【投資部門別売買動向】海外勢が現物・先物合算で1.3兆円と巨額に買い越す一方、個人と投信が売りに回る (9月第3週)

市況
2018年9月29日 6時50分

●海外勢が現物と先物の合算で1.3兆円と巨額に買い越し、日経平均が2万4000円大台に迫る中、個人と投信が利益確定売りに回る

東証が28日に発表した9月第3週(18日~21日)の投資部門別売買動向によると、米株高と急速な円安で海外短期筋の買い戻しが膨らみ、日経平均株価が大幅続伸し一時2万4000円の大台に迫ったこの週は、証券会社の自己売買部門が6週連続で買い越した。買越額は8912億円と前週の4920億円から急拡大し、2週連続で部門別買越額トップだった。海外投資家の買いによる株価指数先物の上昇で自己売買部門が現物株に裁定買いを入れた可能性がある。海外投資家は3週ぶりに買い越し、買越額は2770億円だった。海外投資家は先物の投資部門別売買動向では日経平均先物とTOPIX先物の合計で2週連続で買い越した。買越額は前週比4.1倍の1兆0486億円に膨らんだ。海外投資家が現物と先物の合算で1兆3257億円と巨額に買い越したことが相場を押し上げた格好だ。

一方、個人投資家は2週連続で売り越し、売越額は前週比3倍の6698億円に拡大した。投資信託部門は3週ぶりに売り越し、売越額は2238億円だった。

海外投資家が現物と先物の合算で1兆3257億円買い越し、日経平均が2万4000円の大台に迫る中、個人投資家と投資信託が利益確定売りに回った格好だ。

■投資部門別売買代金差額 (9月18日~21日)

東証・名証2市場の1・2部と新興企業向け市場の合計[総合証券ベース(全50社)]

※単位:億円(億円未満切り捨て) ▲は売り越し

  海外投資家 信託銀行 個人合計 [  現金  信用 ] 日経平均 ( 前週比 )

9月 ―――

第3週     2,770   ▲644  ▲6,698 [ ▲4,862 ▲1,836 ] 23,869円 ( +775 円)

第2週    ▲2,819    275  ▲2,203 [ ▲1,636  ▲567 ] 23,094円 ( +787 円)

第1週    ▲5,279    287   3,697 [  2,243  1,453 ] 22,307円 ( -558 円)

8月 ―――

第5週      483   ▲476  ▲2,363 [ ▲1,754  ▲608 ] 22,865円 ( +263 円)

第4週     ▲840   ▲160   ▲437 [  ▲226  ▲210 ] 22,601円 ( +331 円)

第3週    ▲3,449   ▲145   2,254 [  1,650   603 ] 22,270円 ( -27 円)

第2週     ▲347    394    289 [   18   270 ] 22,298円 ( -227 円)

第1週     ▲672    970    670 [  ▲204   874 ] 22,525円 ( -187 円)

7月 ―――

第4週      859    52  ▲2,186 [ ▲1,941  ▲244 ] 22,712円 ( +14 円)

第3週      319    301   ▲863 [ ▲1,062   198 ] 22,697円 ( +100 円)

第2週     3,248   ▲21  ▲2,459 [ ▲1,930  ▲528 ] 22,597円 ( +809 円)

第1週     ▲313    997    633 [   798  ▲165 ] 21,788円 ( -516 円)

6月 ―――

第4週    ▲2,857   2,156    700 [   357   343 ] 22,304円 ( -212 円)

第3週    ▲4,306   1,452   2,115 [  1,468   646 ] 22,516円 ( -334 円)

第2週      317   ▲307  ▲1,426 [ ▲1,630   204 ] 22,851円 ( +157 円)

第1週      205   1,118  ▲3,059 [ ▲2,404  ▲654 ] 22,694円 ( +523 円)

5月 ―――

第5週    ▲3,076    696   2,071 [  1,339   731 ] 22,171円 ( -279 円)

第4週    ▲3,404   ▲403   1,451 [   77  1,374 ] 22,450円 ( -479 円)

第3週     ▲937    43  ▲3,644 [ ▲3,463  ▲181 ] 22,930円 ( +171 円)

第2週     ▲12   ▲829  ▲2,945 [ ▲2,700  ▲244 ] 22,758円 ( +285 円)

第1週      17   ▲480   ▲538 [  ▲655   116 ] 22,472円 (  +4 円)

※「信託銀行」は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)など年金基金の売買動向を映すとされる部門。「個人・現金」は個人投資家による現物取引の売買動向、「個人・信用」は個人投資家による信用取引の売買動向。

※日銀が金融緩和策の一環として実施しているETF(上場投資信託)の買い入れは、ETFを組成する証券会社の自己売買部門を通じて買い入れているとみられる。

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