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すご腕投資家さんに聞く「銘柄選び」の技 uki5496さんの場合-第2回

特集
2019年4月1日 11時40分

>> uki5496さんの1回目から読む

予想や見立てが狂っても稼ぐ技

登場する銘柄

アップルインターナショナル<2788>

筆者:福島 由恵

金融機関出身のフリーライター。株式、投資信託、不動産投資などを中心とした資産形成に関連する記事執筆を主に担当。相続、税金、ライフプラン関連も数多く執筆。

uki5496uki5496さん(ハンドルネーム・30代・男性)のプロフィール:

サラリーマン投資家で2005年から投資を開始。日本株を中心にバリュー株狙いの「負けにくい」堅実派投資を行う。(1)割安(2)業績進捗が良好(3)高配当利回り(4)この先の変化が期待できる、――の4項目を重視。対TOPIXでは平均プラス10%の勝ちを続け(06年の1年だけ負け)、順調に資産を拡大。現在の金融資産は9000万円台。

直近14年間に対TOPIXで13勝1敗という好成績を打ち出しているuki5496さん(ハンドルネーム、以下、ukiさん)。第1回目の記事では、ukiさんが徹底したバリュー投資で、標榜する「負けない投資」を実現してきた手法について解説した。

2回目の今回は、ukiさんの特徴である「数字への徹底したこだわり」について見ていく。こういう数字を押さえておけば、好決算に惑わされることなく実態の見極めができるという好例だ。

詳細に入る前にukiさんの銘柄選びのポイントをおさらいしよう。

注目要素は

A「割安」

B「業績進捗率」

C「高配当」

D「カタリスト」

――の4つになる。

Aの割安ではPER(株価収益率)とPBR(株価純資産倍率)を掛け合わせたミックス係数が10以下、そしてC「高配当」は配当利回り3~4%を目安にしている。Dのカタリストには新商品の開発や発売、新技術の開発や実用化、M&A(合併・買収)、経営体制の変革、不採算事業からの撤退、株主還元の強化などが該当する。

上の4つのうち、AとCが割安判断、BとDがバリュー投資で重要な割安の罠(バリュートラップ)にはまらないための要素になる。

中古車買い取りのアップルインターでこだわっていた数字とは

数字へのこだわりで参考になる最近の取引銘柄が、中古車買い取り専門店チェーンを展開するアップルインターナショナル<2788>(以下、アップルインター)だ。同社株は2016年2月頃から18年2月にかけて投資している。目を付けた理由は大きく3つ。

1つ目は割安で、当時のミックス係数が3(PER5倍xPBR0.6倍)と、割安度が際立っていたこと。

2つ目はカタリストで、不採算事業となっていた中国でのビジネスから撤退し、国内や成長期待の高いタイでのビジネスに注力することで利益改善の見込みがある点だ。

3つ目はukiさんと交流があり、資産バリュー投資家として知られている有力投資家も注目していた銘柄だったことだ。

中国事業撤退の方針は15年9月の決算説明資料に記載されている。ukiさんは決算書類から14年12月時点で14社あった子会社が、1年後の15年12月時点で9社、その後も四半期決算ごとに清算が進んでいたことを確認していた。加えてIRへの質問を通じて、16年中には不採算事業の清算を終えて17年以降は攻めの経営にシフトする可能性が高いと考え、投資を決断した。

ただアップルインター株の取引で参考になるのは、「買い」よりもむしろ「売り」、すなわち出口戦略だ。投資である以上、当初に立てた予想や期待が崩れることは避けられない。見立て通りに経過、進捗しているのかをチェックする上で何に注目し、それが崩れた場合でも銘柄選びの柱を持っていれば“結果オーライ”に導ける! そのことを教えてくれるのが今回のケースだ。

■アップルインターの週足チャート(16年初頭から18年夏)

アップルインターの週足チャート

具体的に見ていこう。紹介したようにukiさんは、購入時に「不採算事業の撤退で成長事業の強化による業績伸長が進む」と見立てた。その進捗を端的に計る材料が四半期決算だ。だがukiさんが注目した数字は決算短信には書かれていなかった。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。

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