目先的には戻り待ちの売り仕掛けが出やすい【クロージング】

市況
2018年7月2日 15時56分

2日の日経平均は大幅に下落。492.58円安の21811.93円(出来高概算13億7000万株)で取引を終えた。前場段階では小幅な下げにとどまっていたが、後場寄り付き直後から急速に弱含む展開となり、5月末の直近安値を一気に割り込む格好となった。東証1部の騰落銘柄は値下がり数が1900を超えており、全体の9割を超す全面安商状となっている。

セクターでは33業種全てが下げており、ゴム製品、小売、食料品、陸運の下落率が3%を超えている。また、先物主導のインデックス売買による下げとなっており、日経平均構成銘柄の値上がり数は太陽誘電<6976>、ソフトバンクG<9984>など11銘柄にとどまっており、ファーストリテ<9983>、資生堂<4911>、ユニファミマ<8028>、テルモ<4543>などの弱さが目立った。

日銀が発表した6月の全国企業短期経済観測調査(短観)は、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)が大企業・製造業でプラス21だった。前回3月調査のプラス24から3ポイント悪化した。ただ、2018年度の大企業・全産業の設備投資計画が市場予想を上回ったことを背景に設備投資関連銘柄の一角が買われ、前場半ばにはプラスに転換する局面もみられた。基本的には世界的な貿易摩擦問題の行方を見極めたいとして、神経質な相場展開が続くなか、前場は底堅さが意識された。

しかし、後場開始直後から急速に弱含む格好となり、その後心理的な節目の22000円を割り込むと、ポジション圧縮の流れが強まっている。米中貿易摩擦を巡って、企業が投資案件を先送りすることで景気拡大ペースが鈍ることへの警戒があるなか、節目を割り込んだことから短期筋の売り仕掛け的な動きもあったとみられる。また、宮内庁は、天皇陛下にめまいと吐き気の症状があり、脳貧血による症状とみられ、しばらくの安静と経過観察が必要と診断されたと発表。天皇陛下の症状を不安視するリスク回避の動きもあったとみられる。

日経平均は直近安値を下回り、一目均衡表では雲下限に接近している。調整幅としては十分であり、目先的には踏ん張りを見せてくるかを見極めたいところ。とはいえ、急ピッチの下落で需給状況は悪化しており、目先的には戻り待ちの売り仕掛けが出やすいだろう。

《AK》

提供:フィスコ

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