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2019年7月3日 13時30分
特集

原油需要を圧迫か、隘路にはまり込む米中協議 <コモディティ特集>

注目された米中首脳会談では、途絶えていた通商協議を再開することで合意に至った。米国は対中関税の強化を見送り、世界的な景気減速と石油需要の下振れ懸念がやや後退した。米国は中国の通信機器大手ファーウェイに対する禁輸措置を緩和する方針。中国は米国産の農産物の購入を拡大する。

●協議再開しても溝は埋まらない?

ただ、今回の米中首脳会談後の展開は、昨年アルゼンチンのブエノスアイレスで行われたG20首脳会議と同様であり、米中通商協議が最終合意に辿り着くのか疑問視されている。ムニューシン米財務長官や中国の劉鶴副首相などのこれまでの発言からすると、時間をかけて協議を積み重ねる余地が多くあるとは思えず、トランプ米大統領と習近平主席の会談で溝を埋めることができないとなれば、通商協議はすでに立ち往生しているのではないか。5月時点で中国の劉鶴副首相は「自分がこれ以上できることはなく、あとは両首脳で解決するしかない」との認識を示しているほか、先週のムニューシン米財務長官は「協議は90%完了していた」と述べている。

今後、閣僚級の協議が再開されるにしても、どこに注目すべきであるのかわからない。残されている溝は交渉の末に埋まる類のものなのか。今年後半、米中両国は金融市場におけるこの懸念との戦いを強いられそうだ。懸念が膨らめば株式市場を圧迫する可能性が高く、そうなれば消費や投資が抑制されるだろう。長期間に渡る向かい風に耐えられなくなったほうが妥協するという展開はあり得るが、我慢比べは金融市場にとっては辛い。

●協調減産継続も、規模は不十分との市場評価

石油輸出国機構(OPEC)やロシアなどによるOPECプラスは、現行の日量120万バレルの減産を2020年3月まで継続することで合意した。米国の経済制裁が続いていることで、ベネズエラやイランの生産量は一段と減少する見通しである一方、OPECプラス全体の減産規模は拡大していく公算である。5月のOPEC月報によると、イランの生産量は日量237万バレル、ベネズエラは同74万1000万バレルまで減少している。両国の生産量がゼロになることはないが、合計で日量300万バレル超の減る余地がまだあるといえる。

ただ、イランやベネズエラのおかげでかなりの減産規模になっているにも関わらず、主要な産油国は相場を押し上げられていない。米国がイランの原油輸出をゼロにしようとしているなかでも、どちらかといえば供給過剰が意識されている。協調減産の継続が伝えられた1日のニューヨーク市場で、ウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は高値から押し戻されており、減産規模が不十分であることが連想された。世界的な景気減速懸念の根強さが現れている。

●相場は下値探りも、中東緊迫化が懸念材料

米中貿易摩擦の終わりは見えず、石油需要の下振れに主要な産油国が遅れをとっているとすると、どちらかといえば相場は下値探りか。ただ、米国とイランの対立によって、石油輸送の要所であるホルムズ海峡が緊迫化すると、上振れ圧力が強まる。来週にもイランはウラン濃縮を再開する可能性がある。

(minkabu PRESS CXアナリスト 谷口 英司)

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