタ増収増益となった。半期での会社計画は開示していないものの、想定を上回る進捗になったと見られる。SNSやチャットボット等を活用した積極的なWebプロモーション施策が奏効し、主力の保険代理店事業の売上が前年同期比21.4%増と好調に推移したことが主因だ。個人だけでなく中小企業等の法人契約も徐々に増え始めているほか、新たな取り組みとして2017年6月より開始したアメリカン・エクスプレス・インターナショナル, Inc.(以下、AMEX)との協業によるAMEX会員をターゲットとした共同募集による契約件数も順調に増加した。

2. 2018年9月期業績見通し

2018年9月期の連結業績は、売上高が前期比13.4%増の9,230百万円、営業利益が同21.7%増の1,270百万円と期初計画を据え置いたが、第3四半期以降も保険契約の獲得が順調に推移しているほか、上期に一時的に落ち込んでいた再保険事業の収益も回復する見込みとなっていることから、会社計画を上回って5期ぶりに過去最高業績を更新する可能性があると弊社では見ている。同社はITを活用した新たなマーケット手法に先駆して取り組んできたことで、持続的な成長を実現しているが、今後もAI技術等を活用した新たなマーケティング戦略に取り組むことで「保険市場」の集客力を高め、主力の保険代理店事業を中心に収益を拡大していく方針だ。

3. 収益ポートフォリオの多様化で更なる成長を目指す

同社では既存事業の成長だけでなく、保険に関連する新たな事業を立ち上げていくことで更なる成長を目指している。まずは2018年9月期中に社内用に開発したCRM(顧客管理)システムを協業代理店に対してASP※1サービスとして提供していく予定となっている。売上高のポテンシャルとしては年間数億円程度が見込まれる。既に自社で使っているシステムのため高い収益性が期待できる。また、コールセンター業務のBPO※2サービスについても2019年9月期以降の開始を目指している。同社ではコールセンター業務の品質の高さが強みの1つとなっているが、これらをBPOサービスとして保険会社やクレジットカード会社に提供していく。現在、契約社員の増員・育成を進めており、体制が整い次第スタートする予定となっている。

※1 ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)…インターネットを通して各種アプリケーションを提供するサービスまたはサービスを提供する事業者のこと

※2 BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)…企業運営上の業務やビジネスプロセスを外部委託すること、受託する側をBPOベンダーと呼ぶ

4. 株主還元策

同社は、株主還元策として配当と株主優待を実施している。配当政策としては配当性向で50%以上を目安とし、2018年9月期の1株当たり配当金で前期比2.5円増配の50.0円(配当性向67.8%)を予定している。また、株主優待制度としては、9月末の100株以上保有の株主に対して、2,500円相当のカタログギフトと福利厚生サービス(保険市場Club Off)の利用権を贈呈している。現在の株価水準(2018年6月8日終値2,195円)で見た単元当たりの総投資利回りは、福利厚生サービスを除いたベースでも3%台の水準となる。そのほか、2018年11月20日を期限として10万株、210百万円を上限に自己株式の取得を行うことを発表している。

■Key Points

・国内最大級の保険選びサイト「保険市場」を運営する独立系保険代理店の大手

・自社開発した顧客管理システムのASPサービスを2018年9月期中に開始予定

・ROE、売上高経常利益率で20%以上、自己資本比率80%以上を目標とする

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《MH》

提供:フィスコ

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