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2019年5月9日 19時30分
特集

“骨太2019”で新たな活躍舞台、躍り出す「健康増進関連株」 <株探トップ特集>

―健康投資の所得税控除検討で、健康づくりに関連する銘柄にマーケットの視線集まる―

自民党の加藤勝信総務会長や世耕弘成経済産業大臣らの勉強会が4月10日、スポーツクラブに継続的に通うための費用について所得税から一部控除するなどの提言をまとめた。病気予防や健康づくりを促すことで、「健康寿命」を伸ばし、社会保障制度の支え手を増やすのが狙いとみられ、政府の「骨太の方針2019」への反映を目指すという。

政府が病気の予防や健康づくりを促すことは、これに関連する企業のビジネス拡大にもつながる。今夏には政府が「健康寿命延伸プラン」を策定することからも、企業の「健康投資」に関連する銘柄には改めて注目が必要だ。

●健康づくりを財源や給付面で後押し

勉強会がまとめた提言では、「予防・健康づくりを、年金、医療、介護、子育てに並ぶ、社会保障のいわば『第5分野』と位置づけ、財源や給付面などにおける制度化を目指すべき」と主張。「企業の健康投資の見える化と健康投資を促進する税制措置の検討」や「個人の健康投資を促進する税制措置の検討」などを政府・与党に求めるとしている。人口が減少するなかでも、健康で長く活躍する人が増えれば社会保険料を払う就労者が増え、社会保障制度の持続可能性が高まるという考えだ。

一方、企業にとっても、生産年齢人口が減少するなか、人的資本である従業員の生産性向上を促す健康投資の重要性が増している。従業員が健康に働くことが生産性の向上につながるほか、従業員の健康投資に積極的な企業の姿勢が従業員満足度を高め、顧客満足度の向上を後押し。それにより顧客からの信頼向上やひいては企業の価値向上につながるという見方もある。

●社会的にも関心高まる「健康経営企業」

経済産業省は今年2月、第3回「健康経営優良法人2019」として、大規模法人820法人、中小規模法人2503法人を認定した。同制度は、地域の健康課題に即した取り組みや日本健康会議が進める健康増進の取り組みをもとに、特に優良な従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組む「健康経営」を実践している法人を顕彰する制度で、高齢化による社会保障費用の増加を抑制する施策の一つでもある。

また株式市場でも、企業の健康への取り組みに関心が高まりつつある。東京証券取引所は経済産業省と共同で「健康経営銘柄」を選定しており、5年目となる19年は日本水産 <1332> 、西松建設 <1820> 、味の素 <2802> 、ワコールホールディングス <3591> 、大王製紙 <3880> 、花王 <4452> 、塩野義製薬 <4507> など28業種37社を選定した。長期的な視点から企業価値の向上を重視する投資家にこうした企業を紹介することで、健康経営に取り組む企業が社会的に評価されることを目指しているという。

●福利厚生代行企業に注目

健康経営企業への関心の高まりは、企業の健康投資を支援する企業のビジネスチャンスにつながる。まず注目されるのは、企業の福利厚生 を代行する企業だ。

ベネフィット・ワン <2412> は5月8日、100%子会社ベネフィットワン・ヘルスケア(BOHC)を吸収合併すると発表した。BOHCは健診予約サービスをはじめ健診データ管理、特定保健指導など疾病予防に関するワンストップサービスを提供しているが、吸収合併することで健康関連のサービスと福利厚生をワンストップで提供し顧客企業の健康経営を支援するのが狙いという。

同社が同日に発表した19年3月期連結決算は、営業利益76億4100万円(前の期比22%増)で、20年3月期は同90億円(前期比18%増)を見込む。前期はヘルスケア分野の売上高が前の期比32%増と伸長し業績拡大に寄与。今期も福利厚生との連携強化により前期比17%増を見込み、業績を牽引する。

●スポーツクラブは好業績相次ぐ

また、健康増進で注目されるのはスポーツクラブだ。

ルネサンス <2378> は、エネルギーコストの上昇や新規出店の増加に伴う経費の増加などが利益を圧迫し、19年3月期連結営業利益は37億8200万円(前期比7%減)と減益だったが、20年3月期は同41億5000万円(同10%増)と回復を見込む。

同社では、既存施設の在籍会員数の前年割れが課題となっていたが、前期に27施設の改装・設備更新を行ったほか、ジムの24時間営業化を含む営業時間の延長やホットヨガプログラムに対応したスタジオの拡充などの実施で解消。今期は2店の新規出店も計画されており、増益に寄与する見通しだ。また、前期は住友生命保険の健康増進型保険に関してパートナー契約を締結しており、会員獲得につながっている。

東祥 <8920> の19年3月期連結営業利益は71億6400万円(前の期比9%増)となった。主力のスポーツクラブ事業は9店舗を新規に出店。前期に開業した9店舗のフル稼働もあって同事業の売上高は前期比11%増と伸長した。

20年3月期は、現時点でスポーツクラブ8店舗の出店を計画(うち1店は開業済み)しており、同事業は8%増収を見込む。これを牽引役に連結営業利益79億円(前期比10%増)を見込んでおり、年間配当は1円増配の16円を予定している。

コシダカホールディングス <2157> の女性向けフィットネスクラブ「カーブス」は19年8月期上期に34店舗を出店し、国内1946店舗を数えるまでに拡大。同事業の上期売上高は前年同期比1%増の138億6300万円になった。

今後も出店を継続するが、注目は男性向け「メンズ・カーブス」と世界戦略。メンズ・カーブスは昨年11月、長野県に1号店を開業したが、今年中に2店舗目の出店を予定し多店舗展開も検討しているという。また、世界戦略も具体的な戦略を策定中としており、今後の展開が注目される。

●ソフト面からも健康経営を支援

このほか、ソフトウェア面から健康経営にアプローチしているのが、日本ユニシス <8056> だ。同社は今年3月、健康経営に取り組む企業を支援するため、「健康経営プラットフォーム」の実証を東京地下鉄(東京メトロ、東京都台東区)で開始すると発表した。ライフログテクノロジー(東京都港区)の画像分析AIテクノロジーを駆使した個人向けヘルスケアアプリ「カロミル」を活用し、従業員が食事の写真やバイタル情報を登録することで、企業が従業員の健康状態を把握し、体調や体質の向上改善を促すことができるという。

更にスポーツ・健康関連施設向け管理ソフトが成長しているシステム ディ <3804> [JQ]や、「健康増進プログラム」を自治体などに提案するRIZAPグループ <2928> [札証A]にも注目。また、メットライフ生命保険(東京都千代田区)と「健康増進型保険」の企画・開発・提供などで業務提携するディー・エヌ・エー <2432> も関連銘柄といえる。

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