新興市場見通し:日経平均値固めで徐々に中小型株へ資金流入、IPOはラッシュに

市況
2018年9月15日 15時31分

先週の新興市場では、マザーズ指数は一進一退の展開となった。前週に相次ぐ災害を受けて下落した日経平均は、週末のSQ(先物・オプション特別清算指数)算出を前にした短期筋の先物買いでリバウンドを見せた。ただ、個人投資家のマインドや需給はなかなか改善せず、マザーズ市場では時価総額上位銘柄の値動きの悪さも指数の重しとなった。週末には日経平均が節目の23000円台を回復し、マザーズ指数も連れ高となって週間でプラスを確保した。なお、週間の騰落率は、日経平均が+3.5%であったのに対して、マザーズ指数は+1.0%、日経ジャスダック平均は+0.5%だった。

個別では、マザーズ時価総額上位のMTG<7806>が週間で9.3%高、サンバイオ<4592>が同6.5%高と堅調だった。ただメルカリ<4385>は下値模索の展開が続き、同4.9%安となった。売買代金上位ではフィンテック グローバル<8789>やALBERT<3906>が上昇し、子会社がフィリピン全土で通信サービス提供をできるようになったアイ・ピー・エス<4390>が週末に急伸し、週間のマザーズ上昇率トップだった。一方、モブキャストホールディングス<3664>は利益確定売りがかさみ、トランザス<6696>やGA technologies<3491>が下落率上位となった。ジャスダック主力ではセリア<2782>が同1.9%安となる一方、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同7.0%高と堅調だった。週末にかけてのFA(工場自動化)株高が追い風となった。売買代金上位ではテリロジー<3356>などが大きく買われ、地域新聞社<2164>は上げ足を速め1週間で株価が2倍に伸びた。一方、シノケングループ<8909>などの不動産株はTATERU<1435>による融資書類改ざん問題の影響が続き、国際チャート<3956>やビジョナリーホールディングス<9263>が週間のジャスダック下落率上位となった。IPOでは2社が新規上場し、マリオン<3494>は堅調な初値を付けた。香陵住販<3495>も公開価格を上回るしっかりした初値形成だった。

今週の新興市場は、日経平均の動向が焦点となりそうだ。今月下旬に予定される日米通商協議(FFR)など懸念材料は残るが、23000円水準での値固めとなれば出遅れ感のある中小型株にも徐々に個人投資家の資金が向かうだろう。とはいえ、当面は需給などによる銘柄選別が続くとみられる。

今週は、9月20日に自民党総裁選の投開票が予定されている。先週末には安倍首相が石破元幹事長との討論会で防災・減災の取り組みに言及したことから、応用技術<4356>など関連銘柄の一角が急動意を見せた。ドーン<2303>も防災関連銘柄としての位置付けが高い。ほかに子育て・保育関連など政策の追い風が期待されるテーマ株への関心が高まりそうだ。また、20日からは「東京ゲームショウ2018」が開催され、ゲーム株の動向も注視したい。

IPO関連では、9月20日にアズーム<3496>とテノ.ホールディングス<7037>、21日にイーエムネットジャパン<7036>がいずれもマザーズへ新規上場し(テノは福証Q-Boardにも同時上場)、9月後半のIPOラッシュがスタートする。アズームとイーエムネットは公開規模が小さく、堅調な初値形成が期待される。テノは公開規模がやや大きいが、保育関連のテーマ性で関心を集めている。なお、先週はプリントネット<7805>(10月18日、ジャスダック)など3社の新規上場が発表されている。

《FA》

提供:フィスコ

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