【植木靖男の相場展望】 ─ 株価反騰のための3つの条件

市況
2018年7月1日 9時15分

「株価反騰のための3つの条件」

●上昇相場はなお健在か?

日経平均株価は1月高値後、5月、6月と2回にわたって2万3000円大台への戻りを試したが、志ならず、再び下降相場に転じている。

いまや最初の2万3000円大台挑戦後の反動安でつけた2万2000円処すらも守り切れない危うい状況にある。

ここを割らせてはならじと日銀は孤軍奮闘しているが、端からみると痛々しい限りだ。

多くの投資家は、すでに諦めの境地にあるが、得てしてこういうときに流れが変わることがある。

だが、それはさておき、もっと根源的な課題がある。それは3月23日安値2万0617円(終値ベース)からの上昇相場が、なお継続しているかどうか、という点だ。あるいはもう終わってしまっているかも、ということも考えられる。

中長期投資家からみれば、この問いは重要である。引き続き継続しているのであれば、ポートフォリオの入れ替えで済む。だが、もう終わっているのであれば、いったん市場から離脱しなければならないからだ。

●2万3000円大台乗せから見えてくる“主柱”

これは即断できない。

なにせ、グローバル化のもと東京市場をみるだけでは判断できないからだ。

今日、世界の株式市場を眺めると、大雑把にいえば、米長期金利上昇で新興国の株価は安定していない。もっとも先進国の市場とてすべて良いとはいえない。極端にいえば、米国内でもモノづくりの象徴でもあるNYダウ平均はすでに大天井を打っているかもしれない。トランプ大統領は衰退するモノづくりの復権を夢見ているかもしれないが、時代の趨勢に逆らうものだ。一方、いまは情報サービス分野で世界を牽引している。つまり、ナスダック指数はなお騰勢健在とみるべきであろう。

ところで、話を東京市場に戻すと、筆者は株価反騰の条件は3つあると捉えている。ひとつは、米中貿易摩擦の象徴ともいえる中国上海株の反転上昇、ふたつはドル円相場の上昇、3つは米国長期金利の低位安定である。

幸い週末、この3つの条件に好転の兆しが見えた。日経平均は6月28日、わずか34円高で引けたが、これをきっかけに週明け続伸することを期待したい。

さて、当面の物色銘柄であるが、かつて某著名な相場師が「銘柄の選別は、材料3分、罫線3分、時代性3分」と常々口にしていた。

今日、物色銘柄はあたかも日替わりメニューのように、日々くるくると異なる。たぶん2万3000円大台乗せから業種、テーマから主柱がおぼろげながら明確になろう。

今回は、為替の影響を受けないとされるソニー <6758> 。年初来高値を更新してきた。ついで浜松ホトニクス <6965> 。“光技術”はあらゆる分野で用いられる。いまは医療機器がメインだが、その応用範囲は広い。しかも技術的に追随する企業がいないのが強みだ。最後にニッカトー <5367>全固体電池は世界が渇望している。関連銘柄として注目したい。

2018年6月29日 記

株探ニュース

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