【植木靖男の相場展望】 ─ 地合い好転で二番天井を目指す

市況
2019年1月13日 9時15分

「地合い好転で二番天井を目指す」

●薄れる悪材への感応度

日経平均株価の昨年10月からの急反落は、年末になってようやく下げ止まった。この間僅か3ヵ月で、2万4000円台から約5000円も下げる惨落となった。この下げは厳しい。だが、こうした惨落は、天井を打ったあとによく見られる現象だ。

市場にみられた解説は、米中貿易戦争の激化懸念、原油価格の急落、米金利の急変動、米アップルショックなどが挙げられている。加えて、日本株は円高も下げの背景としている。

いつものことながら、相変わらず相場の本質からはずれた見方である。

材料は、下げに拍車をかけただけである。本質は、相場の地合いがすでに熟した柿が自然落下する直前のタイミングにあったとみる方が正しい。触れなば落ちん、の状態にあったのだ。

年明け後、米中貿易協議の進展への期待感から上昇に転じたが、地合いがすでに好転しつつあったとみたい。

であれば、そのあと少々の悪材料が表面化しても恐くはない。サムスンショックしかり、予想外の鉱工業生産が低下したドイツショックもそうだ。反応は薄い。地合いが悪いときなら株価は急落したとみられる。要は、地合い如何によって、悪材料の株価への影響度は異なるのだ。

●日柄では上昇は3月頃までか?

さて、年末12月25日に安値(終値ベース)をつけたが、年明け後もこの安値を下回ることなく、1月8日にいたって底入れを確認することとなった。

では、今後はどう展開するとみたらよいか。

週末の1月10日時点では、安値から変化日に当たる9日目になる。そろそろ一服する日柄だ。山登りにたとえると、最初のお休み処になる。このあたりでいったん休み、経験的には2~3日の押し目をつけることになる。その押し目の大きさで、次の展開を予想し得ることになるのも道理である。

上昇の初動段階では、主として売り方の買い戻しが株価を押し上げる。実際、寄り付きは高く、後場になるとダレる日が続くこととなった。

かくして、順調な底入れをみせているが、少々気になることがある。それは、底入れ後の、いわゆる出足の勢いである。残念ながら、勢いはあまりないようにみえるのは多くの投資家が実感していることに違いない。

今後、昨年10月の一番天井に対して二番天井を取りに行くことに関しては異論はないだろう。だが、過去の経験則では二番天井の大きさは千差万別、大きいものもあれば小さいものもある。

今回は上昇力はあまり期待できないかもしれない。いずれにしろ、それを決めるのは地合いの転換を決めるのと同じく、相場の神様の思し召し次第だ。日柄としては、上昇は3月頃までとみられる。

ところで、当面の物色銘柄はどうか。二番天井に向けての業種は、日経平均が天井を打つ以前に天井をつけ調整が進んでいるセクターがメインか。

米中貿易戦争が一時休戦なら非鉄の住友金属鉱山 <5713> 。昨年活躍の出番がなかった銀行から、三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> 。番外で、出来高増の東京個別指導学院 <4745> などに注目したい。

2019年1月11日 記

★2019年「新春特集」を“26本”配信。併せてご覧ください。

→→ 「新春特集」の記事一覧をみる

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.