富田隆弥の【CHART CLUB】 「戻り一巡、カギ握るNY市場」
◆24日の日経平均株価は19円安の2万0574円と小幅に3日続落。だが、21日に2万0892円高値と昨年12月26日の1万8948円安値から1944円戻したあとだけに、ほどよいスピード調整と言えるだろう。ただし、日経平均先物は1月22日から3日続けて2万0560円で終えている(24日現在)。いまは上にも下にも動けないところで、背景に何かがあるのだろう。
◆間もなく本格化する決算発表(25日から集中期間入り)や、30日から始まる米中閣僚級協議を見極めたいというのがその要因だろう。チャート面を付け加えるなら、クリスマス安値から大きく上げてきたことがある。 NYダウは安値から13.9%上げて75日移動平均線に到達し、日経平均は安値から10%上げてネックライン(2万1000円)に迫った。つまり、ショートカバー(買い戻し)を含めた買いの勢いが一巡し、様子見気分を強めたところと言える。
◆決算に関しては安川電機 <6506> 、日本電産 <6594> の如く、今期見通しを下方修正することが懸念されている。「株価はそれを織り込んだ」と専門家の楽観コメントも聞こえてくるが、投資家としては師走の急落を味わったばかりでそう簡単に楽観的にはなれない。
◆そして、世界の投資家が注目する米中通商協議。トランプ大統領は「うまく進んでいる」とツイートするが、トランプの日替わりツイートを真に受ける投資家は少ない。協議の前進期待で日米株価は上昇してきたが、ここからは結果待ちだろう。
◆チャートではクリスマスのところがセリングクライマックスとなり、その後のリバウンドはある程度想定されたこと。ただ、年末に急落した過去のケース(2007年や2015年)を振り返ると、新春の戻りはいずれも「75日移動平均線」が壁になり、そして2月、3月と再び安値模索となっている。その意味で、75日移動平均線に到達したNYダウのここからの推移がポイントになる。
◆米中協議、決算、そしてNYダウの動向と見極めたい要因がいまは揃っている。中でもカギを握るNYダウの動向がポイントで、75日移動平均線を上抜くなら日本株も「買い」となろう。だが、 NYダウが調整入りするなら日本株もツレ安は免れない。大きく調整するとは限らないものの、下値模索具合を見極めることは無駄ではないだろう。
(1月24日 記、毎週土曜日に更新)
株探ニュース