富田隆弥の【CHART CLUB】 「4度目の正直」
◆日経平均株価は7日に2万2172円まで下げ、下値ポイントの抵抗線や52週移動平均線(2万2214円)に差し掛かった。だが、その下値の正念場から再び切り返し、13日現在2万2858円まで戻して、厚い節の「5月21日高値2万3050円」に再び迫ってきた。13日の米国市場でNYダウが147ドル高と上昇したことで、14日にも2万3050円突破を試すことになりそうだが、6月12日、7月18日、8月30日に次ぐ挑戦だけに、「4度目の正直」で節突破の可能性は十分にある。
◆直近の上昇には、14日のメジャーSQ(清算値2万3057円)に伴う先物の仕掛けがあったと思われる。また、日銀が9月になり703億円のETF買いを5回実施(12日まで)しており、この日銀のETF買い復活も心理的にポジティブに作用したと言える。そして、自民党総裁選(9月20日)を控えて機関投資家が“忖度相場”を演出した可能性もある。テクニカルを見れば騰落レシオ(25日線)88%、RCI(25日線)62%、サイコロジカルライン5勝7敗(いずれも13日現在)と過熱は見られず、裁定買い残も1兆4432億円(7日現在)と整理が進む。したがって、2万3050円突破となれば「三角保ち合い上放れ」となり、裁定買いを誘って1月高値2万4129円を目指すことになろう。
◆とはいえ、手放しで喜んでばかりもいられない。米中貿易戦争や日米通商問題が解決しておらず、トランプの自国優先主義、新興国からの資金逃避など、目先的に落ち着きを見せるものの、懸念がいつまた再燃してもおかしくない。秋はヘッジファンドの決算がある。日本では、相次ぐ自然災害に伴う経済的ダメージがこれから表面化してこよう。外国人投資家は9月の第一週に1兆600億円(現物+先物)売り越したし、ある不動産関係者は「北海道地震をきっかけに中国人は日本への投資をためらい始めた」とも言う。
◆当面の日経平均は、2万3050円の節突破から年初来高値2万4129円を試す可能性があるものの、下値抵抗線や52週移動平均線など「2万2200円処」の下値ポイント注視の姿勢も続けておきたい。
(9月14日 記、毎週土曜日に更新)
情報提供:富田隆弥のチャートクラブ
株探ニュース