話題株ピックアップ【夕刊】(1):サンバイオ、ツガミ、ユーザベース

注目
2019年3月4日 15時14分

■サンバイオ <4592>  2,959円  +221 円 (+8.1%)  本日終値

サンバイオ<4592>が続伸。開発中の再生細胞薬「SB623」の慢性脳梗塞を対象とした米国フェーズ2bの治験結果が不調に終わったことが嫌気され、株価は1月末から2月初旬にかけ暴落したが、2月5日の2401円を底値に足もとでは戻りを試す動きとなっている。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は1日、同社株の目標株価を6100円(従来1万2500円)に引き下げたものの、レーティングの「オーバーウエート」は継続した。同証券では再生細胞薬「SB623」による中長期の利益成長は可能とみている。特に株価は慢性期脳梗塞(stroke)での上市の可能性を織り込んでいない水準まで下落していると分析しており、strokeの開発継続が確定すれば、株価は上昇すると予想している。strokeフェーズ2b試験の主要評価項目未達の原因は、単にSB623の有効性の問題ではなく、(1)対象患者層の問題(2)投与箇所の問題(3)細胞の活性の問題などがあったのではないか、と指摘。これらが原因だった場合、それぞれ対策は必要だが、試験継続の可能性があるとみている。

■ツガミ <6101>  805円  +45 円 (+5.9%)  本日終値

ツガミ<6101>、オークマ<6103>、東芝機械<6104>など工作機械株が軒並み高。米中貿易協議の進展期待が急速に高まりをみせている。工作機械受注額は1月まで4カ月連続で前年実績を割り込んでいるが、これは中国向け需要減速の影響も大きい。米中貿易摩擦問題が解決の方向となれば、その恩恵は日本の工作機械メーカーにも及ぶ。また、あす5日からは中国全人代が開幕するが、中国政府による新たな景気対策への思惑もポジティブ材料となっている。

■ユーザベース <3966>  2,679円  +106 円 (+4.1%)  本日終値

ユーザベース<3966>が大幅反発。午前9時ごろ、ソーシャル経済メディア「NewsPicks」において、女性をはじめとする多様な人々の幸せな働き方を応援するプロジェクト「カラフルワーク」をスタートさせたと発表しており、特集記事などによる利用層の拡大を期待した買いが入った。同プロジェクトの第1弾として、国際女性デーに向けて3月10日までの7日間、NewsPicks内に「カラフルワーク」タブを新設し、多様な働き方、豊かな人生にするためのワークライフバランスの実現をテーマとする記事を紹介。また、オリジナル特集記事として、片付けコンサルタントとして米国でも人気の近藤麻理恵氏や、アフリカをはじめとする世界中の少数民族を撮影しているフォトグラファーのヨシダナギ氏、働き方や食品ロス改善に取り組む国産牛ステーキ専門店「佰食屋(ひゃくしょうや)」のオーナー中村朱美氏など、自由かつ柔軟に自分らしい生き方を追求している人々にフォーカスした記事を掲載するとしている。

■UTグループ <2146>  2,663円  +100 円 (+3.9%)  本日終値

UTグループ<2146>が大幅続伸。同社は2万人以上の労務管理ビジネスを手掛けている。そのノウハウを生かし、外国人のサポートビジネスとして、外国人実習生の労務管理業務に力を入れていく構え。4月からの「改正出入国管理法」の施行に伴い、外国人労働者の労務管理に対するニーズは大きく高まることが予想され、同社の活躍余地は広がる。19年3月期は営業利益段階で従来予想の70億円から80億円(前期比54%増)に上方修正、20年3月期も増収増益基調の継続が見込まれる。

■伊藤園 <2593>  5,200円  +190 円 (+3.8%)  本日終値

伊藤園 <2593> が大幅反発。1日大引け後に発表した19年4月期第3四半期累計(18年5月-19年1月)の連結最終利益が前年同期比14.6%増の102億円に伸びて着地したことが買い材料視された。飲料部門で主力の日本茶・健康茶の販売が増加したほか、「タリーズコーヒー」を展開する飲食関連事業の収益が伸びたことが寄与。為替差損が減少したことに加え、税金負担が軽くなったことも増益に貢献した。上期(5-10月)時点の同利益は5.4%減益だっただけに増益に転じたことが好感されたようだ。

■東京エレクトロン <8035>  15,905円  +520 円 (+3.4%)  本日終値

東京エレクトロン<8035>、SUMCO<3436>など半導体製造装置や半導体材料を手掛ける銘柄に買いが優勢となった。前週末の米国株市場ではマイクロンテクノロジー、アプライドマテリアルズ、インテルなど半導体関連株が広範囲に買われ、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も続伸となった。東京市場でもこの流れを引き継いでいる。米中貿易摩擦の問題は解決に向け期待感が高まっており、足もと進むドル高・円安も支援材料に半導体関連株は水準訂正高を狙った買いが流入した。

■ロック・フィールド <2910>  1,619円  +53 円 (+3.4%)  本日終値

ロック・フィールド<2910>が3日ぶりに反発。1日の取引終了後、19年4月期連結業績予想について、売上高を520億3000万円から514億8000万円(前期比0.1%減)へ、営業利益を30億700万円から26億6900万円(同14.4%減)へ、純利益を20億8000万円から19億1100万円(同8.4%減)へ下方修正したが、アク抜け感台頭から買いが入ったようだ。クリスマスや年末年始における特別メニューの展開などで“ハレ”の日の売り上げは堅調だったものの、昨秋来の株価下落などを背景に来店客数が想定より減少したことが響いたことが下方修正の要因という。なお、同時に発表した第3四半期累計(18年5月~19年1月)決算は、売上高388億2300万円(前年同期比0.9%減)、営業利益19億4400万円(同18.0%減)、純利益14億1900万円(同10.9%減)だった。

■東芝テック <6588>  3,170円  +100 円 (+3.3%)  本日終値

東芝テック<6588>が反発。日本経済新聞電子版がこの日、「商品を自動スキャンするセルフレジを開発した」と報じており、これを好材料視した買いが入った。記事によると、品物をベルトコンベヤーに流して、読み取り機がひとつひとつを認識して会計まで進めるという。スーパーマーケットなどで導入が進むセルフレジだが、来店客が操作するため時間がかかり、レジ待ちが増えるなどの課題があった。自動スキャンにより処理能力がアップすれば混雑の解消になるとの期待から、注目されているようだ。

■サカイ引越センター <9039>  7,060円  +220 円 (+3.2%)  本日終値

サカイ引越センター<9039>が反発。午前11時ごろに発表した2月度の月次売上高(速報)が前年同月比13.3%増の64億7600万円と2カ月連続で2ケタ増となり、また7カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。関東地区や近畿地区、北海道・東北地区、中国・四国地区、九州・沖縄地区で2ケタ増となるなど、全国的に好調に推移した。

■コマツ <6301>  2,812円  +86 円 (+3.2%)  本日終値

コマツ<6301>や日立建機<6305>、ファナック<6954>など中国関連株が高い。市場では米国と中国の両国での通商合意が近いとの期待が強まっている。米ウォールストリート・ジャーナルは3日、トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は貿易摩擦を巡って3月27日ごろに会談し、合意する可能性があると伝えた。また、一部からは、米国が昨年から課している対中関税の全てか大半が撤回される可能性があることも報道されている。これを受け、中国関連株に見直し買いが入った。

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