話題株ピックアップ【夕刊】(2):三井不、大東建、オハラ

注目
2019年3月13日 15時17分

■三井不動産 <8801>  2,763円  +33.5 円 (+1.2%)  本日終値

三井不動産<8801>が3日続伸で昨年12月初旬以来の高値圏に浮上。時価2800円近辺は昨年6月以来9カ月にわたる上値のフシとなっており、この水準を突破できるかが注目される。また、住友不動産<8830>も3日続伸で、こちらは2015年8月以来、3年7カ月ぶりの高値水準と気を吐いている。今週14~15日の日程で日銀金融政策決定会合が行われるが、日銀は緩和政策を緩める気配はなく、状況によっては今後更なる追加緩和も辞さずの構えを黒田総裁は示していることで、不動産セクターにとっては改めて追い風が意識されている。一方、東京都心のオフィス空室率は直近で統計以来の最低水準となっているほか、賃料についても60カ月以上連続して上昇している状況だ。こうした好収益環境が不動産株への資金流入を誘発している。また、信用取組は両銘柄とも売り長で、空売り筋の買い戻しを背景に株式需給面も上値が軽くなっている。

■大東建託 <1878>  14,785円  +85 円 (+0.6%)  本日終値

大東建託<1878>が全般地合い悪のなか3日続伸と強さをみせている。目先は不動産セクターに資金シフトが見られるなか、同社株も株価急落の反動でリバウンド狙いの買いが入っている。今月4日から8日にかけて大幅に株価水準を切り下げたが、これはレオパレス21<8848>の施工不良問題が同社株への連想売りにつながったもので、その修正による株高の要素も大きい。信用倍率は0.7倍、日証金でも貸借倍率は1倍を下回っており空売りの買い戻しが上げ足を助長している面もある。

■東建コーポレーション <1766>  7,060円  +30 円 (+0.4%)  本日終値

東建コーポレーション<1766>は3日続伸。12日の取引終了後、従来200円を予定していた19年4月期の期末一括配当を20円増額して220円にすると発表しており、これを好材料視した買いが入っている。前期実績に対しては40円の増配になる予定だ。同時に19年4月期の連結業績予想について、売上高を3384億6600万円から3274億9300万円(前期比0.3%減)へ、営業利益を198億8300万円から153億8200万円(同21.8%減)へ、純利益を135億1800万円から107億9900万円(同14.2%減)へ下方修正し、営業増益予想から一転して減益予想としたが、織り込み済みとの見方が強い。金融機関の建設資金融資姿勢の厳格化などを受けて、賃貸建物受注が低迷し完成工事高が減少する見通しであることが要因という。また、建築資材の上昇を受け完成工事総利益率が低下する見込みであることも利益を押し下げるとしている。

■アネスト岩田 <6381>  953円  +4 円 (+0.4%)  本日終値

アネスト岩田<6381>が続伸。株価は今週明け11日に909円の昨年来安値に売られたが、同社株にとって900円近辺は長期波動でみても底値ゾーンと捉えられ、下値限界とみた押し目買いが入り始めた。同社は塗装機器や圧縮機の大手メーカーで抜群の商品競争力を持つ。塗装機は欧州で組織改編などを行い現地での需要取り込みを進捗させており、塗装メーカーとの協業もあって収益への貢献が鮮明化している。一方、圧縮機は日本国内でオイルフリー型製品への引き合いが旺盛で売り上げを伸ばしている。19年3月期は営業利益段階で前期比4.6%増の40億円を計画するが保守的で、市場では第3四半期時点の進捗率から上振れが有望視されている。

■オハラ <5218>  1,365円  -332 円 (-19.6%)  本日終値  東証1部 下落率トップ

オハラ<5218>が急反落し昨年来安値を更新した。12日の取引終了後、19年10月期の連結業績予想について、売上高を273億円から246億円(前期比12.8%減)へ、営業利益を28億円から15億円(同54.1%減)へ、最終利益を20億円から6億円(同81.4%減)へ下方修正し、営業増益予想から一転して減益予想としたことが嫌気された。足もとでスマートフォン向けの耐衝撃・高硬度クリアガラスセラミックス「ナノセラム」の需要が減少。これに加えて、光事業でカメラ市場の縮小に伴う需要の減少が見込まれるほか、エレクトロニクス事業で露光装置向け極低膨張ガラスセラミックスの需要回復時期が想定より遅れる見通しとなったことなどが要因としている。

■オムロン <6645>  5,360円  -340 円 (-6.0%)  本日終値  東証1部 下落率8位

オムロン<6645>は3日ぶりに反落。8日の取引終了後にパイオニア<6773>に代わり日経平均株価に採用されることが発表されると、11日にストップ高と急騰し、12日も大きく値を飛ばした。2日間で20%を超す上昇を演じたが、この日は6%安に売られた。株価急騰後の反動安状態が強まっているが、市場では、日経平均入れ替えに伴うリバランスの売買が発生する15日の引けにかけての値動きが注視されている。

■ジャムコ <7408>  2,416円  -88 円 (-3.5%)  本日終値

ジャムコ<7408>が安い。米ボーイング社の新型小型機「737MAX」に10日、エチオピアでの墜落事故が発生。737MAXの墜落事故は昨年10月に続くものであり、各国の航空当局による運航停止措置が相次いでいる。これを受け、ボーイングの株価は急落しており、同社の航空機向け化粧室やギャレーの製造で高実績を持つジャムコへの影響が警戒されている。

■ファナック <6954>  18,365円  -325 円 (-1.7%)  本日終値

ファナック<6954>、安川電機<6506>など機械株が総じて軟調。きょう朝方に内閣府が発表した1月の機械受注統計は前月比5.4%減と市場コンセンサスの1.5%減を大きく下回った。これが設備投資関連セクターには逆風材料となっている。ファナック、安川電ともに寄り付きこそ強さをみせたものの、足もとの全般地合い悪も手伝い、寄り後に漸次下げ幅を広げる動きを余儀なくされている。

■サカタインクス <4633>  1,080円  -11 円 (-1.0%)  本日終値

サカタインクス<4633>は6日続落。岩井コスモ証券は12日付で、同社の投資判断を新規「A」、目標株価1500円でカバレッジを開始した。同社は環境配慮型の高機能・高付加価値インキで高いシェアを持っており、世界的な環境規制強化の潮流を受け、未進出エリアへのビジネス拡大を視野に、世界各地で設備増強を進めている。同証券では会社側が打ち出しているアジアを中心とするグローバル戦略は2020年以降に大きく加速する可能性があるとみている。19年12月期連結営業利益については会社計画と同水準の60億円(前期比17%増)になると予想している。米中貿易摩擦の長期化により世界景気悪化が懸念されるなか、原材料価格のピークアウトが観測され、19年12月期下期にかけて採算の改善が期待できるとしている。

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