【植木靖男の相場展望】 ─ 陰極まれば陽に転じる!

市況
2018年8月26日 9時15分

「陰極まれば陽に転じる!」

●9月は強気相場に?

東京市場は、潮目の変化を明確にみせ始めてきたようだ。週末現在、日経平均株価は小幅ながら7月中旬以来の4日連続高をみせている。

米中貿易摩擦やトランプ大統領のロシア疑惑など市況環境はあまりよくない。

加えてアルゼンチン、ベネズエラ、南アフリカなど新興国の金融悪化も続いている。

理屈でいえば、まだ買える段階ではない。実際、日々の空売り比率は40~45%の高水準が続いている。

では、なぜ潮目に変化がみえてきたのか。理由はふたつある。

ひとつは、8月17日以降、売買代金が連日2兆円を下回っている。年初来これほど連日2兆円を下回ったことはない。

これはまさに陰の極といえよう。昔から“陰極まれば陽に転じる”という格言がある。まもなく夜明けを迎えるという暗示だ。ちなみに昨年12月大納会にかけて5日連続して2兆円を下回った。ところが、株価は翌年に入り急騰したことは記憶に新しい。

もうひとつの理由は、年初来の値動きが文字通りデジャヴュ(既視感)なのだ。

振り返ると、それは2013年5月の天井から年末までの日経平均の値動きだ。5月に1万5942円の高値をつけたあと6月に1万2415円の底値をつけた。

その後、1万5000円回復に3回挑戦したが失敗。4回目に突破して上昇気流に乗った。今回も同じように2万3000円挑戦に3回失敗。いま4回目のチャンスが巡ってきたとみている。

いずれにしても、9月相場は存外の強気相場になることを期待している。

●米国株に追随、目先は高成長株か?

ところで、全体市況が潮目の変化を迎えつつあることにつれて、物色の流れにも変化が感じられる。

では、どう変化するのであろうか。

振り返れば、昨年11月~本年1月にかけ主力のハイテク株が天井をつけて外需株は総崩れ、代わってインバウンド関連など内需株が主役となった。だが、こうした内需株もすでに凋落への途を歩み始めている。

だとすると、今後の主役は何になるのか。

いうまでもなく、日本株は米国株に追随するのが常。では、米国株は今後どう動くのか。NYダウ平均は史上最高値から12%下げる一方、 NASDAQは僅か4%しか下げていない。つまり今後、新値を取るのはNASDAQといえる。

もしそうだとすると、FANG株(フェイスブック、アマゾン、ネットフリックス、グーグル=アルファベット)など高成長株が再び脚光を浴びる可能性が高い。

目先的には日本市場も同じだろう。

もっとも、もう少し先をみれば、この1年相場がなかった新たなジャンルから主役が飛び出す公算もあろう。

今回は目先的な銘柄として、AI(人工知能)EC(電子商取引)関連のシステムインテグレータ <3826> 、人材派遣好調のパーソルホールディングス <2181> 、PER10倍・大幅増益の日本電子材料 <6855> などに注目したい。

2018年8月24日 記

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.