日経平均は反発、好業績の中小型株を個別物色/ランチタイムコメント

市況
2018年7月27日 12時20分

日経平均は反発。48.72円高の22635.59円(出来高概算6億7000万株)で前場の取引を終えている。

26日の米国市場でNYダウは3日続伸し、112ドル高となった。米欧首脳会談を受けて貿易摩擦への警戒感が後退し、海外売上比率の高い銘柄を中心に買われた。また、決算が嫌気されたフェイスブックが急落したためナスダック総合指数は反落したが、同日夕に発表されたアマゾン・ドット・コムの決算は良好な内容だった。為替相場は朝方、1ドル=111.10-20円近辺と前日より円安方向に振れており、本日の日経平均はこれらを好感して59円高からスタートした。寄り付き後は狭いレンジでの小動きが続いていたが、前場中ごろに差し掛かると一時22689.98円(103.11円高)まで上昇したのち、一転して上げ幅を急速に縮めるなどやや荒い値動きとなった。

個別では、前日に上期決算を発表した花王<4452>が2%超の上昇。業績の堅調推移が好感された。任天堂<7974>、エーザイ<4523>、ソフトバンクG<9984>、トヨタ自<7203>、JT<2914>などもしっかり。また、決算を受けた個別物色が活発で、ネットワン<7518>は商いを伴って急伸し東証1部上昇率トップ。富士電機<6504>なども大きく買われた。一方、東エレク<8035>は決算を受けて買いが先行したものの、その後値を崩し反落。同じく決算発表の野村<8604>やサイバー<4751>は売買代金上位のなかでも下げが目立った。その他、ファーストリテ<9983>やキヤノン<7751>などが軟調。キヤノンは今期業績予想を下方修正している。セクターでは、陸運業、鉱業、空運業などが上昇率上位。反面、証券など5業種が下落した。

日経平均は前場に上げ幅を3ケタに広げる場面があったものの、為替の円安が一服していること、8月上旬にかけて主力企業の4-6月期決算発表がピークを迎えることなどを考慮すると、後場は模様眺めムードが強まりそうだ。決算発表銘柄では花王などが買われているが、日産自<7201>やキヤノン、東エレクといった主力輸出企業の決算は好感をもって受け止められておらず、企業業績に対する期待も高まりづらいだろう。一方、ネットワンの4-6月期営業利益が前年同期比3.6倍、富士電が同2.3倍となるなど中小型株の一角で好決算が見られ、値動きの軽さもあってこうした銘柄に物色が向かいやすいと考えられる。

新興市場ではマザーズ指数が続落して前場を折り返した。本日、新規上場したプロレド<7034>は公開価格を7割弱上回る堅調な初値を付けている。今週のIPOラッシュこそ一巡したが、決算発表が本格化したことで主力の東証1部銘柄に市場の関心が向かいやすく、マザーズ指数は引き続き伸び悩む可能性がある。売買代金が低迷しているとあって、比較的需給の軽い小型株が選好されやすいだろう。(小林大純)

《AK》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.