また来た“海外発ショック安”、危機通過後に備える好実態株は <株探トップ特集>

特集
2018年8月13日 19時30分

―トルコリラ急落引き金に世界株安も、波乱は好機の法則続くなら…―

週明け13日の東京株式市場は、トルコ通貨リラ急落に対する懸念で、前週末10日の欧米株式相場が下落した流れを引き継いで続落で寄り付き、その後も下落幅を拡大する展開となった。中国株安や為替市場の円高進行なども嫌気され、日経平均株価の終値は前週末比440円65銭安の2万1857円43銭と大幅安で4日続落した。目先的には波乱相場の後遺症も予想されるが、25日と75日の移動平均線がゴールデンクロス(GC)を達成するなど、中期的には反発期待も高まっている。そこで、反転上昇相場の到来に備えて、第1四半期営業利益が大幅増益で割安な銘柄に注目した。

●プレサンス、マンションの引き渡し戸数が大幅に増加

関西を中心にマンション販売を手掛けるプレサンスコーポレーション <3254> は7日、19年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算を発表した。売上高は815億1400万円(前年同期比2.3倍)、営業利益は192億7400万円(同2.8倍)、最終利益は131億1100万円(同2.9倍)だった。ファミリーマンション、投資用ワンルームマンションの引き渡し戸数が大幅に増加し、売上高が前年同期比で2.3倍と大幅増収を達成している。

●明治電機、制御機器や産業機器などの販売が拡大

FAエンジニアリングを主力とする技術系商社の明治電機工業 <3388> は7月30日、19年3月期の第1四半期(4-6月)連結決算を発表した。売上高は182億4400万円(前年同期比31.8%増)、営業利益は7億7700万円(同2.1%増)、最終利益は6億500万円(同2.2倍)となった。主要ユーザーの自動車関連をはじめとする設備投資や研究開発投資の増加を背景に、制御機器や産業機器などの販売が伸びた。

●古野電、生産性の向上など粗利率改善が予想以上

魚群探知機、電子海図など船舶用電子機器大手の古野電気 <6814> は7月12日、19年2月期の連結業績予想について、売上高を790億円から820億円(前期比3.7%増)へ、営業利益を22億円から40億円(同2.0倍)へ、純利益を15億円から30億円(同2.4倍)へ上方修正した。舶用事業、産業用事業ともに事業環境が概ね想定の範囲内で推移していることに加えて、第1四半期に生産性の向上などによる粗利率の改善が予想以上に進んだことが寄与している。また、為替レートがドル、ユーロともに想定よりも円安水準で推移していることも利益を押し上げる。

●キョウデン、小ロット案件の受注が好調に推移

キョウデン <6881> [東証2]は9日、19年3月期第1四半期(4-6月)連結決算を発表した。売上高は139億7500万円(前年同期比3.0%増)、営業利益は11億2800万円(同77.3%増)、最終利益は8億2200万円(同69.8%増)だった。電子事業では、プリント配線板の材料となる銅張積層板のコストアップが懸念されたものの、国内で試作開発の小ロット案件の受注が好調に推移したことや、内製化による原価低減、自動化設備による生産性向上などが寄与している。また、海外でも主として車載関連を扱うタイ工場の業績が引き続き順調に推移していることも貢献している。

●キムラユニティー、物流サービス事業で受注量が増加

中部圏を地盤にトヨタ自動車 <7203> 向けの部品包装や物流サービスを主力事業とするキムラユニティー <9368> は7月27日、19年3月期第1四半期(4-6月)連結決算を発表した。売上高は129億1400万円(前年同期比11.7%増)、営業利益は4億8700万円(同88.8%増)、最終利益は4億500万円(同2.6倍)となった。物流サービス事業が、国内で包装事業、格納器具製品事業での主要顧客からの受注量が増加したことや、自動車サービス事業が北米子会社での格納器具製品事業の受注量の拡大などにより、車両整備事業でのメンテナンス契約台数が増加している。

●博報堂DY、インターネットメディアの売上高好調

博報堂DYホールディングス <2433> は7日、19年3月期第1四半期(4-6月)連結決算を発表した。売上高は3238億7000万円(前年同期比7.5%増)、営業利益は199億3500万円(同2.5倍)、最終利益は98億3700万円(同2.2倍)となった。第1四半期の売上高を種目別にみると、4マスメディア(テレビ、ラジオ、新聞、雑誌)では、前年同期に好調だったテレビの反動減もあり、全ての種目で前年同期を下回った。一方、4マスメディア以外では、アウトドアメディアとその他が前年同期を下回ったものの、インターネットメディアを中心にマーケティング/プロモーションとクリエイティブが好調に推移し、4マスメディア以外取り引きの合計は前年同期を上回った。また、売上高を得意先業種別にみると、主な増加業種としては、「外食・各種サービス」、「飲料・嗜好品」、「金融・保険」、また、主な減少業種としては、「情報・通信」、「不動産・住宅設備」、「出版」となった。

◆主な第1四半期営業利益大幅増益割安銘柄◆

通期

銘柄 <コード>      1Q増益率 増益率  株価  PER

いちご <2337>       90.2   19.9   446  14.7

博報堂DY <2433>      2.5倍  25.7  1669  14.9

ラサ商事 <3023>      98.3    7.4   948   7.5

プレサンス <3254>      2.8倍  20.5  1653   6.3

明治電機 <3388>       2.1倍   4.8  1919  10.0

王子HD <3861>       2.2倍  41.3   713  14.1

旭有機材 <4216>      97.2   16.0  2520  12.7

滝沢鉄 <6121>        5.6倍   2.7  1724   8.1

牧野フライス <6135>     16倍  17.2   922   7.6

カワタ <6292>        5.5倍  32.6  1990  14.4

ミマキエンジ <6638>     2.1倍   0.8   980  15.9

古野電 <6814>        4.9倍   2.0倍 1238  13.0

アドバンテ <6857>      7.1倍  40.9  2423  15.9

キョウデン <6881>     73.3   31.6   681  13.0

東京産 <8070>        4.3倍   9.2   695  11.0

キムラユニティ <9368>   88.8   29.2  1207  11.7

空港ビル <9706>       2.3倍  52.7  5130  13.3

イノテック <9880>      2.1倍  52.7  1225  16.4

※株価は13日終値、単位:%、円、倍

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