今週の【早わかり株式市況】2万3000円大台の“壁”突破、米中・新興国の懸念後退と円安で買い広がる

市況
2018年9月15日 6時40分

今週の株式市場は、米中貿易戦争と新興国通貨安の懸念後退や円安進行を背景に日経平均株価は大幅反発し、5回目の挑戦で2万3000円大台の壁を突破、7ヵ月半ぶりに高値を付けた。

週初の10日は朝方こそ売り優勢で始まったものの、その後は米長期金利の上昇を背景に為替が円安方向に振れたことで切り返し、日経平均は7日ぶりに反発した。

翌11日は円安がさらに進んだことで朝高後も次第高の展開となり、日経平均は291円高と大幅続伸した。先物の買い戻しが上げ幅を拡大させた。12日は前日の米国株市場で半導体セクターが売られたことを受け、半導体関連や電子部品株が下げことで3日ぶりに反落した。13日は「米政権が中国との通商交渉に意欲」との報道で米中貿易戦争への懸念が後退。これを受け、週末のメジャーSQをにらみ海外ヘッジファンドなど短期筋による先物買いが入り、日経平均寄与度の高いファストリ <9983> やソフトバンク <9984> など値がさ株を中心に幅広い銘柄が買われ、日経平均は大幅反発した。

週末の14日はトルコの大幅な利上げによる新興国の通貨安不安後退に加え、急速な円安進行を受け、上値の壁と意識された日経平均2万3000円大台を寄り付きで突破。大引けにかけて一段高となり日経平均は273円高の2万3094円と2月2日以来、約7ヵ月半ぶりの高値で引けた。

日経平均株価は、前週比787円(3.53%)高の2万3094円と大幅反発して取引を終えた。5月中旬以降、4回跳ね返された2万3000円大台の壁をクリアできた可能性が高い。週間の値幅は855円と、前週の647円から拡大した。

今週は急速な上昇で2万3000円大台に乗せただけに、来週はスピード調整で2万3000円台の足固めとなる可能性があるものの、調整後は年末高に向けて上値を追う展開が期待される。

重要イベントとしては、国内では18日-19日に開催される日銀金融政策決定会合が注目される。海外では19日発表の米国4-6月期経常収支に注視が必要だろう。

◆マーケット・トレンド(9月10日~14日)

【↑】   9月10日(月)―― 7日ぶり反発、米長期金利上昇による円安傾向を好感

日経平均 22373.09(  +66.03)  売買高11億1612万株 売買代金 1兆8752億円

【↑】   9月11日(火)―― 大幅続伸、円安背景に先物の買い戻しが加速

日経平均 22664.69( +291.60)  売買高13億4410万株 売買代金 2兆1171億円

【↓】   9月12日(水)―― 3日ぶり反落、半導体や電子部品関連が安い

日経平均 22604.61(  -60.08)  売買高14億5879万株 売買代金 2兆3601億円

【↑】   9月13日(木)―― 大幅反発、米中貿易戦争への懸念後退で海外勢による先物買い膨らむ

日経平均 22821.32( +216.71)  売買高13億4675万株 売買代金 2兆3463億円

【↑】   9月14日(金)―― 連騰・2万3000円大台乗せ、新興国懸念後退と円安を好感

日経平均 23094.67( +273.35)  売買高17億3243万株 売買代金 3兆3291億円

◆セクター・トレンド(9月10日~14日)

(1)全33業種が上昇、3月5週以来

(2)原油高で鉱業、昭和シェル <5002> など石油株が大幅高

(3)郵船 <9101> 、商船三井 <9104> など海運業は急反発

(4)ソフトバンク <9984> など情報・通信、ファストリ <9983> など小売りといった内需株が買われた

(5)コマツ <6301> など機械、トヨタ <7203> など自動車といった輸出株は買い戻された

(6)野村 <8604> など証券、第一生命HD <8750> など保険といった金融株も堅調

(7)JAL <9201> など空運、新日鉄住金 <5401> など鉄鋼株は動き鈍い

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