すご腕投資家さんに聞く「銘柄選び」の技 ろくすけさんの場合-第2回
大化け期待の「スター銘柄」探し、そのルーツは野球チーム!?
登場する銘柄
eBASE<3835>、メディアドゥホールディングス<3678>
金融機関出身のフリーライター。株式、投資信託、不動産投資などを中心とした資産形成に関連する記事執筆を主に担当。相続、税金、ライフプラン関連も数多く執筆。
投資歴約20年の元サラリーマン投資家。現在は専業。「多くの人がまだ気づいていない潜在的・本源的価値を見出す」をモットーに企業研究に励み、長期投資を志す。2008年サブプライム問題での相場低迷時に日本株の割安感に着目。投信積み立てから個別株に軸足を移して以降、一歩一歩資産拡大を遂げている。現在の運用資産額は約3億円で、この他にキャッシュで買った自宅も保有。
「10年で2倍くらいに増えればいい」と思って始めたら、2倍どころか10倍もの資産拡大に成功したのが、今回のすご腕投資家さんのろくすけさん(ハンドルネーム)だ。その成功の秘訣は、第1回目で紹介したように「エコノミック・モート(経済的な堀)がある」「オンリーワン」そして「ストックビジネス」という要素を持つ銘柄を探し、集中投資をしてきたことにある。
今回は、この考え方をベースに、「資産10倍化」を達成させたポートフォリオの「ろくすけカブス」に注目。銘柄構成のこだわりや、銘柄選びの具体的な目の付けどころなど、内容を深掘りしていく。
時間不足は「ハンドル操作が不要な自動運転」で乗り越える
現在は専業投資家のろくすけさんが運用資産を大きく増やしたのは、サラリーマン時代。ほとんどのサラリーマン投資家がそうであるように、ろくすけさんも兼業投資家時代は「投資に割ける時間が足りない」という悩みを抱えていた。
そんな同氏が追求にしていたのが、「ハンドル操作が不要な自動運転」のスタイルで投資できる方法だ。その基本は初回の記事で紹介したように、収益のブレが少ない事業モデルを持った銘柄を割安な段階で投資することで下値リスクを抑えつつ、長期運用で値上がり益を狙うという手法だ。
ただし、割安で安定成長が期待できる銘柄を選ぶことが「自動運転」戦略を成功に導く条件の1つだが、これだけでは不十分。「10年で2倍になればいい」とゆったり値上がり益を狙う心持ちが、ろくすけ流の「自動運転」投資には欠かせないのだ。
そんなろくすけさんのスタイルはポートフォリオの名称である「ろくすけカブス」に表れている。由来は現在、ダルビッシュ有投手が所属する米メジャーリーグの「シカゴ・カブス」。日本株の構成銘柄群を「カブス=株’s」として一つの「チーム」と見なし、長期で安定して伸びていく「選手」を厳選していこうという思いが表れている。
野球チームの名称から取ったのは、スタータィングメンバーが9人であることと関係している。個別株のファンダメンタルズを重視する投資においては、業績やビジネスの内容が当初選んだ時から変化やほころびが出ていないか、定期的に目配りしてく必要がある。
これをぬかりなく行うためには「10銘柄程度に絞って投資するのが理想的」とするアイデアを参考にし、ポートフォリオの構成銘柄も9銘柄+アルファ、つまり10~15銘柄前後に収まるよう心掛けているのだ。
足元のろくすけカブスに所属する「期待の選手」が次ページの円グラフだ。
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