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明日の株式相場に向けて=「脱キオクシア」新潮流、ホットマネーの向かう先

市況
2026年7月6日 17時30分

週明け6日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比6円安の6万9737円と小反落。前週末の米国株市場が独立記念日の振替休日で休場であり、手掛かり材料に事欠くなか、きょうも韓国株市場のKOSPIにリンクされた形で方向感の見えにくい地合いとなった。朝方に7万円台を回復したものの、その後は軟化し前引けは800円あまり安かったが、後場は一貫して下げ渋った。もっとも、今の地合いはモメンタムチンパンジーに属さない投資家にとっては心地よい強さで、これは6連騰で最高値を更新したTOPIXの方に如実に反映されている。

これまで「AI・半導体関連の一極集中相場は過熱感こそあるものの、そう簡単には頓挫しない」という意見が市場関係者のマジョリティであった。つまり、これらの銘柄群が調整局面を挟んでも、出遅れバリュー株への資金シフトは起こらないだろうというコンセンサス。「AIテーマの後にAIありき」で他に行っても報われないという見方が広がっていた。近来稀(まれ)に見るAI関連相場は押し目を買い下がっておけば間違いない、という妙な自信が株式市場に底流していたようだ。しかし、相場はアマノジャクな生き物で、そうした“AI無双論”が大手を振るようになると、それを否定するような方向に動き始める。

これまでAIバブル警戒論が渦巻いていた時は、株価の勢いが止まったところを、売り方が何度も仕掛けては担がれる(踏まされる)という状況が続いた。ところが、ショートスクイーズを強制された後もしぶとく売り攻勢は続き、ここにきて買い方の動揺が伝わるような地合いとなっている。AI・半導体関連は、突っ込み買いで短期リバウンドを狙うことは有効だが、中期で保有しにくくなった。“押し目買いニーズ”を“戻り売り圧力”が徐々に上回ってきているからだ。キオクシアホールディングス<285A>は、押しも押されもせぬAI相場のシンボルとして、25日移動平均線を下回っても簡単に下放れない強さは評価できるが、ここは一考を要する。明らかにリターンリバーサルの流れが生じている全体相場が、どこまで続くかを見極める時間が少なくとも必要である。

市場筋が半ば一笑に付していたセクターローテーションの動きが、気がつけば軌道に乗っている。例えばトヨタ自動車<7203>は40年ぶりのドル高・円安局面でもネガティブな声ばかり聞かれたが、振り返ってPBR0.8倍を割るかどうかの攻防はやはりバーゲンセールだった可能性が高い。日本の製造業の盟主で世界販売台数首位の座に君臨する同社が会社解散価値を2割以上も下回るというのは解せない。このほか低PBR株では、ホルムズ海峡の正常化がじわり貢献し始める海運や、バフェット効果で檜舞台に躍り出た総合商社株なども今は深押しを経て安値買いの機が熟した感。またバリュー株の範疇ではないが、AI関連相場で常に蚊帳の外に置かれたソニーグループ<6758>なども持ち前のオーラを復元させてくる可能性がある。これ以外にも、目先は高市政権肝いりの国策テーマである防衛やレアアース関連株にも漸く資金が回ってきた。防衛の旗艦銘柄は三菱重工業<7011>だが、レアアース関連では眠れる巨大穴株として信越化学工業<4063>を継続マークしたい。

ハイテク株偏重というより、もはやAI・半導体株指数と化している日経平均に一喜一憂してるのは、同関連銘柄に特化している投資家だけで、そうではない投資家にはむしろ慈雨が降り注いでいるという見方もできる。逆説的な言い方だが、日経平均が25日移動平均線を下値支持ラインとしているうちは、AI・半導体関連のツルハシ銘柄が主軸であり、その他は用なし相場。だが今は、仮に日経平均が同移動平均線を下放れた時に報われる投資スタンスを確立させておく必要がある。

バリュー株へのセクターローテーションだけではない。AI関連として括られるエリアにおいても、これまで「ツルハシ軍団」とそうではない「採掘(マイニング)プレーヤー」で明暗を分けたが、ここにも巻き戻しの動きが生じている。アンソロピック・ショックという触媒によって負け組の側に配置されたソリューション系の銘柄が、復権の流れに乗りつつある。そのなか、セキュリティ関連の一角が動兆しきりである。網屋<4258>やグローバルセキュリティエキスパート<4417>などが値を飛ばしフロントランナーを務めているが、このほか、フーバーブレイン<3927>、セキュアヴェイル<3042>、ソリトンシステムズ<3040>、フォーカスシステムズ<4662>などにも目を向けておきたい。

あすのスケジュールでは、5月の家計調査、5月の毎月勤労統計、6月上中旬の貿易統計がいずれも朝方取引開始前に開示される。また、前場取引時間中には30年物国債の入札が予定されている。後場取引時間中には内閣府が発表する5月の景気動向指数(速報値)のほか、日銀が公表する消費活動指数などにマーケットの関心が集まる。海外ではポーランド中銀の金融政策委員会が8日までの日程で行われる。また北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が同じく8日までの日程で開催される。米国では5月の貿易収支のほか、米3年物国債入札が行われる。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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