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夏相場に先回り! 26年12月期「上方修正」期待の有力6銘柄リスト <株探トップ特集>

特集
2026年7月6日 19時30分

―上期決算発表シーズン迫る、上値期待の増額“先回り候補”をピックアップ―

足もとの東京市場では、これまで相場を力強く牽引してきたAI・半導体関連の主力株が利益確定売りに押され、日経平均株価は上値の重い展開が続いている。一方、TOPIXは6日に最高値を更新するなど底堅く推移しており、日経平均が急落する場面でも東証プライム市場では値上がり銘柄数が過半を占める日も目立つ。ハイテク株から出遅れ感のあるバリュー株や内需株へ投資資金が向かうなか、物色の裾野が広がりつつあり、業績面で裏付けのある銘柄が選好されやすい地合いとなっている。

そうしたなか、今月下旬からは12月期決算企業による26年1-6月期決算発表が本格化する。上方修正が期待される銘柄には、決算発表日が近づくにつれて先回り買いが入りやすく、業績進捗の高い銘柄への注目度も一段と高まりそうだ。そこで今回は、26年12月期第1四半期(1-3月)に絶好のスタートを切り、上期または通期計画に対する進捗率が高水準で業績上振れが期待される有望株を探った。

●1-3月期は好業績も通期見通し据え置きが多数

26年12月期の第1四半期決算を振り返ると、比較可能な515社(変則決算などは除く)の経常利益または税引き前利益の合計額は前年同期比で約24%増と力強い伸びを示した。ルネサスエレクトロニクス <6723> [東証P]やレゾナック・ホールディングス <4004> [東証P]などがAI関連の旺盛な設備投資需要を捉えて躍進したほか、アシックス <7936> [東証P]は欧米でのスニーカー人気や国内のインバウンド需要を追い風に利益を大きく伸ばした。

また、JT <2914> [東証P]では値上げ浸透が寄与したほか、継続する円安も輸出関連企業の収益を底上げした。更に、企業の活発なIT投資などを背景に情報・通信業をはじめとする内需系セクターが好調に推移したことも全体の数字を押し上げた。社数ベースでは全体のおよそ65%が前年実績を上回るなど、総じて好調な滑り出しを見せている。

一方、中東情勢の緊迫化や日米の金融政策動向など先行きを警戒する向きが強く、第1四半期の業績が良好であっても通期予想を上方修正する企業は限定的だった。こうした慎重姿勢は上期決算でも一部で続くとみられるが、逆風下でも期初計画を上回るペースで業績を伸ばし、上方修正に踏み切る企業はマーケットの注目を集めそうだ。

以下では、12月期決算企業のなかから、第1四半期の業績が絶好調で上期または通期計画に対する進捗率が高水準な銘柄をピックアップした。なかでも、期初段階で早々に上方修正に踏み切った業績モメンタムの強い銘柄や独自の成長シナリオを描く有望な6銘柄を、上方修正の“先回り候補”として紹介する。決算発表シーズンを前に、株価の見直し機運が高まる展開に期待したい。

◎DIC <4631> [東証P]

世界トップシェアを誇る印刷インキメーカーとして知られるが、現在市場の熱視線を集めているのは半導体材料だ。AI半導体の旺盛な需要を背景に、パッケージ基板の絶縁材や封止材に使われるエポキシ樹脂など高付加価値製品の出荷が大きく伸びている。第1四半期は、海外顔料拠点の修繕に備えて計上していた負債の取り崩しに伴う一時的利益に加え、主力のパッケージ用インキで原材料価格の上昇を反映した価格転嫁も進展し、経常利益は238億5400万円(前年同期比2.4倍)と急拡大。早くも上期計画(255億円)にほぼ到達した。対通期進捗率もすでに約5割と高水準だが、中東情勢による石化由来原料のコスト増懸念から会社側は見通しを据え置いた。とはいえ、着実な価格転嫁による吸収が見込まれており、業績上振れへの期待は強い。株価は6月19日に5374円と約18年5ヵ月ぶりの高値をつけた後は利益確定売りに押されているが、予想PER14倍前後、PBR0.9倍台と割高感は乏しく、水準訂正余地は大きそうだ。

◎BuySell Technologies <7685> [東証G]

着物など自宅に眠る“かくれ資産”を対象とする出張訪問買取のパイオニア。シニア層の生前・遺品整理ニーズを捉える出張買取と、積極的なM&Aによる買取店舗の拡大を両輪に成長を続ける。第1四半期は、出張買取での再訪施策が奏功して高単価商材の買い取りが増加したほか、前期末から戦略的に持ち越した在庫の販売も進み、経常利益は50億4800万円と前年同期比2.2倍に膨らんだ。第1四半期の旺盛な買い取り実績を背景に、販売用在庫が潤沢に積み上がるなか、最高益予想だった通期の同利益計画を152億円へ引き上げた。直近の月次仕入高も引き続き好調であることに加え、過去2年連続で上期決算発表時にも上方修正した経緯があることから、一段の上振れも期待できそうだ。株価は5月に上場来高値(4155円)をつけた後は調整を挟んでおり、足もとでは強弱観が対立しているものの、好業績を支えに下値は限定的とみられる。

◎SBSホールディングス <2384> [東証P]

独立系の総合物流大手。M&Aを駆使して拡大を続けており、直近ではブリヂストン物流を傘下に収めた。第1四半期の経常利益は130億3400万円(前年同期比4.2倍)と大幅増益を達成し、通期計画に対する進捗率は54.3%に達した。物流施設売却による不動産流動化益の寄与が大きいため、一概に上方修正必至とはいえないが、本業の物流事業も堅調に推移している。3PL(サード・パーティー・ロジスティクス)を軸とした顧客拡大が牽引するなか、足もとでは白物家電や半導体関連の物流が想定以上に伸び、料金適正化や不採算拠点の収益改善も利益拡大を後押ししている。株価は決算発表を受けて上場来高値(5100円)まで急騰した後、4100円台まで値幅調整が進んだ。今期で9期連続の増配を見込み、新中期経営計画で配当性向35%目標を掲げるなど積極的な株主還元姿勢も評価材料で、本業の持続的な成長力を見直す動きが広がる余地はありそうだ。

◎セルシス <3663> [東証P]

イラスト・マンガ制作アプリ「CLIP STUDIO PAINT」を展開。累計出荷本数6300万本以上と、世界中のクリエイターから圧倒的な支持を集める。人の手による創作活動を支えるツールとして、生成AIに代替されにくい独自の強みを確立している点も評価が高い。業績はサブスクリプション型の収益モデルを軸に絶好調で、第1四半期の経常利益は12億1300万円(前年同期比61.7%増)と過去最高を更新し、6四半期連続の2ケタ増収増益を果たした。3月に実施した機能アップデートや買い切り版の値上げ効果も収益拡大に貢献した。目先の注目ポイントは、上期業績予想の上方修正だ。上期計画に対する経常利益の進捗率がすでに76.8%に達するうえ、過去2年にわたり同時期に業績見通しを引き上げており、今年も業績上振れの確度は高いとみられる。株価は6月に上場来高値を更新後、調整をこなし、足もとでは再び高値圏をうかがう展開となっている。

◎ブロードリーフ <3673> [東証P]

自動車アフターマーケット(整備・鈑金など)向け業務システムの国内最大手。従来のパッケージ販売から月額サブスクリプション型クラウドソフトへの移行に伴う先行投資が一巡し、利益回収フェーズに入るなか、26年12月期の税引き前利益は7期ぶりに過去最高益を更新する見通しだ。第1四半期の同利益は8億3400万円(前年同期比2.8倍)と上期計画に対する進捗率は8割近くに達しており、過去2年連続で7月に上期業績を上方修正した実績もあることから今年も上振れが期待される。一方、対通期進捗率は17.6%にとどまるが、現在導入を進める大手顧客向け案件がカスタマイズ開発を伴うため、システムの本格稼働と売上計上が下期に集中する計画であり、過度な懸念は不要だ。28年12月期に営業利益130億円(今期計画48億円)を目指す中期計画も強力な成長を裏付ける。株価は5月の高値から日柄調整を経て切り返しの動きを強めつつある。

◎井関農機 <6310> [東証P]

農業機械トップクラスの老舗。第1四半期の経常利益は前年同期比2.6倍の25億5200万円と大きな伸びを示し、通期計画(49億円)に対する進捗率は52.1%に達した。好調な滑り出しを見せたものの、中東情勢に伴う樹脂やオイルなどのコスト増加を懸念し、通期見通しは据え置いた。ただ、本業の稼ぐ力は着実に向上している。構造改革による収益性の高い国内大型機へのシフトに加え、乗用草刈機が牽引する欧州事業の拡大が利益を押し上げたほか、価格改定や円安効果もプラスに働いた。今後は大型機比率の上昇に伴い、安定収益源であるメンテナンス収入の更なる増加も見込まれる。株価は決算発表後の急騰から反落し、発表前の水準まで調整が進んでいたが、足もとでは切り返しの動きを強めている。PBRは0.5倍台と極めて割安な水準に放置されており、下値不安の少ない押し目買い候補として注目したい。

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