話題株ピックアップ【夕刊】(1):日本通信、楽天、ソフトバンクG
■日本通信 <9424> 196円 +39 円 (+24.8%) 本日終値 東証1部 上昇率トップ
日本通信<9424>が上値指向を強めている。株価200円未満と低位に位置することで、個人投資家の短期回転売買の対象として人気化している。5月中旬に米連邦通信委員会から米国5G(CBRS)の商用基地局に関する認可を取得したことが人気化の起点となったが、流動性が高まるなか既に材料株特有の需給相場の様相をみせている。信用残は売り残が急増し売り買いがっぷり四つ、5月末申し込み現在で信用倍率1.27倍と拮抗している。また、日証金では株不足の状態で貸株制限がかけられている状況。
■サイボウズ <4776> 1,205円 +62 円 (+5.4%) 本日終値 東証1部 上昇率10位
サイボウズ<4776>が大幅高、年初来高値を更新した。時価は2006年8月以来約12年10カ月ぶりの高値圏にある。旺盛な企業のIT投資需要が、パッケージソフトやクラウドサービスを展開する同社の業績にも追い風となっている。得意とするグループウェアは高い競争力でシェアを伸ばしており、安倍政権が掲げる「働き方改革」を背景とした業務効率化のニーズを取り込んでいる。ここ、株式市場では主力輸出株の上値が重いなか、内需のIT系銘柄が注目されているが、特にクラウド関連の株価再評価が進んでおり、同社もその典型的な銘柄のひとつに挙げられる。
■楽天 <4755> 1,168円 +52 円 (+4.7%) 本日終値
楽天<4755>が反発。グループの楽天ペイメントは5日、キャッシュレス化の推進に向けてJR東日本<9020>と連携すると発表。これによるユーザー数の拡大などが期待されているようだ。両社の連携により、楽天ペイメントが運営するスマホアプリ「楽天ペイ」アプリ内で、JR東日本が提供する交通系ICカード「Suica」の発行やチャージができるほか、全国の鉄道約5000駅、バス約5万台に加え、交通系電子マネーとして約60万店舗での支払いが可能。開始時期は2020年春を予定している。
■Jエレベータ <6544> 2,192円 +84 円 (+4.0%) 本日終値
ジャパンエレベーターサービスホールディングス<6544>が大幅続伸。同社はエレベーターやエスカレーターの保守・保全や、リニューアルを展開するが、高い技術力と価格競争力を武器にシェアを伸ばしている。20年3月期は営業利益段階で前期比13%増の23億円を見込む。エレベーターでは保守事業が好調なほか、制御盤のみを交換する手法で工期短縮の実現とコストを大幅に抑えた「クイック・リニューアル」が需要を捉えており、業績への貢献が期待される状況にある。
■ファイバーゲート <9450> 3,560円 +120 円 (+3.5%) 本日終値
ファイバーゲート<9450>は大幅高。同社は5日の取引終了後、東京証券取引所の承認を受けて、6月14日付で東証マザーズから東証1部へ市場変更されることになったと発表した。同社は、集合住宅や商業施設向けにWi-Fi環境の構築・運用などのサービスを提供しており、19年6月期連結業績予想は売上高54億円(前期比35.8%増)、経常利益8億5300万円(同67.3%増)を見込む。また、19年6月30日時点の株主から株主優待制度を一部変更する。現行制度では毎年6月30日時点で1単元(100株)以上を保有する株主に対して一律でクオカード2000円分を贈呈していたが、新制度では保有株数と保有期間に応じてクオカード2000円分~4000円分を贈呈するとしている。さらに、6月13日に15万7200株の立会外分売を実施すると発表した。市場変更における形式要件の充足を目的としており、分売値段は分売実施日前日の終値もしくは最終気配値を基準として決定する予定。また、買付申込数量の限度は顧客1人につき200株としている。
■アカツキ <3932> 5,670円 +190 円 (+3.5%) 本日終値
アカツキ<3932>が続伸、25日移動平均線を上放れつつある。スマートフォンゲームの開発・運営を手掛け、「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」が国内外で好調で収益を牽引している。また「ロマンシングサガ リ・ユニバース」なども好調で今後に期待が大きい19年3月期は営業利益段階で前期比29%増の136億3500万円と大幅な伸びを示した。20年3月期業績予想について会社側は未開示ながら、増収増益が市場コンセンサスとなっている。
■日本システムウエア <9739> 2,596円 +84 円 (+3.3%) 本日終値
NSW<9739>が上値追い継続、連日の年初来高値更新と強さを発揮している。独立系のシステムインテグレーターで組み込みソフトやデバイス設計で強みを持つ。現場で書き換え可能な電子回路FPGAにヘイズ・リダクションという画像処理ソフトを実装し、フルハイビジョンサイズの動画で鮮明化した映像を送る技術が注目されるなど、同社の画像AI分野のノウハウは5G時代に活躍余地が高い。業績も好調で19年3月期の営業14%増益に続き、20年3月期も前期比4.4%増の35億円を見込む。
■ソフトバンクグループ <9984> 9,882円 +303 円 (+3.2%) 本日終値
ソフトバンクグループ<9984>が続伸、5日移動平均線とのマイナスカイ離を解消し底入れの気配をみせている。同社が出資する米配車サービス大手ウーバーテクノロジーズの株価が米株市場で戻り歩調を強めている。前日、ウーバーの株価は5月10日上場後初めて公開価格を上回った。これを受けてソフトバンクグループは含み益拡大への期待がポジティブ材料となった。
■ファーストリテイリング <9983> 64,080円 +1,770 円 (+2.8%) 本日終値
ファーストリテイリング<9983>が大きく買われ、日経平均を押し上げる形となった。市場では「特に材料に反応して上げているわけではないが、前日の下げと同様で先物を絡めたインデックス売買の影響。前日分のショートカバーが反映されている。特に全体相場の出来高がきょうは低調で、これが同社株の存在を際立たせている意味もある」(国内ネット証券アナリスト)と指摘されていた。
■フィックスターズ <3687> 1,856円 +48 円 (+2.7%) 本日終値
フィックスターズ<3687>が買い人気が継続、1800円台後半に歩を進め年初来高値を更新した。株価は18年3月につけた上場来高値2080円(株式分割後修正値)も視界に捉えている。マルチコアプロセッサーの高速化ソフトを開発し、高速化に特化した企業としては国内で競合他社がいないという状況にあり、リピートオーダー率がほぼ100%という実績が光る。各種アニーリングマシンを活用した量子コンピューター導入支援ビジネスを展開していることもポイント。会社側では「量子コンピューターは選択肢のひとつで顧客ニーズがあれば対応するが、当社の立場として推奨しているわけではない」としているが、同分野の関連最右翼として株式市場でも注目度が高い。
株探ニュース