10日の米国市場ダイジェスト:NYダウ76ドル高、利下げ期待が強まる
■NY株式:NYダウ76ドル高、利下げ期待が強まる
米国株式相場は上昇。ダウ平均は76.71ドル高の26860.20、ナスダックは60.80ポイント高の8202.53で取引を終了した。パウエルFRB議長が議会証言で米経済は「逆流」の中にあると発言し、今月のFOMCでの利下げが意識され買いが広がった。パウエルFRB議長は「不透明感」に度々言及するなど、市場に利下げの合図を送ったと捉える向きが多い。決算発表シーズンを控えて上値は限られたものの、終日堅調推移となった。ナスダック総合指数は過去最高値を更新。セクター別ではエネルギーやメディア・娯楽が上昇する一方で銀行や資本財が軟調。
通信大手のTモバイル(TMUS)は、15日の取引開始前にソフトウェアのレッドハット(RHT)に代わり、S&P500銘柄に採用されることが報じられ上昇。電気自動車のテスラ(TSLA)は、カリフォルニア州での電気自動車工場の生産拡大計画が明らかとなり堅調推移。一方で、衣料品のリーバイ・ストラウス(LEVI)は、決算内容が嫌気され大幅下落。長期金利の低下により、バンクオブアメリカ(BAC)やJPモルガン(JPM)などの金融各社が売られた。
大型株で構成されるS&P500指数は、一時3000ポイントの節目を上回りザラ場の過去最高値を更新した。
Horiko Capital Management LLC
■NY為替:パウエルFRB議長証言などで7月利下げ期待強まる
10日のニューヨーク外為市場でドル・円は、108円96銭から108円35銭まで下落し、108円47銭で引けた。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が下院金融サービス委員会の証言で、「6月FOMC以降の不透明性が引き続き見通しを抑制している」としたほか、6月連邦公開市場委員会(FOMC)議事録でも多くの高官がリスクの上昇で、利下げの論拠が強まったと指摘したことが明らかになり、速やかな利下げ観測を受けたドル売りに拍車がかかった。
ユーロ・ドルは、1.1213ドルから1.1264ドルまで上昇し、1.1251ドルで引けた。ユーロ・円は、122円25銭から121円98銭まで下落。ポンド・ドルは、1.2470ドルから1.2521ドルまで上昇した。
ドル・スイスは、0.9928フランから0.9887フランまで下落した。
■NY原油:大幅続伸で60.43ドル、需給ひっ迫や米利下げ観測で
NY原油先物8月限は大幅続伸(NYMEX原油8月限終値:60.43 ↑2.60)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物8月限は前日比+2.60ドルの60.43ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めた取引レンジは58.35ドル-60.53ドル。米エネルギー情報局(EIA)が10日発表した週間在庫統計で原油在庫の減少幅が予想を大きく上回ったことや、米7月利下げへの期待が高まったことが原油先物の上昇につながった。なお、利下げについては0.50ポイント幅になるとの思惑が広がっており、原油先物市場でも材料視されていたようだ。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 29.02ドル -0.33ドル(-1.12%)
モルガン・スタンレー(MS) 43.31ドル -0.47ドル(-1.07%)
ゴールドマン・サックス(GS)205.97ドル -1.80ドル(-0.87%)
インテル(INTC) 48.21ドル +0.46ドル(+0.96%)
アップル(AAPL) 203.23ドル +1.99ドル(+0.99%)
アルファベット(GOOG) 1140.48ドル +15.65ドル(+1.39%)
フェイスブック(FB) 202.73ドル +3.52ドル(+1.77%)
キャタピラー(CAT) 132.64ドル -1.65ドル(-1.23%)
アルコア(AA) 22.61ドル +0.39ドル(+1.76%)
ウォルマート(WMT) 112.98ドル +0.10ドル(+0.09%)
スプリント(S) 7.16ドル +0.32ドル(+4.68%)
《SF》
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