中小型株資金シフトで動意前夜、「東証2部」の“好実態株”に勝機あり! <株探トップ特集>
―先物の指数取引に振り回される東証1部を横目に“個別株投資”を堪能できる2部株に注目―
28日の東京株式市場は、前日の米国株市場は休場だったものの、欧州株が上昇したことなどが安心材料となり、朝方から自動車株や電子部品などハイテク株に買いが先行し、日経平均株価は前日比で小幅高の推移となった。こうしたなか、株価指数先物取引がなく、全体相場の変動に個別銘柄の株価形成が必要以上に左右されない東証2部上場の好業績・割安銘柄に注目した。
●KHC、独自ブランド構築によるマルチ戦略を展開
兵庫県中心に建設・不動産事業を展開するKHC <1451> [東証2]が8日に発表した20年3月期の連結業績予想は、売上高142億4300万円(前期比6.6%増)、経常利益8億7100万円(同18.2%増)、最終利益5億6500万円(同16.7%増)と2期ぶりに最高益を更新する見込み。また、年間配当は19年3月期に前の期比4円増配の40円、20年3月期には更に4円増の44円と連続増配を計画している。住宅市場では、連結子会社5社がそれぞれの特色をいかした独自のブランドを構築するマルチブランド戦略と、成長戦略としてのエリア拡大および顧客層の拡大により地域でのマーケットを確立し、長期的に成長することを経営戦略としている。
●中西製作所、大型システム機器や環境配慮の省エネ製品開発に注力
業務用厨房機器大手の中西製作所 <5941> [東証2]は15日、20年3月期の単体業績予想を発表した。売上高292億円(前期比14.1%増)、経常利益18億円(同32.8%増)と予想している。同社は、人手不足感が強まり、業務の合理化に対する意識が高まってきた国内市場のトレンドをとらえ、合理的な大型システム機器や環境にも配慮した省エネタイプの製品開発などに力を注ぎながら、主要販売先である学校・病院・事業所・外食産業分野への厨房システムの販売力強化に向けて、営業部門、生産部門および管理部門の各部門が一体となって取り組む。
●明治機械、配合飼料設備受注拡大で大幅経常増益を見込む
製粉、飼料設備でトップの明治機械 <6334> [東証2]が14日に発表した20年3月期業績予想は、売上高87億円(前期比9.2%増)、経常利益4億9000万円(同3.2倍)と大幅増益を見込んでいる。今期は飼料業界で工場集約を伴う再編が本格化するなか、配合飼料設備の新工場建設や増設工事などの大型案件の受注が拡大する。コンビニ・立ち食いチェーンのそば、同じく米粉などの需要が伸びており、連結子会社の柳原製粉機との共同開発製品を含め各種の新工場建設工事や設備改造工事に関して提案を強化していく。
●コマニー、高耐震間仕切「シンクロン」など高付加価値商品で訴求
間仕切りで国内トップ級のコマニー <7945> [東証2]は4月26日、20年3月期の連結業績予想を発表した。売上高353億円(前期比2.9%増)、経常利益22億8000万円(同69.9%増)を見込んでいる。パーティション市場では、政府が推奨する「生産性革命」や「働き方改革」など、人が働く環境変化への取り組みが待ったなしとなるなか、同社は各市場に求められる新たな価値を創造し、提案できるよう研究開発を進めていく。更に、高耐震間仕切「シンクロン」をはじめとした高付加価値商品の訴求により、企業のBCP(事業継続計画)対策など、顧客の安心・安全に貢献することで拡販を図る。
●カネヨウ、寝装用原料事業や寝装インテリア事業が堅調に推移
寝装具、インテリア、生活雑貨専門商社のカネヨウ <3209> [東証2]は13日、20年3月期通期の単独業績予想を公表した。売上高は140億円(前期比3.1%増)、経常利益は1億7000万円(同68.4%増)を見込み、復配(25円)を計画している。寝装用原料事業や寝装インテリア事業が堅調に推移するとみているほか、前年に苦戦を強いられた原料テキスタイル事業の改善を見込んでいる。なお、前提為替レートは1ドル=110円、1ユーロ=130円としている。
●川本産業、医療用品など製造事業の着実な拡大を目指す
医療用衛生材料大手の川本産業 <3604> [東証2]は9日、20年3月期の連結業績予想を発表した。売上高260億円(前期比10.2%増)、経常利益3億5000万円(同4.4倍)を見込んでいる。医療用品など製造事業の売上高の着実な拡大を目的として、19年1月1日付で組織の再編を実施した。戦略的な販売促進と口腔ケア製品・手術関連製品・感染管理製品を拡販する目的としてマーケティング本部内に販売推進部を新設している。更に、これまで以上に効率的で高品質な生産体制を確立するために積極的な投資を図るとともに、品質保証体制の着実な運用を通じて顧客の信頼に応える品質確保に努力する。
●鶴弥、製品PRへの注力で採用件数の増加を目指す
陶器瓦専業メーカーの鶴弥 <5386> [東証2]は7日に、20年3月期通期の単独業績予想を公表した。売上高90億円(前期比8.4%増)、経常利益5億円(同67.2%増)とし、年間配当計画を前期比2円50銭増配の15円と見込んでいる。製品のPRに注力することで採用件数の増加を目指すほか、コスト削減を図るとともに、受注生産方式を発展させることで経営体質を一層強化する。
●アシードHD、ソフトパウチ飲料で新たな顧客層獲得に注力
飲料・食品自販機オペレーターのアシードホールディングス <9959> [東証2]は9日、20年3月期の連結業績予想を発表した。売上高283億円(前期比1.2%増)、経常利益8億4000万円(同16.1%増)を見込む。自販機リテイル事業では機能性を追求して、アシード飲料自販機にカップコーヒーや食品・物販などの自販機をセットにした「スマートストア」の更なる強化を図るとともに、業界再編に向けたアライアンスやM&Aを積極的に進める。飲料製造事業では好調なRTD(低アルコール飲料)の更なる強化を図り、ソフトパウチ飲料では新たな顧客層の獲得に注力する。また、ベトナムおよびタイで現地企業への事業投資や業務提携により飲料の製造・販売を強化する。
◆東証2部の主な大幅増益予想の割安銘柄◆
銘柄 <コード> 経常増益率 株価 PER
KHC <1451> 18.2 726 5.0
日本リーテック <1938> 12.7 1467 10.0
サンテック <1960> 88.0 679 9.0
日和産業 <2055> 64.3 262 12.7
ハイパー <3054> 14.9 448 16.1
カネヨウ <3209> 70.0 723 8.5
ケー・エフ・シー <3420> 23.0 1548 6.0
川本産業 <3604> 4.4 390 9.4
マナック <4364> 21.2 506 12.0
広栄化学 <4367> 10.2 1600 7.1
SDSバイオ <4952> 41.7 857 6.0
寺岡製作所 <4987> 10.5 471 10.2
セメダイン <4999> 28.5 825 12.3
鶴弥 <5386> 67.2 426 9.6
不二サッシ <5940> 16.9 86 13.6
中西製作所 <5941> 32.8 1075 6.0
フジマック <5965> 10.1 734 5.7
ファインシンター <5994> 29.9 2217 8.9
ダイハツディーゼル <6023> 16.5 622 9.4
明治機械 <6334> 3.2倍 291 7.4
大水 <7538> 48.8 223 7.0
コマニー <7945> 70.0 1367 8.1
あかつき本社 <8737> 25.5 292 7.3
アシードHD <9959> 16.2 630 13.9
※株価は28日終値、単位:%、円、倍
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