話題株ピックアップ【夕刊】(2):第一三共、資生堂、JR東日本

注目
2019年6月6日 15時16分

■薬王堂 <3385>  2,254円  +42 円 (+1.9%)  本日終値

ドラッグストアを展開する薬王堂<3385>が続伸。同社は5日取引終了後に、5月度の月次速報を公表。既存店売上高が前年同月比5.2%増となったことが好感されたようだ。既存店の客単価は前年同月比0.3%減となったが、客数が同5.5%増と伸びたことが寄与した。なお、全店ベースの売上高は同11.5%増となっている。

■第一三共 <4568>  5,989円  +101 円 (+1.7%)  本日終値

第一三共<4568>は最高値街道を走る展開。時価は未踏の6000円大台乗せを目前に捉えている。製薬大手で薬価改定の向かい風に晒されているものの、がん治療分野では非小細胞肺がん治療薬「DS-1062」と「U3-1402」の開発に対する期待が株価を押し上げている。信用買い残も軽く、直近5月31日申し込み現在の信用倍率は1.25倍、日証金では逆日歩がつく状況にある。

■資生堂 <4911>  7,910円  +105 円 (+1.4%)  本日終値

資生堂<4911>、花王<4452>がいずれも買い優勢の展開。米中貿易摩擦に対する懸念はくすぶるものの、中国政府高官が米中対話に前向きな姿勢を示したこともあって、足もと行き過ぎた警戒感が後退した。売り上げの中国依存比率の高い両銘柄も、ここ思惑先行で売られていた反動が出ている。資生堂は世界最大のドラッグチェーンであるワトソンズグループと戦略的提携を締結し今後の動向に期待がかかるほか、花王は独自開発の皮脂による肌の分析技術を公表し注目を集めるなど、両銘柄とも株価刺激材料が相次いでいる。

■JR東日本 <9020>  10,485円  +110 円 (+1.1%)  本日終値

JR3社が高い。JR東日本<9020>やJR東海<9022>が値を上げJR西日本<9021>は年初来高値を更新している。米中貿易摩擦や米国によるメキシコへの追加関税の動きなど外部環境に不透明感が強まるなか、「世界的にみて投資資金はディフェンシブ株にシフトしている」(市場関係者)という。JR東日本の20年3月期の連結純利益は前期比2%増の3010億円と最高益が見込まれるなど、JR各社の業績は堅調なことも見直し要因となっている。

■デジタルアーツ <2326>  8,900円  +70 円 (+0.8%)  本日終値

デジタルアーツ<2326>が続伸。サイバー攻撃に対する脅威が高まるなか、最近は標的型攻撃の件数が増加しており、この対応が喫緊の課題となっている。同社は閲覧制限ソフトなどセキュリティー関連を手掛けており、主力製品のバージョンアップにより標的型攻撃への対応が可能となったことで、現在の物色テーマに乗っている。業績も好調で、営業利益は19年3月期38%増益に続き、20年3月期も26%増益予想と高成長が続く見通し。

■SUBARU <7270>  2,608.5円  +16.5 円 (+0.6%)  本日終値

SUBARU<7270>が強含む動き。同社はきょう、トヨタ自動車<7203>と中・大型乗用車向けの電気自動車(EV)専用プラットフォーム、及びCセグメントクラスのSUVモデルのEVを共同開発することで合意したと発表。両社は2005年に業務提携について合意して以降、12年には共同開発したスポーツカーを販売し、18年にはトヨタの持つハイブリッド車技術に関する知見を活用したSUBARUオリジナルのプラグイン・ハイブリッド車を米国で販売するなど、開発・生産・販売などさまざまな分野で協業を推進している。今回合意したEV専用プラットフォーム・車両の共同開発では、トヨタの電動化技術やSUBARUの全輪駆動技術など両社の強みを持ち寄り、開発した車両は各々のブランドで販売する予定だとしている。

■LINE <3938>  3,060円  +10 円 (+0.3%)  本日終値

LINE<3938>が続伸。5月以降に下値模索の動きを強め株価水準を大きく切り下げてきたが、目先値ごろ感からの買い戻しが入った。市場では「子会社で展開するLINEペイが先行投資負担で同社の業績に影を落としている。きょうは米ビザと包括的な提携を結んだことを発表しており、これが反転の足掛かりとなった。ただ、上値では戻り売りの圧力が強い」(国内証券アナリスト)という。

■トヨタ自動車 <7203>  6,547円  +17 円 (+0.3%)  本日終値

トヨタ自動車<7203>は3日続伸。米国とメキシコの不法移民の流入を巡る協議が不調に終わったとの報道を受け外国為替市場で円が買われ、朝方に1ドル=108円10銭台までドル安・円高に振れた。自動車セクターにはマイナス材料として警戒されたが、その後は再びドルが買い戻され1ドル=108円40銭近辺まで円安方向に押し戻されている。トヨタの今期想定為替レートよりは円高ながら、1ドル=108円台の推移であれば目先の株価には織り込みが進んだとみられる。日米通商交渉では合意は先延ばしとなっているものの、当面米国による自動車関税の引き上げの動きは封印されそうで、これも同社株にとっては安心材料となった。

■クボタ <6326>  1,699.5円  +2.5 円 (+0.2%)  本日終値

クボタ<6326>が3日続伸。SMBC日興証券は5日、同社株の投資評価を「2」から「1」へ引き上げた。目標株価は1700円から2000円に見直した。同証券では19年12月期の連結営業利益を従来予想の2013億円から前期比13.6%増の2150億円(会社計画2000億円)、20年12月期の同利益を2050億円から2186億円(今期推定比1.7%増)に増額修正した。同証券では、従来は金利上昇シナリオをベースに今期はインセンティブ率が悪化することを予想していたが、米金利低下が収益改善要因に働くと指摘。また、北米建機事業は堅調であり、米国景気と金利低下を追い風に今期業績は会社計画を上回るとみている。

■セリア <2782>  2,497円  -166 円 (-6.2%)  本日終値

セリア<2782>が急反落。株価は2500円台を割り込み株式分割を考慮した実質ベースで15年12月以来、4年半ぶりの水準に売られた。5日引け後に発表された5月度の既存売上高は前年同月比で1.3%減と、4月の2.8%減に続きと前年割れとなった。新規店舗を含めた全社ベース売上高も同5.0%増にとどまり、会社側が打ち出している20年3月期売上高計画の同7.3%増に対する未達が懸念され、失望売りが出ているようだ。中部地方を軸に100円ショップを全国展開する同社は、高い商品開発力や積極的な店舗展開で業績を拡大してきたが、最近ではその成長戦略に陰りが見えていることが懸念されている。

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