明日の株式相場見通し=上昇トレンド堅持へ正念場、2万2450円防衛が焦点に
あす(12日)の東京株式市場は、今年3月につけた年初来安値を起点とした上昇トレンドの下値支持線を巡る攻防が予想され、反発してひとまず下降トレンド入りを回避できるか、続落で支持線を割り込むか、今後の相場を想定するうえでの正念場を迎えることになる。
市場関係者からは「NYダウ平均株価急落の背景は、米長期金利上昇に対する警戒感、米連邦準備制度理事会(FRB)の金利見通しの強気への変化、くすぶり続けていた米中貿易摩擦懸念といった要因がそれぞれ現実味を増してきたことにある。日本株については、9月中旬以降の急上昇局面のなかで、大きな牽引役となっていた“円安・ドル高進行”の流れに変調が見られ、これによる企業業績への悪影響が懸念され、あす12日にオプションSQが控えていることもあり、先物主導で下げが加速した。日経平均は、3月26日の取引時間中の年初来安値2万347円を起点とした下値切り上げ型の上昇トレンドを堅持しており、きょうの急落で接近した2万2450円がその下値メドとなっている。この水準を明確に割り込むと、これまでの上昇基調が危機を迎えることになる」との見方が出ていた。
11日の東京株式市場は、前日の米株式市場が波乱展開となったことを受け、主力株をはじめ全面安の展開となった。日経平均は約1カ月ぶりの安値圏に沈んだ。終値は、前日比915円18銭安の2万2590円86銭と急落した。
日程面では、医薬品などの研究開発、製造、販売を手掛けるDelta-Fly Pharma<4598>、組込み機器向けのOS開発、組込みソフトウエアの受託開発などのイーソル<4420>の2社が東証マザーズ市場に新規上場する。
このほかに、9月のマネーストック、8月の第3次産業活動指数、9月の投資信託概況、オプションSQに注目。海外では、中国9月の貿易収支、米9月の輸出入物価、国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会(~14日)が焦点となる。(冨田康夫)
出所:みんなの株式(minkabu PRESS)