【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ “円”の落ち着きを待つ!市場の危機感は沈静化へ

市況
2018年9月9日 9時30分

「“円”の落ち着きを待つ!市場の危機感は沈静化へ」

●“故郷戻り”による「円の意外高」

8月下旬の素晴らしい展開を憶えておられるだろうか。日経平均株価は8連騰、途中8月28日と30日には、取引時間中として6月12日以来となる2万3000円台乗せがあった。

しかし、その後は下げっぱなし。この原稿を書いている週末時点でもそれが止まっていない。あの8連騰はなんだったのか。こう思いたくなるほどの絶不調な展開だ。なにがあったのか。

近畿、関西中心に列島を直撃した大型台風と、北海道で発生した大震災だ。台風だけでも対応が困難であるのに、新たに震災が加わったことで危機感が高まってしまった。

これは避けられないことながら、少々理解に苦しむのは円の動向だ。今回に限ったことではないが、震災発生となると円は各国通貨に対して大抵は上昇する。

今回もそうなっていて、この原稿を書いてる時点では110円台半ばに上昇している。 これが株安の背景にあり、円が下がらない限り日経平均の反発もない。こうなってしまうのだが、それにしても日本列島が危機に陥ると円はなぜ上昇するのか。

通常、通貨はそれを発行している国が危機に陥ると下落する。最近ではトルコやアルゼンチンなどで、政治や経済が混乱し、危機的状況に陥りつつあると受け止められて、通貨は急落してしまった。

ところが、円は上がるのだ。

他国の場合、危機感が高まるとリスク回避のために別の通貨に資金が避難してしまうのに対し、日本の場合は、危機が察知されると自国通貨に資金が向かう「故郷戻り」になるからだ。

たとえるならば、われわれが個人的に危機に陥った場合、最後のよりどころとして故郷に戻り、他に預けていたお金をなるべく身近に集めて、取り敢えず安心したい。これと同じと考えてよい。

●売られた北海道関連株などに注目

しかし、危機はいつまでも続くものではない。しばらくすると冷静さを取り戻し、円も平常な動きに戻るので、いまはそれを待てばよい状況だ。

そこで、ここで注目したいのは、まずは北海道大震災の甚大な影響を理由に株が大きく売り込まれた北海道電力 <9509> 、雪印メグミルク <2270> などだ。株価水準が高くて手掛けにくいが、北海道を地盤としながらドラッグストア首位となったツルハホールディングス <3391> も、急落しているだけに投資対象としては魅力的だ。

同じく株価水準が高いものの、北海道に本社を置くニトリホールディングス <9843> も反落中のため、狙いどころといえる。(それにしても、ツルハHD、ニトリHDともに株価水準が高い。それだけ大出世したことになる)

北海道から離れて、他銘柄にも目を向けるとサイバーエージェント <4751> がある。10月1日から日経平均算出銘柄になるというのに、株価は底値圏で低迷している。最近、某外資系証券がレーティングを引き下げたためだろうが、それだからこそ、ここで投資しておきたい。

たまには東証2部銘柄はどうか。介護付き有料老人ホーム経営に強いチャーム・ケア・コーポレーション <6062> [東証2]が魅力的だ。

2018年9月7日 記

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.