来週の株式相場見通し=円高警戒で上値重い、FOMCの内容を注視
来週(17~21日)の東京株式市場は、米連邦公開市場委員会(FOMC)の内容に左右される展開となりそうだ。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は4日、通商問題などが米国経済の見通しに及ぼす影響をFRBは注意深く見守っており「適切に行動するつもりだ」と述べた。しかし、トランプ米大統領はFRBに対する利下げ圧力を緩めておらず、今回のFOMCでパウエル議長が示す緩和スタンスに関心が集まる。
一方で、今月28、29日に大阪で開催される20カ国・地域(G20)首脳会議に向けて米中首脳会談の日程が浮上した場合は、米中貿易交渉の進展期待が高まり、買い支援材料となりそうだ。
市場関係者からは「FOMCで、7月を含め年内2度の利下げが示唆されることになれば、米株式市場にとっては追い風となる。ただ、外国為替市場ではドル安・円高進行が想定され、日本の輸出関連企業には業績圧迫要因となり、日経平均株価にとっては強弱材料が内包される不透明さがある。主力輸出企業の想定為替レートの平均とされる1ドル=108円台から更に円高・ドル安が進行すると、業績悪化懸念が深刻化しそうだ」との見方が出ていた。売買代金の低迷や、上値の重さは来週も続きそうで、日経平均の想定レンジは2万600~2万1300円とする。
14日の東京株式市場は、朝方は前日終値を挟んで売り買いを交錯させていたが、その後は徐々に買いが優勢となり、2万1000円台で売りをこなす展開となった。日経平均株価終値は前日比84円89銭高の2万1116円89銭と3日ぶりに反発した。東証1部の売買代金は2兆18億円と2兆円を超えたものの、きょうが6月限日経平均先物・オプションの最終決済に関わるSQ(特別清算指数)値の算出日であることを考慮すると、実質的には極端な薄商いが続いている。
日程面では、5月の首都圏新規マンション発売(17日)、5月の貿易統計、5月の訪日外国人客数(19日)、日銀金融政策決定会合(19~20日)、黒田日銀総裁会見、4月の全産業活動指数、5月のコンビニエンスストア売上高(20日)、5月の消費者物価指数(21日)に注目。
海外では、米6月のNY連銀製造業景気指数(17日)、米5月の住宅着工件数(18日)、FOMC(18~19日)、パウエルFRB議長会見(19日)、米1~3月期の経常収支、米5月のCB景気先行総合指数(20日)、EU首脳会議(20~21日)、米5月の中古住宅販売件数(21日)が焦点となる。(冨田康夫)
出所:みんなの株式(minkabu PRESS)