<トップインタビュー> シェアリングテクノロジー 篠昌義取締役副社長【PR】

経済
2018年12月10日 15時00分

―積極的なM&A戦略から路線変更。今後は成長性の高いWEB事業に注力へ!―

東証マザーズに上場しているシェアリングテクノロジー <3989> [東証M]は、スピーディにユーザーとサービス提供者をマッチングするライフサービスマッチング事業をメインに展開。暮らしのなかの“お困りごと”を解決する総合プラットフォームサイト「生活110番」では、140以上の多様なジャンルでサービス提供者情報をはじめ様々なコンテンツを提供しており、ユーザーからの問い合わせに対して、スピーディにサービス提供者とのマッチングが可能となっている。また、同社は、上場後M&Aを戦略的に実施し、WEB事業以外も積極的に行ってきた。そうしたなか、同社は2018年9月期末の決算を11月19日に発表している。急激な成長を続ける同社の決算発表、今後の事業展開について、篠昌義(しの・まさよし)取締役副社長に聞いた。

●今回の決算発表について教えてください

今回の2018年9月期期末の決算発表において、売上高は前年同期非連結比約2.7倍の47億円となりました。WEB事業だけでみても、約1.8倍の31億円と高い成長率を達成することができました。また、営業利益は、前年同期非連結比約1.4倍の5億円程度となりました。

WEB事業の高い成長性は、コンテンツ投資やABテストなどへの積極的な投資により実現することができました。今後もこの積極的な投資は継続するとともに、サービス提供者の各スタッフのGPS機能から得られる位置情報とスケジュール情報を利用した新システム「Mover(ムーバー)」の促進により、他社には真似できないようなインフラを構築することで、高い成長性を維持し続けたいと考えております。このような施策により、WEB事業単独で、2019年9月期は2018年9月期の約2倍の成長を最低でも達成したいと考えております。

●WEB事業単独で約2倍の成長とはすごいですね。一方で、2018年9月期は投資事業として、M&Aを実施してきているとのことですが、こちらについてはいかがですか?

2018年9月期において、投資事業として3社のM&Aを行っております。この3社のうち、2社は、毎期営業利益を安定的に計上している会社になります。また1社は、直近年度で経常赤字が2700万円程度の会社であり、当社グループ全体の規模でみた場合僅少ではありますが、赤字を出している会社となります。ただし、この1社については、DD(デューデリジェンス)の結果、今後黒字化が可能であると考えて行ったM&Aになります。前者の2社については、M&A前の営業利益を引き続きキープするとともに営業強化などにより少しずつではありますが、業績の向上を図る体制の構築にまい進しております。また、後者の1社についても、コストカットなどにより、速やかに黒字化を目指せるような体制作りを進めております。

なお、この3社について、2019年9月期の業績予想は、保守的に2018年9月期の業績をそのまま据え置くような形でたてております。業種から考えても安定的な業績を維持しやすいといえますし、業績予想も保守的にたてておりますので、この3社のM&Aが当社グループ全体の業績に悪い影響を与えることはないと考えています。

●投資事業については、業績予想を保守的に作成されているということがよくわかりました。今後も、投資事業としてM&Aを積極的に実施されるのでしょうか

今後は、本業であるWEB事業とシナジーが相当程度高いM&A以外は実施しないこととしました。したがって、投資事業としてのM&Aは今後実施する予定はありません。これは、本業であるWEB事業の成長性が極めて高いということが今回の決算でも浮き彫りとなった中で、社内のリソースを本業であるWEB事業へ投下した方が、長期的に当社グループの成長につながると考えたからです。実は当初、投資事業としてのM&Aを実施することで、短期的に利益を得て、それをWEB事業に投下することで、WEB事業の成長性を加速させる方針でした。投資事業は当初計画通りの推移をしているものの、WEB事業が想定以上の成長曲線を描いており、リソースをWEB事業に集中させることが全体として成長速度を加速していけると判断いたしました。

●今後は、本業であるWEB事業とのシナジーが高いM&Aのみを実施されるということで、M&Aについては、大幅な路線変更を実施したということですね。では、今後は本業であるWEB事業の伸びに注目ですね

はい。今後はWEB事業の伸びに注目していただきたいです。先ほどお話ししたMoverはユーザーからの問い合わせに対して、コールセンターのオペレーターはその場で、近くの業者をアテンドできるため、成約率の向上が期待できます。この成約率の向上は、成果報酬型で手数料を受け取っている当社にとって、売上、利益に直接的にインパクトすることになります。更にMoverが普及すれば、GPS情報とスケジュール情報からサービス提供者は効率的な作業を行えるようになるため、電球交換や草むしりといった今までユーザーにとっては頼むところがなかなか見つからなかった軽作業サービスを、既存のサービス提供者が行うことも可能となるかもしれません。また、先日発表したMIKAWAYA21株式会社との資本業務提携は、今までにできなかったような軽作業を可能とする加盟店ネットワークの構築の新たな一歩になります。軽作業という、よりきめ細やかな「生活のお困りごと」領域に参入することで、シェアリングテクノロジーのサービスをより身近に感じていただけるようになる日も近いのではないかと考えております。

今後も、世の中に必要不可欠な素晴らしいサービスを作っていきたいと考えておりますので、応援していただけますと幸いです。

◇篠 昌義(しの・まさよし)

シェアリングテクノロジー株式会社 取締役副社長

公認会計士

大阪大学大学院在学中に公認会計士試験にチャレンジ、2010年公認会計士試験に合格。同年に有限責任監査法人トーマツに入所。財務諸表監査や公的機関に対する支援業務に従事。2014年に退職後、税理士法人平成会計社に入所。税務業務に従事した後に、シェアリングテクノロジー株式会社の取締役CFOに就任。上場準備や財務戦略の立案のみならず、M&A業務なども担当。その後、2018年8月に同社取締役副社長に就任。現在は、事業推進を含む経営全般を担当。兵庫県出身。

◇シェアリングテクノロジー

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