清水洋介氏【嵐の前の静けさ? 閑散商状続く東京市場】(2) <相場観特集>

特集
2019年6月17日 19時45分

―重要スケジュール前に動けない投資家とその先の景色―

週明け17日の東京株式市場は、相変わらず日経平均株価は方向感なく2万1000円近辺をさまよう展開。下値は押し目買いが支えるものの、積極的に上値を買う動きもみられない。今週は米連邦公開市場委員会(FOMC)という重要スケジュールがあり、国内でも日銀の金融政策決定会合を控え様子見ムードは仕方ないところ。向こう1ヵ月程度の株式市場の見通しについて第一線で活躍する市場関係者に話を聞いた。

●「上値の重い展開継続、売られ過ぎ銘柄に注目」

清水洋介氏(Argo Navis フィナンシャルコンシェルジュ)

株式相場は当面、上値の重い展開が続くと見込んでいる。

今後1ヵ月程度の日経平均株価のレンジは2万~2万1500円を予想する。2万1000円前後を中心とする狭い範囲での一進一退が続きそうだ。

米国の利下げ期待が膨らんだことが、NYダウの上昇などに寄与した。7月のFOMCでの利下げが有力であり、場合によっては6月にも実施する可能性はあるとみている。ただ、株式市場は米利下げはすでに織り込んでいる。米連邦準備制度理事会(FRB)は1回利下げを行い、その後は様子を見るとみている。

米中貿易摩擦では、トランプ米大統領は今月の20ヵ国・地域(G20)首脳会議後にも、「第4弾」となる追加関税に踏み切る可能性はありそうだ。もっとも、米国による中国への関税引き上げも相場は織り込み済みだろう。

全体相場は、来月下旬の4-6月期決算発表まで動きにくい。こうしたなか、為替相場も今後1ヵ月程度は、1ドル=107円50~109円50銭のレンジで108円50銭を中心に上下1円程度の値動きで収まると予想する。

個別銘柄では「売られ過ぎ銘柄」に注目したい。消費増税への懸念から消費関連株は軟調に推移したが、高島屋 <8233> や三越伊勢丹ホールディングス <3099> などの百貨店株は上昇が見込める。

また、みずほフィナンシャルグループ <8411> のような銀行株も見直し余地は大きい。みずほはPBR0.4倍台で配当利回りは5%近い水準にあり割安感は強い。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(しみず・ようすけ)

大手証券会社に入社後、外資系証券会社、外資系オンライン証券会社などを経て、証券アナリスト、テクニカル分析の第一人者として、「チャートの先生」「ストラテジスト」の役割でテレビのレギュラー出演や雑誌の連載などで活躍。現役ディーラーとしても日々相場と対峙している。10年以上続いているメールマガジン「日々是相場」や投資に関しての講演などを行っている。2014年5月株式スクール開校、証券投資の本質、株式投資の楽しさを啓蒙している。

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