＜話題の焦点＞＝７月からの訪日外国人向け免税措置拡大で消費拡大へ

増勢一途の訪日外国人旅行客、その購買力は日本経済にとって欠かせない存在になっている。ただ、訪日客の平均消費額には陰りがみられ、消費喚起の対策が求められていた。こうしたなか、政府は７月１日から訪日客を対象とした消費税の免税制度を拡大した。いままで免税を受けるためには、消耗品と一般物品をそれぞれ５０００円以上購入する必要があったが、１日からは消耗品と一般物品の合算で購入額が５０００円以上になれば適用されることになった。

従来、訪日観光客は商品を仕分けして精算する必要があり、購入商品の偏りにより免税を受けられないというケースも目立ち、多くの観光客からこの規定に対する不満の声が上がっていたという。観光庁の統計によると、訪日観光客の平均消費額は２年連続で減少している。今回の新規定は訪日観光客に新たな便宜を提供することで、消費拡大を図ることが狙い。政府は、２０２０年に訪日外国人客関連の消費額を８兆円とする目標を掲げているものの、１７年の訪日消費額は約４兆４０００億円にとどまっているのが現状だ。

この新規定の導入で、まず消費拡大が期待できるのが、家電など一般物品の購入額が、例えば４５００円などぎりぎりで５０００円に達しない場合に、ついでに購入するケースが多い比較的低価格帯の菓子類などをはじめとした食品、化粧品、医薬品、日用品などだ。

関連銘柄としては、菓子、乳製品、医薬品の明治ホールディングス<2269>をはじめ、菓子を中心とした食品メーカーの森永製菓<2201>、江崎グリコ<2206>、ハウス食品グループ本社<2810>。化粧品、日用品の花王<4452>。芳香消臭剤首位で、医薬品、健康食品などでの分野でニッチ製品開発に定評がある小林製薬<4967>、深夜まで営業の総合ディスカウント店を首都圏中心に全国展開しているドンキホーテホールディングス<7532>、ドラッグストア最大手のウエルシアホールディングス<3141>、羽田空港国内・国際ターミナルビルの家主で、羽田、成田の免税店運営が主力事業の日本空港ビルデング<9706>も注目したい。

出所：みんなの株式（minkabu PRESS）