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2018年7月17日 18時30分
特集

桂畑誠治氏【どこまで続く上値追い相場、2万3000円は通過点?】(1) <相場観特集>

―米中貿易摩擦でも円安、まだら模様のリスクオンの結末―

17日の東京株式市場は、後半伸び悩んだもののリスクオンの流れが継続し一段の上値追い態勢となった。米中貿易摩擦への警戒感は根強いとはいえ、7月6日を境に全体相場は様変わりの様相を呈している。気がつけば 日経平均は2万3000円大台が間近に迫ってきた。7月後半から8月にかけて上昇トレンドは継続するのか否か、経済やマーケット分析で定評のある市場関係者2人に外部環境や需給面などを考察したうえで今後の展開を占ってもらった。

●「貿易摩擦問題あっても当面は上値追いの流れに」

桂畑誠治氏(第一生命経済研究所 主任エコノミスト)

東京株式市場は大方の予想を上回る強調展開が続いている状況だ。米中貿易摩擦の問題については引き続き要警戒だが、ひと頃のような行き過ぎた悲観論は鳴りを潜めている。

米国の対中制裁関税については中間財、資本財が中心で、サプライチェーンの見直しなど米企業にとって負担要因とはなるものの、中国からしか調達できないものについては、関税の適用免除の可能性も出ている。またトランプ米政権が打ち出した減税策による効果なども考慮すれば、企業は価格転嫁を抑制するとみられ、個人消費への悪影響は限定的で業績面でもマイナスのインパクトは抑えられよう。今後も、トランプ大統領はこの貿易摩擦問題が米経済へのダメージとならないことを念頭に置いた通商交渉を進めることが想定され、米株市場も上値指向に変化はなさそうだ。

対中制裁関税も現時点で340億ドル分以外の残り160億ドル分について詳細を詰めている段階。輸入自動車・部品に最大25%の関税を課すことについては、米国内の自動車メーカーからの批判も出ている状況で、緩和的なものに修正される公算もある。また、2000億ドル分については9月以降になる見通しで対象品目もこれからさらに絞り込む形となるが、関税の上乗せは10%にとどまる見通しで、その意味でインパクトは軽減される。中国企業への投資規制についても、マーケットではトランプ政権としては比較的穏やかな対応との見方が支配的となっている。

中国の景気減速懸念が一部でささやかれているが、これは貿易摩擦問題とは直接リンクするものではなく、中国政府が債務の抑制など構造改革を進めるなか、想定されたシナリオに乗るものであり、それほど悲観する類いのものではない。先行きも中国政府は成長率目標を達成するための政策を矢継ぎ早に繰り出すであろう。

日経平均の戻り相場は思った以上に急速なものとなっているが、これは海外ファンド筋を中心とした空売りの買い戻しによる影響が濃い。リスクオフの円高という“公式”が今回は通用せず、1ドル=112円台半ばまで円安が進んだことも売り方の手仕舞いを促した背景となっているようだ。日経平均は今後1カ月程度をめどに2万3000円台回復から2万3500円近辺をうかがう展開が予想される。

(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(かつらはた・せいじ)

第一生命経済研究所 経済調査部・主任エコノミスト。担当は、米国経済・金融市場・海外経済総括。1992年、日本総合研究所入社。95年、日本経済研究センターに出向。99年、丸三証券入社。日本、米国、欧州、新興国の経済・金融市場などの分析を担当。2001年から現職。この間、欧州、新興国経済などの担当を兼務。

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