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2018年7月19日 19時30分
特集

有望ベンチャーと技術革新、AI活用で飛躍期待の企業 <株探トップ特集>

―国際競争力強化への施策、AI分野連携を政府後押し―

大手企業と人工知能(AI)関連のベンチャー企業との共同事業を支援する取り組みが動き出した。経済産業省は11日、グローバル展開を見据えたデータ連携や共同事業を加速することを目的とした「AIシステム共同開発支援事業」の採択事業者が決定したと発表。データ流通量が爆発的に増大するなか、政府はリアルデータを持つ事業会社とベンチャーによるAIシステムの開発が国際的な競争力強化のカギを握るとみており、共同開発・本格導入までの事業費を補助することで、新たな商機につなげる狙いがある。

●リアルデータ活用しAIシステム事業化を推進

政府は、IoTビッグデータ 、AI、ロボット などの次世代技術の導入により、さまざまな「モノ」がネットワークを介してつながり、新しい価値やサービスを創出し、少子高齢化や労働力不足といった社会課題を解決する産業の在り方として「Connected Industries(コネクテッド・インダストリーズ)」というコンセプトを打ち出している。このなかで「自動走行・モビリティサービス」「ものづくり・ロボティクス」「バイオ・素材」「プラント・インフラ保安」「スマートライフ」の5つが重点分野に定められており、AIシステム共同開発支援事業を推し進めることでコネクテッド・インダストリーズを実現する考えだ。

同事業については、執行役となる新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が3月6日から4月4日の期間に間接補助事業の公募を行い、このほど採択事業者が決定。大手企業と連携してAIシステム開発及びビジネス化を行うベンチャー企業が必要とする費用の一部を補助(最大2億円)することで、ベンチャー企業の潜在力が十分に発揮できるかたちで技術開発、実証、事業化を後押しする。また、助成先となったベンチャー企業と連携する上場企業にとっても眠っているデータなどを活用することができ、事業の効率化やビジネス機会の拡大が期待される。そこで、同事業の重点5分野で採択された主な連携事業を取り上げてみた。

●自動走行・モビリティサービス分野

トラスコ中山 <9830> は、GROUND(東京都江東区)が開発するAI物流ソフトウエア「ダイナミック アロケーション システム」を使った物流センター在庫・リソース配置支援ソフトウエアの共同実証に取り組む。EC(電子商取引)の成長に伴い顧客ニーズが多様化するなか、物流現場では迅速かつ効果的な判断を支援するソリューションのニーズが高まっており、両社は物流センター管理者向け判断支援ツールの事業化を進める。

ローソン <2651> はZMP(東京都文京区)と連携し、「AIを活用した安全確実な宅配ロボットシステムの開発及び実証」を行う。注文から受け取りに至る動作のスマート化を図るとともに、防犯や見守り機能など未来の社会インフラに立脚した開発を目指す。

このほか、アスクル <2678> はKyoto Robotics(滋賀県草津市)とマスタ登録や教示登録不要のピースピッキングロボットの開発に取り組み、ソフトバンクグループ <9984> 傘下のソフトバンクロボティクスはMUJIN(東京都墨田区)と産業用ロボットAIシステムによる全自動物流センターを共同開発する。

●ものづくり・ロボティクス分野

川崎重工業 <7012> は、アセントロボティクス(東京都渋谷区)と中小企業や三品産業(食品、化粧品、医薬品)をターゲットとして、導入や設定変更が容易なロボットシステムの実現を目指し、深層学習や生成モデルを応用した物体認識システム、強化学習を応用した動作生成といった機能を含むAI教育環境の開発を行う計画。

●バイオ・素材分野

昭和電工 <4004> とシナモン(東京都港区)は、AIを用いた技術文書活用システムの共同開発をスタートする。国内企業がこれまで蓄積してきた手書き文字を含む技術文書を実用的な精度で電子テキスト化することで、研究者の生産性向上や技術継承を促進し、国際競争力強化につなげる狙いがある。

中外製薬 <4519> は、自社が持つ抗体医薬研究開発に関するビッグデータに、KOTAIバイオテクノロジーズ(大阪府吹田市)が開発した抗体に特化したAI技術を適用し、さらに高度化することで抗体医薬開発の低コスト化、高機能化につながるシステムを構築する。

●プラント・インフラ保安分野

千代田化工建設 <6366> はグリッド(東京都港区)と組み、深層学習の活用でプラントの運転状態を最適化する。まずはアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ・ガス液化公社が手掛ける液化天然ガス(LNG)プラントにシステムを導入する方向だ。

また、JSR <4185> は自律制御システム研究所(千葉市)とドローンとAIによるプラント設備の画像撮影と点検判定の無人化を、デンソー <6902> はエイシング(東京都港区)とドローン制御をAIで行うエッジデバイスの開発を進める。

●スマートライフ分野

モスフードサービス <8153> とリノシス(東京都渋谷区)は共同で、飲食店における“おもてなし”のシステム化を推進。音声・画像解析技術を活用することで、飲食店舗での会話による自然な接客を実現する注文・決済端末を開発し、顧客満足度の向上や売り上げアップにつなげる狙いだ。

ユナイテッドアローズ <7606> は、ファッションポケット(東京都千代田区)とAI技術を用いたファッションEコマースや店舗省力化に取り組み、綜合警備保障 <2331> はHmcomm(東京都港区)がリリースしている異音検知プラットフォームを用いて防犯システムの高度化を図る。

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