欧米為替見通し:ドル・円は戻りの鈍い展開か、トランプ発言の影響見極め

通貨
2018年7月20日 17時25分

20日の欧米外為市場では、ドル・円は戻りの鈍い展開を予想する。トランプ米大統領が足元のドル高に否定的な見解や、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げに難色を示したことで、調整のドル売りが主体となる見通し。ただ、根強いFRBの利上げ継続の思惑などがドルを下支えすれば、週明け以降は底堅い展開が見込まれる。

前日の海外市場では、欧州勢のドル買い再開によりドル・円は113円台を回復。また、堅調な米国の7月フィラデルフィア製造業景況指数などを受け、景気拡大基調の維持が好感され、113円17銭まで強含む場面がみられた。その後、トランプ大統領がTVインタビューで足元のドル高について「望ましくない」と発言。また、FRBの利上げについても批判的な見解を示したため、ドル・円は112円06銭まで急落した。本日のアジア市場では、朝方に実需筋のドル買いで112円60銭台まで回復したが、買い一巡後は失速した。また、人民元安の進行で中国経済への警戒感が広がり、円買いも観測された。

今晩の海外市場でトランプ発言が改めて材料視されれば、ドル売りが再開しそうだ。反面、今週行われたパウエルFRB議長の議会証言で利上げ継続方針が示されたほか、米国の6月小売売上高が5カ月連続上昇を記録し、5月分も大きく上方修正されたことで、来週発表の4-6月期国内総生産(GDP)の上振れ期待も高まっており、ドル売りは限定的になる可能性がある。ドル・円が112円台半ば辺りで取引を終えることができれば、週明け以降は再び113円台への戻りを試す展開も見込めそうだ。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】

・17:00 ユーロ圏・5月経常収支(4月:+262億ユーロ)

・17:30 英・6月公的部門純借入額(銀行部門除く)(予想:+50億ポンド、5月:+50億ポンド)

・21:20 ブラード米セントルイス連銀総裁講演(米国経済と金融政策)

・21:30 カナダ・6月消費者物価指数(前年比予想:+2.3%、5月:+2.2%)

・21:30 カナダ・5月小売売上高(前月比予想:+1.0%、4月:-1.2%)

《FA》

提供:フィスコ

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