今週の【早わかり株式市況】4週続伸、米利上げ停止や米中貿易協議の進展期待が下支え

市況
2019年2月2日 6時40分

■今週の相場ポイント

1.日経平均は方向感定まらず、前週末終値とほぼ同水準で着地

2.重要イベントが相次いだが、FOMCがポイントで流れが変わる

3.FRBの“ハト派ぶり”がサプライズを呼び、米国株急伸を演出

4.サンバイオ暴落はマザーズ市場だけでなく東証1部にも影響及ぶ

5.ドル安・円高が上値を重くしたが、全体売買代金の厚みは復活へ

●週間 市場概況

今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比14円高(0.07%高)の2万0788円とわずかながら、4週連続の上昇となった。

今週は重要イベントが相次いだが、29日(火)~30日(水)の日程で行われた米連邦公開市場委員会(FOMC)が大きなポイントとなった。週初の28日(月)は米中貿易協議への期待や米政府機関の一部閉鎖が解除されたことなどで、前週末の米株高に追随する動きが期待されたものの、思いのほか利食い圧力は強く、日経平均はマイナスでスタート。逆に、翌29日は粘り腰を発揮。キャタピラーやエヌビディアの決算を受け軟調だった米株市場の地合いを引き継ぎ安く始まったものの、その後一貫して下げ渋り、小幅ながらプラス圏で着地した。30日はFOMCの結果待ちで見送りムードとなり、日経平均は100円強の下げだったが、この日はマザーズ市場が大乱調。創薬ベンチャーのサンバイオ <4592> [東証M]が臨床結果の不調を受け暴落、同銘柄は時価総額でマザーズ断トツだっただけに、そのインパクトは大きく、東証1部でも中小型株が軒並み下値模索の展開を強いられる羽目となった。このサンバイオは週末まで連続ストップ安を続けることになる。

そして、今週初めて開眼したといえるのが31日(木)だ。FOMCではFRBが利上げに慎重な姿勢をみせるとともに、資産圧縮プログラムについても修正を示唆し、その“ハト派ぶり”がサプライズを呼んだ。これがNYダウ急伸につながり、そのリスクオンの流れが東京市場にも及び日経平均は200円を超える上昇となった。名実ともに月替わりとなった2月1日(金)は、米国1月の雇用統計発表を控え、朝高後に値を消す展開。米中両国の閣僚級経済協議の進展に対する期待は支えとなったものの、ドル安・円高が足かせとなって上値は重かった。ただし、今週は売買代金が週初を除き2兆円台を上回り、前週の超閑散モードから離脱したことは付記しておきたい。

■来週のポイント

進展があった米中貿易交渉には未だ不透明感が残っているうえ、国内での決算では業績動向の強弱が入り交じっているだけに、来週も方向感に乏しい相場展開が続きそうだ。

重要イベントとしては、国内では7日発表の12月景気動向指数や8日朝に発表される12月国際収支が注目される。また、18年4-12月期決算発表は後半戦を迎える。海外では6日に発表される米国11月貿易収支に注視が必要だろう。なお、中国は4日から10日までは春節休暇となる。

■日々の動き(1月28日~2月1日)

【↓】   1月28日(月)―― 反落、円高やアジア株の軟化で売り優勢

日経平均 20649.00( -124.56)  売買高10億6502万株 売買代金 1兆8765億円

【↑】   1月29日(火)―― 小反発、米株安で売り先行も戻り足となりプラス圏

日経平均 20664.64(  +15.64)  売買高11億8229万株 売買代金 2兆1157億円

【↓】   1月30日(水)―― 反落、朝高も売り圧力が顕在化し調整色強まる

日経平均 20556.54( -108.10)  売買高14億3896万株 売買代金 2兆4801億円

【↑】   1月31日(木)―― 反発、米株高を受けリスク選好の買い優勢

日経平均 20773.49( +216.95)  売買高13億5957万株 売買代金 2兆5574億円

【↑】   2月 1日(金)―― 小幅続伸、強弱感対立のなか方向感を欠く展開

日経平均 20788.39(  +14.90)  売買高14億1807万株 売買代金 2兆4860億円

■セクター・トレンド

(1)気迷い相場映し、15業種上昇、18業種下落

(2)輸出株はまちまち

HOYA <7741> など精密機器、ソニー <6758> など電機は上昇も、トヨタ <7203> など自動車は下落

(3)リクルート <6098> などサービス、ファストリ <9983> など小売りといった内需株は総じて堅調

(4)郵船 <9101> など海運、コマツ <6301> など機械、新日鉄住金 <5401> など鉄鋼といった景気敏感株はさえない

(5)野村 <8604> など証券、みずほFG <8411> など銀行といった金融株は売られた

(6)週末にかけて東電HD <9501> 、関西電 <9503> など電力株が急落

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)

1(1) 5G ── 「5G関連“55兆円”巨大投資..」昨年記事がSNSで話題

2(2) 人工知能(AI)

3(6) キャッシュレス決済 ─ 安倍首相が施政方針演説で普及を明言 

4(4) バイオテクノロジー

5(8) 国土強靱化 ───── 政府のインフラ計画強化で注目場面 

※カッコは前週の順位

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