【投資部門別売買動向】海外勢による2週連続の巨額な売りを信託銀と個人が買い受ける構図続く (6月第4週)
●海外勢による2週連続の巨額な売りで相場が下値を探る展開となる中、信託銀と個人が買い受ける構図が続く
東証が5日に発表した6月第4週(25日~29日)の投資部門別売買動向によると、トランプ政権の保護主義への警戒感が重荷となり日経平均株価が2週続落したこの週は、海外投資家が2週連続で売り越した。売越額は2857億円と前週から34%減ったものの、2週連続で部門別売越額トップとなった。また、先物の投資部門別売買動向でも日経平均先物とTOPIX先物の合計で海外投資家は2週連続で売り越し、売越額は3438億円で前週の3484億円と同水準だった。現物と先物の合算では6296億円と前週の7791億円から減少したものの、高水準が続いた。
一方、信託方式による自社株買いや年金基金の売買動向を映すとされる信託銀行部門は2週連続で買い越した。買越額は前週比48%増の2156億円に拡大し、部門別買越額トップだった。個人投資家も2週連続で買い越し、買越額は前週比67%減の700億円にとどまった。
海外投資家による2週連続の巨額な売りで日経平均が2週続落と下値を探る展開となる中、信託銀行と個人投資家が買い受ける構図が続いた。
■投資部門別売買代金差額 (6月25日~29日)
東証・名証2市場の1・2部と新興企業向け市場の合計[総合証券ベース(全51社)]
※単位:億円(億円未満切り捨て) ▲は売り越し
海外投資家 信託銀行 個人合計 [ 現金 信用 ] 日経平均 ( 前週比 )
6月 ―――
第4週 ▲2,857 2,156 700 [ 357 343 ] 22,304円 ( -212 円)
第3週 ▲4,306 1,452 2,115 [ 1,468 646 ] 22,516円 ( -334 円)
第2週 317 ▲307 ▲1,426 [ ▲1,630 204 ] 22,851円 ( +157 円)
第1週 205 1,118 ▲3,059 [ ▲2,404 ▲654 ] 22,694円 ( +523 円)
5月 ―――
第5週 ▲3,076 696 2,071 [ 1,339 731 ] 22,171円 ( -279 円)
第4週 ▲3,404 ▲403 1,451 [ 77 1,374 ] 22,450円 ( -479 円)
第3週 ▲937 43 ▲3,644 [ ▲3,463 ▲181 ] 22,930円 ( +171 円)
第2週 ▲12 ▲829 ▲2,945 [ ▲2,700 ▲244 ] 22,758円 ( +285 円)
第1週 17 ▲480 ▲538 [ ▲655 116 ] 22,472円 ( +4 円)
4月 ―――
第4週 ▲1,509 ▲258 ▲2,596 [ ▲2,595 0 ] 22,467円 ( +305 円)
第3週 1,151 18 ▲2,443 [ ▲2,087 ▲355 ] 22,162円 ( +383 円)
第2週 845 ▲72 ▲1,561 [ ▲1,417 ▲144 ] 21,778円 ( +211 円)
第1週 1,584 280 ▲1,264 [ ▲1,714 449 ] 21,567円 ( +113 円)
3月 ―――
第4週 48 9 ▲388 [ 240 ▲629 ] 21,454円 ( +836 円)
第3週 ▲4,541 99 4,478 [ 3,316 1,162 ] 20,617円 ( -1058 円)
第2週 ▲1,728 ▲203 ▲756 [ ▲1,311 554 ] 21,676円 ( +207 円)
第1週 ▲3,754 414 713 [ 738 ▲24 ] 21,469円 ( +287 円)
2月 ―――
第4週 ▲3,484 ▲267 3,359 [ 1,646 1,712 ] 21,181円 ( -711 円)
第3週 ▲1,132 1,132 815 [ 481 334 ] 21,892円 ( +172 円)
第2週 ▲362 38 850 [ 897 ▲47 ] 21,720円 ( +337 円)
第1週 ▲6,446 917 7,458 [ 5,644 1,813 ] 21,382円 ( -1891 円)
※「信託銀行」は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)など年金基金の売買動向を映すとされる部門。「個人・現金」は個人投資家による現物取引の売買動向、「個人・信用」は個人投資家による信用取引の売買動向。
※日銀が金融緩和策の一環として実施しているETF(上場投資信託)の買い入れは、ETFを組成する証券会社の自己売買部門を通じて買い入れているとみられる。
株探ニュース