【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ “ファーウェイ後”の相場回復に先手!
「“ファーウェイ後”の相場回復に先手!」
●ファーウェイ問題の織り込み進む
せっかく落ち着きかけていた東京市場の雲行きが、再びあやしくなってきている。米中貿易協議が頓挫したままなのに、ファーウェイ問題の積み増しだ。
すでに報じられているように、トランプ米政権はファーウェイの排除に本腰を入れ始めている。同社との取引を一切禁止する方針を明確にしたことで、内外の株式市場は震度3~7の揺れといったところだ。
ファーウェイが実際に安全保障上、どれだけの脅威なのか判断は困難だ。そのため、トランプ米政権の判断が正しいのかどうかも不明ながら、ファーウェイと取引のある企業は、一斉に同社から身を引きつつある。
市場はそれを懸念して下げていることになるが、この問題、いつまで引きずるのか。すでに、株式市場はかなりの程度までネガティブ材料を織り込んだと見てよい。
幸い、ファーウェイは上場企業ではない。従業員全員が株主という特殊持ち株会社であるため、株価の下落がない。そのため、市場への直接的な影響がないのは好ましい。
たとえば、アップルが同様の立場に置かれたとしよう。その場合、同社株はいつまでも下げ止まらない。こうなると市場全体もそれに同調してしまいかねない。
ファーウェイではそんなことは起きないものの、経営破綻の可能性もないではない。そのため安心はしていられないが、他の上場大手企業が窮地に陥るのとはまた異なる。この点をしっかりと押さえておきたい。
●大揺れのポイントが懸念のピーク
その上で、いまは「ファーウェイ問題」後を考えた投資を行いたい。どうなるか展開が読みにくい中で、そんなことなど考えられるか。こういう声もあるだろうが、株式市場ではある問題で市場が大揺れに揺れた場合、そこが問題に対する懸念のピークになるのが普通。
そのため、しばらくすると何事もなかったかのように上昇が始まる。こうなることが多く、ファーウェイ問題も同様の道筋をたどる可能性が高い。
それに、日本のハイテク部品企業にとってファーウェイは大事な顧客ではあっただろうが、同社だけが顧客というわけではない。他に優良顧客が大量に存在するはずで、この点でも影響は限定的と見てよい。
そこで、ここはやはりリバウンド銘柄狙いに熱心になりたいところであり、対象はもちろんファーウェイ問題で急落した銘柄群になる。
具体的には、まずは下落一方となった村田製作所 <6981> 、三菱電機 <6503> 、ローム <6963> 、アルプスアルパイン <6770> 、TDK <6762> などになる。なお、これらは必ずしもファーウェイと取引があるわけではない。単に関連株に連動安している銘柄も含まれることをお断りしておきたい。
ファーウェイ排除による恩恵を受ける可能性が高い銘柄もあり、それがNEC <6701> になる。
この問題を離れた観点からは、ハウス食品グループ本社 <2810> 、EduLab <4427> [東証M]が魅力的だ。
2019年5月24日 記
株探ニュース