12日の香港市場概況:ハンセン1.7%安で5日ぶり反落、舜宇光学6.1%下落

市況
2019年6月12日 18時00分

12日の香港市場は大幅に値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比480.88ポイント(1.73%)安の27308.46ポイントと5日ぶり、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が125.35ポイント(1.18%)安の10494.78ポイントと3日ぶりに反落した。売買代金は769億9800万香港ドルに縮小している(11日は916億200万香港ドル)。

香港域内の政治混乱が逆風。中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案の審議が12日に再開されるなか、大規模な反対デモが続いている。デモ参加者は香港中心部の幹線道道路を占拠する状況。一部の銀行支店などは営業を停止した。「香港で不動産投資する高銀金融(530/HK)は、社会的混乱を懸念して啓徳空港の跡地開発を断念した」と伝えられるなど、経済的な悪影響もみられている。また、トランプ米大統領は、香港の条例改正案に「重大な懸念」を表明。中国側は、「香港の改正案審議は内政問題だ」と反発している。

米中貿易問題の警戒感も改めて意識された。中国外交部は11日、「米国が貿易摩擦を激化させる動きに出れば、自国は断固として対応する」と述べている。トランプ大統領はこれに先立つ10日、20カ国・地域(G20)首脳会合(大阪サミット)で習近平国家主席が会談に応じなかった場合、新たな対中関税「第4弾」を直ちに発動すると警告した。なお、朝方公表された5月の中国物価統計は、事前予想通りで着地している。

ハンセン指数の構成銘柄はほぼ全面安(50のうち49が下落)。なかでも、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が6.1%安と下げが目立った。製品販売の減速がマイナス。5月のスマートフォン用レンズ出荷数は前年同月比で38.7%増加したものの、伸び率は前月(59.9%)から減速した。

業種別では、香港地盤の不動産や金融が安い。九龍倉置業地産投資(1997/HK)が5.2%、新世界発展(17/HK)が4.8%、新鴻基地産発展(16/HK)と信和置業(83/HK)がそろって3.1%、申万宏源香港(218/HK)が4.6%、恒生銀行(ハンセン銀行:11/HK)が2.0%ずつ下落した。

自動車セクターもさえない。北京汽車(1958/HK)が3.1%安、吉利汽車HD(175/HK)が2.9%安、東風汽車集団(489/HK)が2.0%安、比亜迪(BYD:1211/HK)が1.8%安で引けた。販売低迷を不安視。全国乗用車市場信息聯席会(乗聯会)が11日報告した月次統計では、新車販売は12カ月連続で前年割れだった。

半面、希土類製品・耐火材大手の中国稀土HD(チャイナ・レア・アース:769/HK)は6.7%高と急伸。「レアアース輸出規制」の準備が進んでいると伝わるなか、戦略物資としての価値が再認識された。

一方、本土市場は3日ぶり反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.56%安の2909.38ポイントで取引を終えた。前日に急伸した保険株が下げを主導。自動車株、不動産株、海運・港湾株、食品・飲料株、ハイテク株、医薬品株なども売られた。半面、レアアース・非鉄株、農業関連株は物色されている。

【亜州IR】

《FA》

提供:フィスコ

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