18年7-9月期【利益倍増】企業はこれだ!〔第2弾〕 25社選出 <成長株特集>
本特集では、18日に配信した時価総額500億円以上の銘柄を対象とした「18年7-9月期【利益倍増】企業はこれだ!〔第1弾〕 27社選出」に続き、時価総額500億円未満の小型株を対象とする第2弾をお届けします。
今回は時価総額200億円以上500億円未満の3月期決算企業(銀行を除く)を対象に、直近3ヵ月である7-9月期(第2四半期)の経常利益が前年同期と比べて倍増した企業をリストアップし、増益率の大きい順に並べた。下表では四半期ベースの「増益連続期数」、4-9月期経常利益の通期計画に対する進捗割合を表す「対通期進捗率」も併せて記した。
増益率トップとなったのは石炭商社の三井松島ホールディングス <1518> 。18年7-9月期(第2四半期)は石炭の販売数量が増加したうえ、石炭市況の上昇も追い風となり、経常利益は前年同期を23倍も上回る9.8億円に拡大して着地。業績好調に伴い、通期の同利益予想を従来の29億円→54億円に86.2%も上方修正した。2位のコスモスイニシア <8844> [JQ]は新築マンションや戸建て住宅の引き渡し戸数が増えたことが業績拡大につながった。続く3位の古河電池 <6937> は国内で環境対応車用蓄電池の取り換え需要を取り込んだほか、海外でも自動車用電池の販売を伸ばした。また、前期に計上した外国付加価値税等がなくなったことも大幅増益の要因となった。
4位の安永 <7271> は自動車業界の旺盛な設備投資意欲を背景に工作機械の販売が急増し、7-9月期は売上高が前年同期比28.2%増の100億円、経常利益は同4.8倍の6.1億円と業績高変化を遂げた。上期(4-9月)実績の通期計画に対する進捗率は67.6%に達しており、業績上振れが期待される。また、6位のエヌ・デーソフトウェア <3794> [東証2]は主力の介護・福祉支援ソフト「ほのぼのNEXT」の更新需要が増加したうえ、ソフト受託開発では社会インフラ分野の受注が伸び、7-9月期は2ケタ増収増益を達成した。
全体軟調相場のなか堅調な値動きを続ける銘柄に目を向けると、国内市場で活躍する企業の健闘が目立つ。8位の幸楽苑ホールディングス <7554> は餃子無料クーポン券の廃止で値引き販売が大幅に減少したことに加え、不採算店舗の閉店や営業時間短縮によるコスト削減も奏功し、経常利益は前年同期比4倍の9.2億円に膨らんだ。上期業績の好調を踏まえ、通期の同利益予想を従来の5.8億円→11.1億円に大幅上方修正した。1997年の上場以来初の赤字に転落した前期から一転して7期ぶりの利益水準まで回復する見通しとなったことが好感され、株価は21日に年初来高値を更新している。
9位に入った三精テクノロジーズ <6357> [東証2]は舞台装置や遊戯機械、昇降機などの設計・製作・施工・保守・改修を一貫して手掛ける。直近3ヵ月の7-9月期は3月に買収したオランダの遊戯機械メーカー、ベコマ社の業績上積みが収益を大きく押し上げた。同社は前回の大阪万博でエレベーターや動く歩道などを提供した実績があることから、2025年の万博開催地決定を前に関連銘柄として脚光を浴びている。好業績とテーマ性で買い人気が続き、株価は今月に入ってから13.8%も上昇している。
17位にリストアップされた橋梁の総合建設会社であるOSJBホールディングス <5912> は建設事業の大型工事で設計変更による追加受注を前倒しで獲得したことが利益拡大に貢献した。決算発表前の株価は下値模索の展開だったが、好決算を受けて一気に上昇トレンドに転換している。また、20位に入った橋梁・鉄骨大手、川田テクノロジーズ <3443> は持分法適用関連会社の業績が好調で持分法投資利益が発生したことが利益を押し上げた。株価は決算発表翌日に急騰した後も利益確定売りを吸収しながら上値指向を続けている。
┌ 経常利益 ┐ 増益 対通期 予想
コード 銘柄名 増益率 7-9月期 連続期数 進捗率 PER
<1518> 三井松島HD 2200 989 2 40.4 12.0
<8844> コスモスイニ 620 1929 1 36.5 4.9
<6937> 古河池 532 234 1 10.4 12.4
<7271> 安永 377 615 1 67.6 23.6
<6480> トムソン 376 1315 7 53.0 10.9
<3794> NDソフト 308 347 1 38.2 19.6
<9405> 朝日放送HD 303 826 1 39.8 11.8
<7554> 幸楽苑HD 299 925 4 83.5 39.7
<6357> 三精テクノロ 275 630 2 32.5 12.1
<9873> 日本KFC 238 994 1 49.7 63.3
<6820> アイコム 218 254 3 28.3 20.7
<7596> 魚力 210 335 2 66.0 26.0
<3356> テリロジー 176 58 8 24.0 176
<4538> 扶桑薬 166 332 5 77.2 40.7
<6955> FDK 165 438 7 316 310
<8052> 椿本興 159 2207 1 60.4 6.6
<5912> OSJBHD 148 1724 2 81.7 16.4
<4574> 大幸薬品 126 575 1 42.2 28.5
<2922> なとり 124 356 1 50.7 23.5
<6947> 図研 119 1050 9 53.7 24.2
<3443> 川田テク 115 1945 4 54.2 12.1
<2819> エバラ食品 105 712 3 56.4 16.4
<8860> フジ住 103 1135 1 39.4 7.1
<7844> マーベラス 102 2171 1 63.8 15.2
<2372> アイロムG 101 461 1 58.8 34.3
※経常利益の単位は百万円。10月から11月にかけて下方修正を発表した企業は除いた。
※「-」:通期の経常利益もしくは最終利益が非開示のため、算出していません。
株探ニュース