【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 猛暑の夏に備えるべきこと! 小型・中型企業を選別
「猛暑の夏に備えるべきこと! 小型・中型企業を選別」
●日銀ETF購入見直しの影響は?
6月半ばから下方トレンドとなっていた日経平均株価が興味ある動きになっている。
7月24日以降、下落が止まり、横ばいに入ったのだ。つまり1ヵ月以上続いた下向きトレンドが止まったと見てよい。
もちろん、これからすぐに上向きに転じるとは限らないが、上向くためにはまずは横ばいの動きが必要であり、いまはそれが実現したことになり、安全度が増している。こういえる状況だ。
なお、75日移動平均線は5月30日以降、上向きのトレンドをキープし続けており、この点も心強い。
株式投資は、市場全体のトレンド次第であり、それが上向いているなら、資金を増やしやすいからだ。
ところが市場では、日銀がETF買い入れ方針を見直し、日経平均連動型ETFよりもTOPIX連動型ETFの買いを増やすのではないか、こんな見方が急浮上し、われわれを困惑させている。
実は2016年9月にも日経平均型ETFの購入を減らし、TOPIX型ETFの購入を増やすという見直しが行われたことがある。その時、市場はどうなったか。
1週間ほど軟調だったが、10月に入ると順調に水準を高め、年末にかけてさらに上昇した。
つまり、日銀によるTOPIX型ETFの買い増しの一方で行われた日経平均型ETFの購入減の影響はほとんどなかった。こういうことになる。
ただ、個別には影響することがある。いまのところは金融株にプラスに働いていて、ゼロ金利見直し観測もあるため、目先は引き続き買われる可能性はある。
●秋から年末相場が勝負どころ
しかし、いまはこれまで繰り返し強調しているように、猛暑の夏は「秋~年末相場」に備えたいところ。この観点からはやはり小型や中堅企業への投資が魅力的だ。
そこで、まず注目は、インバウンド専門の旅行会社HANATOUR JAPAN <6561> [東証M]だ。中国や韓国などからの訪日観光客の増加が続いているが、株価は4月から7月初めまで下落一方となってしまった。
しかし、いまはようやく浮上に転じている。真価が見直されつつあると見てよい。
同じくハナツアーJと同期間下げ続けたペッパーフードサービス <3053> も、このところ見直しの兆しが見え始めた。急反発とまではいかないだろうが、成長拡大が続いていることを考えると、もう少し戻ってもおかしくない。
高値圏ながら収益拡大が続くエボラブルアジア <6191> も、航空券予約サイト「エアトリ」の運営好調を考えると、もう一段高が見込める。
航空機リースに強いジャパンインベストメントアドバイザー <7172> [東証M]も柱のリース事業が快走中だ。それなのに株価は調整局面からの戻りが鈍く、今後の蘇生力に期待だ。
最後にシェアリングテクノロジー <3989> [東証M]だ。住まいのトラブルを解決する施行主と消費者を結ぶマッチングサイト(ライフサービスマッチング事業)を運営している。紹介手数料を稼ぐのがビジネスモデルであり、収益を着実に伸ばし続けているので魅力的だ。
ただ、値動きが粗いため、この点は要警戒となる。
2018年7月27日 記
株探ニュース