話題株ピックアップ【夕刊】(1):オンコリス、ラクスル、信越化

注目
2019年3月13日 15時13分

■オンコリス <4588>  4,265円  +605 円 (+16.5%) 一時ストップ高   本日終値

オンコリスバイオファーマ<4588>が後場急騰、一時700円高はストップ高となる4360円まで上値を伸ばした。株価はここ急速に水準を切り上げており、前日こそ小休止を入れたものの、前週末からきょうの高値まで6営業日で2000円を超える上昇、この間に時価総額は9割近く増加した。腫瘍溶解ウイルス技術に特化したがん治療薬や重症感染症治療薬の開発に強みを持つ創薬ベンチャー。食道がんやメラノーマ、肝細胞がんなどで臨床試験を走らせている「テロメライシン」にマーケットの視線が集中している。米メルクのがん免疫治療剤「キイトルーダ」との併用療法に関するフェーズ1の臨床データが今月29日から米ジョージア州アトランタで開催されるアメリカ癌学会(AACR)で開示される見通し。きょうは同社の浦田泰生社長のコラムで、このテロメライシンのAACRでの発表に関する基礎的な報告6題のうち、3題について新たな臨床応用を示唆する知見が得られたとして説明が行われ、同社の株価を強く刺激する格好となった。

■ラクスル <4384>  4,745円  +545 円 (+13.0%)  本日終値

ラクスル<4384>が急伸し上場来高値を更新。12日の取引終了後に発表した第2四半期累計(18年8月~19年1月)単独決算が、売上高74億9500万円(前年同期比52.9%増)、営業利益7100万円(前年同期1億2100万円の赤字)、最終利益2100万円(同1億3200万円の赤字)となり、営業損益が黒字転換したことが好感された。主力の印刷ECサービスが順調に拡大していることに加えて、集客支援(広告)サービスやハコベル(運送事業)の売り上げが拡大していることも貢献した。テレビCMの放映などで広告宣伝費は増加しているものの、他の販管費の伸びを抑えたことも寄与した。なお、19年7月期通期業績予想は、売上高145億5000万円(前期比30.2%増)のみ予想を発表しており、従来見通しを据え置いている。

■多木化学 <4025>  5,680円  +550 円 (+10.7%)  本日終値  東証1部 上昇率3位

多木化学<4025>は続急伸。この日、魚のうろこ由来のコラーゲンシートを用いた自律拍動するiPS細胞由来心筋シートを大阪大学と共同開発し、3月21日から23日に開催される「第18回日本再生医療学会総会」の最新技術紹介コーナーで紹介すると発表しており、これを好材料視した買いが入った。同製品は羽ばたくように拍動するため、従来の心筋シートよりヒトの心臓の組織に近いのが特徴。高度な再生医療に役立つと期待されている。

■東邦亜鉛 <5707>  3,400円  +80 円 (+2.4%)  本日終値

東邦亜鉛<5707>が3日続伸。ロンドン金属取引所(LME)で亜鉛3カ月物は12日、一時1トン=2840ドル前後と昨年7月初旬以来、8カ月ぶりの水準に上昇した。亜鉛のLME在庫が減少していることから供給不安も出ている様子だ。

■タカラバイオ <4974>  2,777円  +60 円 (+2.2%)  本日終値

タカラバイオ<4974>は続伸。前日から一転してきょうは日経平均が一時300円近い下落をみせるなど全般売り圧力の強い地合いとなっているが、そのなか海外株や為替の影響を受けにくいバイオ関連の一角として強さを発揮している。同社は遺伝子工学を活用した治療や再生医療分野に注力、免疫細胞のT細胞にキメラ抗原受容体を加えて遺伝子改変を行うCAR-T療法への展開で先駆する。腫瘍溶解性ウイルスではメラノーマを対象とした「TBI-1401」については2019年中に承認される可能性があり、思惑買いの対象となっている。業績面でも10年3月期以来、前期まで9期連続で大幅営業増益を続け、19年3月期も46%増益の52億円を見込むなど成長路線を走っている。

■ケーヨー <8168>  511円  +11 円 (+2.2%)  本日終値

ケーヨー<8168>が3日続伸。12日の取引終了後、集計中の19年2月期単独業績について、営業損益を17億円の赤字から16億5000万円の赤字(前の期15億3000万円の黒字)へ、最終損益を16億円の赤字から2億8000万円の黒字(同12億9600万円の黒字)へ上方修正したことが好感された。暖冬の影響により石油暖房や降雪用品が不振となったことで、売上高は1158億円から1148億3800万円(前の期比13.1%減)へ下方修正したが、DCMホールディングス<3050>との物流体制や販売促進の連携及びオペレーションの見直しなどによる改善効果で利益は上振れたという。また、投資有価証券売却益を計上したことも寄与したとしている。

■日経Dインバ <1357>  1,204円  +25 円 (+2.1%)  本日終値

NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信<1357>が3日ぶり反発。全体相場は前日の全面高様相から打って変わり、主力株をはじめ広範囲に売り込まれる下げ圧力の強い地合いとなっている。同銘柄は日経平均株価の値動きと逆方向に連動するETFで、日々の騰落率が日経平均の「マイナス2倍」になるように基本設定されている。全体相場は日経平均が下押す場面では一気に押し目買いが流入して買い戻しを誘発するが、2万1500円を超えてくると再び売り板が厚くなりなかなか上昇トレンド転換がかなわない状況。そうしたなか、日経ダブルインバースは5日・25日移動平均線のゴールデンクロスが目前に迫っており、テクニカル的には全体相場の先行き不安を暗示する形となっている。

■信越化学工業 <4063>  9,282円  +192 円 (+2.1%)  本日終値

12日、信越化学工業 <4063> が発行済み株式数(自社株を除く)の3.3%にあたる1400万株(金額で1000億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料視された。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は3月13日から9月30日まで。また、今回取得した自社株を全て消却する。消却予定日は10月7日。

■夢真ホールディングス <2362>  764円  +12 円 (+1.6%)  本日終値

夢真ホールディングス<2362>が続伸。前週から今週初にかけて株価は25日移動平均線を下放れたが、750円近辺まで下押したところで値ごろ感からの押し目買いが優勢となった。大手ゼネコン向けを中心に建築技術者の派遣を手掛けるほか、自動車や半導体業界向けエンジニア派遣事業も育成している。外国人エンジニアの確保にも積極的で、4月から施行される「改正出入国管理法」に伴い収益機会が拡大するとの期待もある。12日発表した2月の派遣事業稼働人数は前年同月比25.9%増の6110人と高水準で、これも株価反転を後押しする材料となった。

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