今週の【早わかり株式市況】4週ぶり反落、週前半27年ぶり高値圏快走も後半スピード調整で失速
今週の株式市場は、週前半は27年ぶりの高値圏を快走、週後半は高値警戒感からスピード調整で失速し、日経平均株価は4週ぶりに反落した。
週初の1日は終始買い優勢の展開。為替の円安進行や米国とカナダのNAFTA合意を追い風に日経平均は続伸し、ザラバベースと終値ベースともに年初来高値を連日で更新。前週に奪回した27年ぶり高値圏の快走が続いた。
翌2日は前日のNYダウ大幅高や円安基調を受けて朝方は大きく買いが先行、日経平均は年初来高値を更新。買い一巡後は利益確定売りに押されマイナス圏に沈む場面もあったが、後場に入ると押し目買いがやや優勢となりプラス圏で着地した。3日は高値警戒が意識される中、イタリアの財政赤字への懸念や為替が円高方向に振れたことから利益確定売りが優勢となったうえ、海外短期筋の売りもかぶさり4日ぶりに反落した。4日は前日のNYダウの連日最高値更新や急速な円安進行を受けて朝方は高く始まったもののスピード警戒感は拭えず、その後は利益確定売りに押され続落した。
週末の5日は前日の米長期金利上昇や米株安でリスクオフの流れが続いたうえ、為替が円高に振れたことから主力輸出株が売られ日経平均は大幅に3日続落した。
日経平均株価は、前週比336円(1.39%)安の2万3783円と4週ぶりに反落して取引を終えた。前週までの3週間で日経平均の上げ幅は1800円を超えていただけにスピード調整した格好だ。週間の値幅は717円と、前週の508円から拡大した。
来週は10月下旬から本格化する決算発表を控えて業績の上方修正期待から先高感が強いだけに相場は切り返すことが想定される。
重要イベントとしては、国内では9日朝に発表される8月貿易収支や10日朝に発表される8月機械受注が注目される。海外では8日のポンペオ米国務長官の訪中や11日発表の米国9月消費者物価指数、12日発表の中国9月貿易収支に注視が必要だろう。なお、11日-12日にはインドネシア・バリでG20財務大臣・中央銀行総裁会議が開催される。
◆マーケット・トレンド(10月1日~5日)
【↑】 10月 1日(月)―― 続伸、NAFTA合意や円安進行で新値街道
日経平均 24245.76( +125.72) 売買高12億1087万株 売買代金 2兆4411億円
【↑】 10月 2日(火)―― 3日続伸、朝高後に値を消すも利食いこなしプラス圏
日経平均 24270.62( +24.86) 売買高14億7398万株 売買代金 3兆0653億円
【↓】 10月 3日(水)―― 4日ぶり反落、高値警戒感から利益確定売り優勢
日経平均 24110.96( -159.66) 売買高14億6369万株 売買代金 2兆6993億円
【↓】 10月 4日(木)―― 続落、朝高も利益確定の動きが強く2万4000円割れ
日経平均 23975.62( -135.34) 売買高15億9002万株 売買代金 3兆1077億円
【↓】 10月 5日(金)―― 大幅に3日続落、米株安と円高でリスクオフの流れ続く
日経平均 23783.72( -191.90) 売買高14億8905万株 売買代金 2兆7768億円
◆セクター・トレンド(10月1日~5日)
(1)東急不HD <3289> など不動産業が業種別下落率トップ
(2)ソフトバンク <9984> など情報・通信、楽天 <4755> などサービスといった内需株は反落
(3)日産自 <7201> など自動車、ソニー <6758> など電機といった輸出株も売られた
(4)三菱ケミHD <4188> など化学、住友電 <5802> など非鉄といった素材株もさえない
(5)三菱UFJ <8306> など銀行、第一生命HD <8750> など保険といった金融株は買われた
(6)原油高で昭和シェル <5002> など石油、石油資源 <1662> など鉱業株は堅調
(7)卸売業が業種別上昇率トップ、伊藤忠 <8001> が大幅高
株探ニュース