今週の【早わかり株式市況】反落、世界景気減速懸念が再燃し乱高下

市況
2019年3月30日 6時40分

■今週の相場ポイント

1.日経平均は反落、世界景気減速懸念が再燃しハイボラティリティな週に

2.週初に一時700円を上回る暴落、米長期債急低下で逆イールド発生を嫌気

3.配当権利取りや配当再投資、配当権利落ちなど期末特有の事情が全体に影響

4.英国のEU離脱問題なども投資家心理を左右、不安定な地合いを強いられる

5.週末は上昇、75日線を大きく下に抜ける弱気相場入りのシナリオは回避へ

■週間 市場概況

今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比421円(1.95%)安の2万1205円と反落した。

今週は週初に暴落で幕を開け、市場関係者の間ににわかに警戒感が広がったが、週末にバランスを保ち75日移動平均線は下回らなかったことで、弱気相場突入の動きは回避された。週明けの25日(月)は日経平均が一時700円を超える下落をみせ、大引けも650円安という苛烈な下げに見舞われた。ユーロ圏や米国のPMIが市場見込みを下回るなか、米10年債利回りが急低下し3ヵ月物金利を下回る逆イールド現象が発生、世界景気減速懸念が先物を絡めた売りのトリガーを引く形となった。

しかし、AI取引の影響による一方通行の上げ下げはもはや珍しいことではない。翌26日(火)は前日の反動で451円高と切り返した。この日は3月期末の権利付き最終売買日で、配当権利取り狙いの買いや機関投資家の配当再投資に絡む先物買いなどが全体を押し上げた部分もある。27日(水)は配当権利落ち分が170円強あり、これが下げに反映されたが、それでも49円安で着地し底堅さが意識された。しかし、28日(木)は紛糾する英国のEU離脱問題やトルコの信用不安拡大などを売りの根拠に再び下値を模索、ほぼ全面安商状で一時下げ幅は400円を超えた。そして3月期末最終売買日で注目された29日(金)は、薄商いのなかも日経平均は強調展開をみせ170円あまりの上昇で着地。もし、この日大陰線で2万1000円近辺の75日移動平均線を突き抜けるような形となれば、弱気相場入りを強く印象づけるところであったが、前日の米株高や中国・上海株の急反発などを背景に買いが優勢となり、とりあえず市場関係者も胸をなでおろす週末となった。

■来週のポイント

名実ともに新年度入りする来週は、世界景気減速への懸念再燃で上値が重いだけに2万1000円近辺に位置する75日移動平均線を巡る攻防となりそうだ。

重要イベントとしては、国内では4月1日11時30分に新元号が発表される。そのほか、同日朝に発表される3月日銀短観や5日発表の2月景気動向指数が注目される。海外では1日発表の米国3月ISM製造業景況指数や5日発表の米国3月雇用統計に注視が必要だろう。

■日々の動き(3月25日~3月29日)

【↓】   3月25日(月)―― 650円安・今年最大の下げ幅、世界景気への警戒売り殺到

日経平均 20977.11( -650.23)  売買高13億2784万株 売買代金 2兆3917億円

【↑】   3月26日(火)―― 急反騰、リスクオフ巻き戻しや配当取りで全面高

日経平均 21428.39( +451.28)  売買高17億4104万株 売買代金 3兆2338億円

【↓】   3月27日(水)―― 49円安だが実質プラス圏、配当権利落ち分170円も底堅さ発揮

日経平均 21378.73(  -49.66)  売買高13億1128万株 売買代金 2兆3799億円

【↓】   3月28日(木)―― 大幅続落、米株安や英国のEU離脱問題などを嫌気

日経平均 21033.76( -344.97)  売買高12億2478万株 売買代金 2兆2696億円

【↑】   3月29日(金)―― 3日ぶり反発、米・アジア株高や円安でリスク選好の買い

日経平均 21205.81( +172.05)  売買高11億7475万株 売買代金 2兆0390億円

■セクター・トレンド

(1)全33業種中、28業種が下落

(2)JXTG <5020> など石油・石炭が業種別下落率トップ

(3)三菱UFJ <8306> など銀行、大和 <8601> など証券といった金融株が大きく売られた

(4)三井金 <5706> など非鉄、新日鉄住金 <5401> など鉄鋼、商船三井 <9104> など海運株といった景気敏感株は大幅安

(5)トヨタ <7203> など自動車、オリンパス <7733> など精密機器といった輸出株も軟調

(6)キリンHD <2503> など食料品、JR東海 <9022> など陸運といったディフェンシブ株の一角は値を保つ

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)

1(1) 5G

2(4) 人工知能(AI) ── 株価変貌ステージ第1章突入へ「新AI関連5銘柄」 

3(12) 元号関連 ──── 【北浜流一郎】─ 近づく改元、新元号関連に注目! 

4(10) 全固体電池 ─── 実用化接近で再脚光 

5(9) ソーシャルゲーム

※カッコは前週の順位

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.