利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第3弾 20社選出 <成長株特集>
本特集では、10月下旬から11月中旬までの決算集中期間に随時配信した「利益成長“青天井"銘柄リスト」を、“全期間”を対象に再構成した総集編をお届けします。東証1部銘柄を対象とした第1弾(12月6日配信)、第2弾(12月9日配信)に続き、今回は時価総額50億円以上の東証2部と新興市場(マザーズ、ジャスダック)銘柄を対象に、18年7-9月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ通期計画も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。
下表は、本決算月にかかわらず、直近3ヵ月実績の7-9月期に経常利益が全四半期ベースで過去最高益を5%以上、上振れて更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している20社を選び出し、7-9月期経常利益の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったパルマ <3461> [東証M]はトランクルーム開発物件の販売が拡大し、7-9月期(第4四半期)経常利益は2.3億円と過去最高益を2.4倍も上回って着地。同社は4月に日本郵政キャピタルと資本提携しており、今後、日本郵政グループとの事業連携による成長加速が期待される。2位に入ったキクカワエンタープライズ <6346> [東証2]の7-9月期(第2四半期)は建築関連や設備投資需要の高まりを背景に、木工機械、工作機械ともに販売が大きく伸びた。業績好調を踏まえ、19年3月期の経常利益予想を大幅上方修正し、1992年3月期に記録した過去最高益を実に27年ぶりに塗り替える見通しとなった。
4位にリストアップされたのはネットオークションの価格比較サイトを運営するオークファン <3674> [東証M]。7-9月期(第4四半期)は前期に新設したインキュベーション事業で投資有価証券売却益が発生し、7四半期ぶりに過去最高益を更新した。あわせて発表した19年9月期の経常利益は前期比41.8%増の6億円と2期連続最高益を計画する。成長期待を背景に株価は決算発表後に1ヵ月弱で80%の急騰をみせた。その後、11日に利益確定売りで急落したがすぐに切り返しに転じている。信用倍率が0.6倍台と売り長になっており、需給面の投資妙味にも注目したい。
5位のエスティック <6161> [東証2]と6位のJMC <5704> [東証M]はいずれも7-9月期に連続最高益を果たした。エスティックは自動車用ネジ締め工具で利益率の高いナットランナーの販売が想定を上回り、7-9月期(第2四半期)は売上高、経常利益ともに過去最高を達成した。好決算を評価する買いが続き、株価は3日に上場来高値7770円をつけている。一方、JMCの7-9月期(第3四半期)は主力の鋳造事業で電気自動車(EV)向けの新規部品開発や難易度が高い重要保安部品の試作案件の受注が大きく伸びた。また、3Dプリンター出力案件が医療分野を中心に増加したほか、産業用CTを使った検査・測定サービスも好調だった。1-9月期実績(3.1億円)がすでに通期計画2.6億円を大幅に上回っており、業績上振れが有力視される。
7位のCRI・ミドルウェア <3698> [東証M]は国内スマートフォンゲーム向けに映像・音声ミドルウェアのライセンス収入が伸びたほか、組込み分野で音響機器向け開発案件を受注し、8四半期ぶりに過去最高益を更新した。株価は荒れ模様の全体相場に逆行し、1年9ヵ月ぶりの高値圏と異彩高を演じている。また、9位に入ったメイコー <6787> [JQ]の7-9月期(第2四半期)は車載、スマートフォン向けプリント配線板の販売が伸びたうえ、円安による為替差益の増加も利益を大きく押し上げた。業績好調に伴い、19年3月期の経常利益予想を11年ぶりの最高益に上方修正したが、市場予想に届かず株価は急落を余儀なくされた。ただ、上期実績が修正した通期計画に対して進捗率が70.5%と高水準でさらなる上振れも視野に入るうえ、指標面では予想PER6.7倍と割安感が強く、巻き返しの可能性は十分にあるとみられる。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌─ 通期 経常利益 ─┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 7-9月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<3461> パルマ 143 233 96 10.9 356 321 22.2
<6346> キクカワ 79.8 721 401 7.5 1870 1740 4.4
<3323> レカム 73.4 371 214 91.4 1200 627 21.5
<3674> オークファン 68.9 272 161 41.8 600 423 40.2
<6161> エスティック 63.4 642 393 31.6 1659 1261 16.6
<5704> JMC 50.0 150 100 34.5 261 194 55.6
<3698> CRI 39.2 167 120 1.7 420 413 56.4
<3556> リネットJ 36.5 86 63 101 404 201 29.1
<6787> メイコー 35.5 3651 2694 31.7 9000 6836 6.7
<9899> ジョリパスタ 29.6 582 449 36.2 1509 1108 34.7
<3969> エイトレッド 27.2 159 125 11.1 360 324 31.9
<3677> システム情報 27.1 314 247 6.1 1050 990 20.4
<6677> エスケーエレ 22.4 1996 1631 2.3 4700 4595 6.4
<6890> フェローテク 21.1 3081 2545 18.8 8500 7157 6.4
<6533> オーケストラ 18.0 144 122 22.3 444 363 27.5
<9707> ユニマRC 17.3 862 735 29.8 2615 2015 7.7
<4783> 日ダイナミク 14.6 376 328 17.7 950 807 13.3
<6046> リンクバル 10.1 239 217 39.6 1030 738 51.0
<2477> 手間いらず 10.0 198 180 17.1 810 692 31.0
<9467> アルファP 9.8 326 297 32.7 1200 904 31.0
※ 2017年1月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
株探ニュース