【投資部門別売買動向】海外勢が売越額5600億円と一手売り、個人と事業法人が買い受ける (3月1週)
●海外勢が売越額5600億円超と一手売りに対し、個人と事業法人が買い受ける
東証が14日に発表した3月第1週(4日~8日)の投資部門別売買動向によると、週末に世界景気減速への警戒感が強まり日経平均株価が前週末比577円安(2.67%安)の2万1025円と4週ぶりに大幅反落したこの週は、海外投資家は6週連続で売り越した。売越額は5688億円と前週の1952億円から急拡大し、昨年12月1週以来3ヵ月ぶりの大きさでほぼ一手売りだった。ただ、海外投資家は先物の投資部門別売買動向では日経平均先物とTOPIX先物の合計で4週連続で買い越し、買越額は3207億円と前週の2992億円から増加した。現物と先物の合算では4週ぶりに売り越し、売越額は2480億円だった。
一方、個人投資家が4週ぶりに買い越し、買越額は1779億円だった。逆張り投資志向の強い個人が株価下落局面で買い向かった格好だ。証券会社の自己売買部門は5週連続で買い越し、買越額は3243億円と前週の2632億円から増えた。自社株買いが中心とみられる事業法人部門も6週連続で買い越し、買越額は1480億円と前週の1059億円から拡大した。
海外投資家の5600億円を超える売り越しで日経平均が大幅反落する中、個人投資家と事業法人が買い受けた格好だ。
■投資部門別売買代金差額 (3月4日~8日)
東証・名証2市場の1・2部と新興企業向け市場の合計[総合証券ベース(全49社)]
※単位:億円(億円未満切り捨て) ▲は売り越し
海外投資家 信託銀行 個人合計 [ 現金 信用 ] 日経平均 ( 前週比 )
3月 ―――
第1週 ▲5,688 ▲424 1,779 [ 769 1,009 ] 21,025円 ( -577 円)
2月 ―――
第4週 ▲1,952 222 ▲896 [ ▲884 ▲12 ] 21,602円 ( +177 円)
第3週 ▲34 ▲734 ▲2,422 [ ▲1,936 ▲485 ] 21,425円 ( +524 円)
第2週 ▲655 1,026 ▲2,487 [ ▲1,883 ▲604 ] 20,900円 ( +567 円)
第1週 ▲1,536 ▲198 268 [ ▲331 600 ] 20,333円 ( -455 円)
1月 ―――
第5週 ▲1,294 1,064 ▲77 [ ▲331 253 ] 20,788円 ( +14 円)
第4週 1,201 ▲152 ▲757 [ ▲829 71 ] 20,773円 ( +107 円)
第3週 ▲542 259 ▲996 [ ▲887 ▲109 ] 20,666円 ( +306 円)
第2週 ▲2,905 385 ▲1,743 [ ▲1,004 ▲739 ] 20,359円 ( +797 円)
第1週 ▲2,086 208 416 [ 198 218 ] 19,561円 ( -452 円)
12月 ―――
第4週 ▲578 1,409 ▲1,703 [ ▲636 ▲1,067 ] 20,014円 ( -151 円)
第3週 ▲3,263 1,120 ▲1,065 [ ▲1,163 97 ] 20,166円 ( -1208 円)
第2週 ▲1,613 1,415 218 [ ▲83 301 ] 21,374円 ( -303 円)
第1週 ▲5,955 2,031 2,220 [ 695 1,524 ] 21,678円 ( -672 円)
11月 ―――
第4週 ▲2,101 1,450 ▲3,586 [ ▲2,805 ▲780 ] 22,351円 ( +704 円)
第3週 ▲1,967 401 ▲361 [ ▲437 76 ] 21,646円 ( -33 円)
第2週 ▲1,369 ▲670 1,074 [ 183 890 ] 21,680円 ( -569 円)
第1週 2,440 ▲1,358 ▲1,776 [ ▲1,757 ▲18 ] 22,250円 ( +6 円)
※「信託銀行」は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)など年金基金の売買動向を映すとされる部門。「個人・現金」は個人投資家による現物取引の売買動向、「個人・信用」は個人投資家による信用取引の売買動向。
※日銀が金融緩和策の一環として実施しているETF(上場投資信託)の買い入れは、ETFを組成する証券会社の自己売買部門を通じて買い入れているとみられる。
株探ニュース