後場に注目すべき3つのポイント~海外情勢への警戒強く2万円台維持が焦点に

市況
2018年12月28日 12時36分

28日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・日経平均は反落、海外情勢への警戒強く2万円台維持が焦点に

・ドル・円は弱含み、日本株の軟調地合いで円買い主導

・値下がり寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位はユニファミマ<8028>

■日経平均は反落、海外情勢への警戒強く2万円台維持が焦点に

日経平均は反落。94.91円安の19982.71円(出来高概算5億4000万株)で前場の取引を終えている。

27日の米株式市場でNYダウは続伸し、260ドル高となった。引けにかけて急速に下げ幅を縮小し、上昇に転じたものの、一時600ドルを超える下落となるなど不安定な値動きだった。日経平均は前日に750円高と大幅上昇していたこともあり、本日は利益確定の売りが先行して119円安からスタートすると、朝方には19900.04円(177.58円安)まで下落する場面があった。その後は一時小幅高に転じたが、年末年始の休暇を前に積極的な買いは限定的で、上値の重い展開となった。東証1部の値下がり銘柄は全体の6割となっている。

個別では、任天堂<7974>、ソフトバンクG<9984>、ファーストリテ<9983>、ソニー<6758>、武田薬<4502>などが軟調。リクルートHD<6098>は3%超下落した。米グーグルが日本で求人関連事業に参入するなどと報じられ、競争激化を懸念した売りが出たようだ。決算発表したニトリHD<9843>やJフロント<3086>も大きく売られた。また、DLE<3686>が特設注意市場銘柄の指定等を受けてストップ安水準まで売られ、東証1部下落率トップとなった。一方、ファナック<6954>やSUMCO<3436>がしっかり。ソフトバンク<9434>、東エレク<8035>、ユニファミマ<8028>は小幅ながらプラスを確保した。DCM<3050>は第3四半期の増益決算や自社株買い実施が好感されて4%超高。また、Ubicom<3937>やラクーンHD<3031>などが東証1部上昇率上位に顔を出した。セクターでは、石油・石炭製品、電気・ガス業、小売業などが下落率上位。石油・石炭製品はNY原油先物相場の反落に加え、寒波到来によるガソリン需要の減少懸念も売り材料となったようだ。反面、海運業、非鉄金属、鉄鋼などが上昇率上位だった。

日経平均は節目の2万円を挟んだもみ合いとなっている。年内最終売買日とあって積極的な売買は限定的で、前場の東証1部売買代金は9000億円弱にとどまった。前日の米NYダウは終値でこそ続伸したものの、一時600ドルを超える下落となったことから、むしろ不安定さが意識されているようだ。市場の懸念材料である米中摩擦を巡っては、トランプ米政権が中国通信機器メーカーの華為技術(ファーウェイ)や中興通訊(ZTE)などの機器使用を企業に禁じる大統領令を検討しているなどと伝わっている。東京市場が年末年始の休暇中に海外発の悪材料と株安が生じるのでは、との投資家の警戒感は根強く、後場の日経平均も上値の重い展開が続きそうだ。年間騰落率が7年ぶりにマイナスとなることは避けられず、2万円台を維持できるかが注目される。

各種指標が「売られすぎ」を示していても、米中の対立や英国の欧州連合(EU)離脱などに翻弄される世界経済の先行きが見通せなければ、本格的な水準訂正は期待しづらい。2019年の株式相場も荒い値動きとなることに備えておく必要がありそうだ。

■ドル・円は弱含み、日本株の軟調地合いで円買い主導

28日午前の東京市場でドル・円は弱含み。日経平均株価の軟調地合いを受け円買い優勢となり、ドルは110円半ばに水準を切り下げた。

ドル・円は、不安定な株価に振らされる展開が続く。本日の東京株式市場で日経平均が朝方から値を下げ、円買い先行。その後、日経平均が20000円の大台を割り込むと、円は一段高となり、ドルは110円50銭台に下落した。

ランチタイムの日経平均先物は軟調地合いで、日本株安継続を警戒した円買いに振れやすいようだ。ただ、足元でドル売り・円買いは一服しており、目先米株式先物が反転すれば今晩の株高を期待したドル買いが想定される。

ここまでの取引レンジは、ドル・円は110円52銭から111円03銭、ユーロ・円は126円66銭から127円02銭、ユーロ・ドルは1.1428ドルから1.1460ドルで推移した。

■後場のチェック銘柄

・ロジザード<4391>やラクオリア創薬<4579>などがストップ高

※一時ストップ高・安(気配値)を含みます

・値下がり寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位はユニファミマ<8028>

■経済指標・要人発言

【要人発言】

・日銀金融政策決定会合・主な意見(12月19-20日開催分)

「7月の『枠組み強化』に沿って長期金利が一時的にマイナスになることも許容するべき。長期金利は『ゼロ%程度』を中心に上下におおむね対照的に変動するのが自然で、長期国債保有残高の年間増加額約80兆円のメドの下、柔軟に買入れ額を増減させるのが望ましい」

【経済指標】

・日・11月有効求人倍率:1.63倍(予想:1.63倍、10月:1.62倍)

・日・11月失業率:2.5%(予想:2.4%、10月:2.4%)

・日・12月東京都区部消費者物価指数(生鮮品除く):前年比+0.9%(予想:+0.9%、11月:+1.0%

・日・11月鉱工業生産速報値:前月比-1.1%(予想:-1.5%、10月:+2.9%)

<国内>

特になし

<海外>

特になし

《HH》

提供:フィスコ

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