話題株ピックアップ【夕刊】(2):ルネサス、東エレク、住友鉱

注目
2019年3月7日 15時18分

■ルネサス <6723>  584円  -100 円 (-14.6%) ストップ安   本日終値  東証1部 下落率トップ

ルネサスエレクトロニクス<6723>はストップ安。きょう付けの日本経済新聞朝刊で、「国内外13工場で生産停止に踏み切る」と報じられており、業績への影響を懸念した売りが出たようだ。記事によると、中国で自動車や工作機械向けの需要が想定外に減っているためで、減産により在庫水準を適正化するのが狙いという。国内の主要6工場では最大2カ月と長期間生産停止とするほか、海外4工場でも数週間にわたって操業を止める方針と伝えている。

■東京エレクトロン <8035>  14,955円  -455 円 (-3.0%)  本日終値

東京エレクトロン<8035>、SCREENホールディングス<7735>、SUMCO<3436>など半導体関連株が軒並みウリ気配で始まるなど下げが目立つ展開。前日の米国株市場でマイクロンテクノロジーが5%を超える急落をみせたほか、インテル、エヌビディアなど半導体セクターの下げがきつく、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も大幅続落となった。半導体メモリー価格の下落基調が続くなか、関連企業の業績に慎重な見方が広がっている。これを受けて東京市場でも半導体製造装置や半導体材料を手掛ける銘柄に売りがかさんでいる。

■住友金属鉱山 <5713>  3,208円  -91 円 (-2.8%)  本日終値

住友金属鉱山<5713>、東邦亜鉛<5707>、三菱マテリアル<5711>など非鉄株が総じて安い。ここ非鉄市況全般が上昇基調を強めるなか、2月中旬からいずれも株価は上昇基調にあった。しかし、足もとは銅価格の上げ足が鈍っているほか、アルミニウムやニッケルなど他の非鉄価格も上値が重くなっている。中国の景気減速に対する警戒感の高まりを受けて、銅などの需要減退が警戒され、関連企業の株価にも重荷となっている。

■コマツ <6301>  2,657円  -71.5 円 (-2.6%)  本日終値

コマツ<6301>、日立建機<6305>など建機株が軟調。米中貿易協議の進展に対する期待感が高まっていたが、目先は楽観的な見方が後退している。昨年の米国の貿易赤字が10年ぶりの高水準で、対中貿易赤字も過去最高となったことが分かり、トランプ米大統領の強硬姿勢が強まることへの警戒ムードが再燃している。米中が今月中に合意する可能性が低くなったとの見方が出るなか、東京市場でも米中貿易摩擦の影響を受けやすい中国関連株は売りが先行した。

■日産自動車 <7201>  918.9円  -19.3 円 (-2.1%)  本日終値

日産自動車<7201>が4日続落。カルロス・ゴーン元会長が東京拘置所から保釈されたことが話題となっているが、前日のNYダウが下落し東京市場全般が軟調地合いとなるなか、同社株には売りが先行した。SMBC日興証券は6日、同社株の投資評価を「2」から「3」へ引き下げた。目標株価は1050円から850円に見直した。モデルサイクルの状況や米国事業でのインセンティブ抑制策の影響などで、19年3月期以降の業績予想を下方修正している。また1株当たり配当金は今期の57円が来期は40円に減配されると予想している。

■日本郵船 <9101>  1,709円  -27 円 (-1.6%)  本日終値

日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>など海運株への売りが目立つ。2018年の米国の対中貿易赤字が過去最高を記録したことなどを受け、トランプ米大統領が中国との通商交渉で強硬姿勢に転じるのではないかとの思惑が再燃している。対中国に限らず、トランプ政権の保護主義的な通商政策にも関わらず米国の貿易赤字総額は08年のリーマンショック以降10年ぶりの最高水準となっており、これが貿易摩擦問題を再び先鋭化させる材料になるのではないかという懸念が足もとのリスクオフ相場の背景にある。グローバルな物流ニーズの減退にもつながり、海運株にはネガティブ要因として意識されている。また、ここにきて世界景気の減速に対する警戒感が改めて高まっていることも嫌気されている。

■みずほFG <8411>  172.5円  -2.7 円 (-1.5%)  本日終値

みずほフィナンシャルグループ<8411>が安い。同社は6日の取引終了後、固定資産の減損処理などで約6800億円の損失を計上することで、19年3月期の純利益を従来予想の5700億円から800億円(前期比86%減)に下方修正することを発表した。収益基盤の弱まった店舗の閉鎖やシステムの処理により約5000億円の固定資産の減損損失と、有価証券ポートフォリオ再構築などに伴い約1800億円の損失を計上する。なお、年7.5円の配当予想は継続する。きょうは今期純利益の大幅下方修正を嫌気する売りが膨らんだ。三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>や三井住友フィナンシャルグループ<8316>も下落した。

■ナレッジスイート <3999>  1,160円  +136 円 (+13.3%)  本日終値

ナレッジスイート<3999>が後場急騰。午後1時ごろ、同社の純国産クラウド型統合ビジネスアプリケーション「KnowledgeSuite(ナレッジスイート)」が、東亜ソフトウェア(鳥取県米子市)に採用されたと発表しており、これを好材料視した買いが入った。東亜ソフトウェアは、母体の地方卸売市場東亜青果の電算部が発展的に分離独立した会社で、山陰両県を地盤に青果市場、ケーブルテレビ、電力事業などをフィールドにシステムを提供している。今回、働き方改革への取り組みを推進し、法人向け営業活動の効率化と可視化を目的に、「ナレッジスイート」の主力サービスであるクラウドSFAを採用したとしている。

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