倉持宏朗氏【凪状態は続くのか? 2月相場の海図を読む】(2) <相場観特集>

特集
2019年1月28日 19時15分

―日経平均2万円台で気迷いムード、ここからの相場展望―

週明け28日の東京株式市場は軟調な地合いとなった。日経平均株価2万円台はキープしているものの、2万1000円ラインはなかなか突破できないでいる。安定の中にあって先高期待が盛り上がるという感じもなく、これは全体売買代金の薄さにも映し出されている。国内企業の四半期決算発表本格化で手掛けにくさがある2月相場。物色の方向性も含め、第一線で活躍する市場関係者にここからの展望を聞いた。

●「2万1000円台回復が焦点に、米国の景況感など注視」

倉持宏朗氏(サクソバンク証券 チーフマーケットアナリスト)

2月の日経平均のレンジは2万~2万1500円前後を想定している。2万1000円台を回復することができるかがポイントだが、そのためには1ドル=110円台へのドル高・円安の進行なども求められそうだ。同ラインを超えられなければ下値を試すことも予想されるが、PERなどを考慮すれば、下げても2万円程度とみている。

今週は、今晩のキャタピラーをはじめとする米国企業の決算や米連邦公開市場委員会(FOMC)、閣僚級の米中貿易協議、米雇用統計など重要イベントが目白押しであり、今後を見るうえでの重要な週となる。米連邦準備制度理事会(FRB)によるバランスシート縮小の早期終了観測や米中貿易摩擦の緩和期待は株価の上昇材料だ。しかし、28日の日経平均株価は軟調な値動きとなった。これは、ベネズエラを巡る情勢やトランプ米大統領が非常事態を宣言して、メキシコ国境への「壁」建設を強行するような事態となることなどが警戒された様子だ。

NYダウは半値戻しを達成したが、更なる上を目指すのか、ここを上限とするのかを見極めることになるだろう。米国景気が堅調なことが確認されれば、米金利の上昇が銀行株などの上昇につながり、NYダウも上昇するだろう。この場合、ドル高・円安も進み、外国人投資家の日本株買いも期待できるとみている。こうしたなか、自動車や電機や電子部品など輸出関連セクターの動向などに注目している。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(くらもち・ひろあき)

東海東京証券(エクイティ部長・株式業務統括)、ベアー・スターンズ証券(株式営業部長・マネージングディレクター)、クレディ・リヨネ証券(グローバルエクイティーズ営業本部長・マネージングディレクター)など欧米投資銀行などで、国内外機関投資家及び国内外ヘッジファンド向けセールス及びセールストレーダーとして携わる。マーケットアナリストとしても国内外の主要メディアで取り上げられる。

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.