<話題の焦点>=物流関連株に上値期待、eコマース市場拡大で追い風

特集
2018年10月4日 12時10分

「アマゾンエフェクト」という言葉が米国だけでなく世界的に広く浸透している。eコマース市場の急拡大は誰もが日常生活で実感しているところだが、これまで実店舗に足を向けていた消費者がオンラインショッピングに移行したことで、既存の店舗を抱える小売企業は人件費や建物のコスト、在庫コストなどが重荷となり、構造的な業績悪化を余儀なくされている。しかし、これは消費意欲の減退ではない。むしろeコマースによって消費意欲は向上しており、これが思わぬ企業のビジネスチャンス拡大をもたらしている。

eコマース市場は昨年、世界ベースでは2兆5000億ドル、日本円に換算して280兆円という巨大マーケットを形成した。また、日本国内に絞っても昨年は約16兆5000億円規模に拡大、これは2010年比で2倍強に膨らんでいる。ただeコマース分野を主戦場とする企業は多く、競争激化のなか、いや応なく勝ち組と負け組に色分けされてしまう。投資する側としては勝ち組に投資することが求められ、この場合のプレッシャーは小さくない。しかし、淘汰されることなく、フォローの風を満喫している企業も意外なところに存在する。

ここでは、風が吹けば桶屋が儲かる的な立ち位置にある業態に注目したい。eコマース市場の拡大は小売りのリアル店舗を駆逐するが、リアルの流通分野全域に視野を広げれば、むしろ大きな恩恵をもたらしている。具体的には倉庫や宅配需要の増大や、荷物の積み下ろしや移動に使う物流機器メーカーの商機につながっている。

ダイフク<6383>、豊田自動織機<6201>、三菱ロジスネクスト<7105>、日本パレットプール<4690>、などの物流関連大手メーカーのほか、三菱倉庫<9301>、三井倉庫ホールディングス<9302>など大手をはじめ倉庫会社にも追い風が強い。また、クロネコヤマトで知られる宅配便トップのヤマトホールディングス<9064>、佐川急便で国内2位に位置するSGホールディングス<9143>、システム物流に強い日立物流<9086>、総合物流大手の鴻池運輸<9025>なども注目となる。このほか、物流業界以外では商品を梱包する段ボールなどにeコマース市場の拡大に伴う需要が創出されており、レンゴー<3941>などが注目対象だ。

出所:みんなの株式(minkabu PRESS)

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